《シティ派SUV特集》最も身近なレクサス。UXが提唱する新価値

レクサス250hバージョンL(FF)試乗記

IMG_6206.JPGレクサスUX250hバージョンL(FF) 価格:THS 509万円 バージョンLは本革シートと電動リアゲートと18インチタイヤを標準装備した上級グレード FFと後輪をモーターで駆動する4WD(535万円)を設定 パワートレーンは新開発

SUVとハッチバックをクロスオーバーさせた意味

 レクサスUXは、使い勝手を重視したブランニューモデルだ。ボディサイズは全長×全幅×全高4495×1840×1540㎜。NX(同4640×1845×1645mm)と比較して、全長は145mm短く、全高は105mm低い。UXは全高を低めに設定し、一般的な立体駐車場に対応。これは使い勝手の面でもプラスをもたらした。メーカーが「新たなライフスタイルを提供するコンパクトクロスオーバー」と表現するのは、UXが従来のハッチバックと遜色ない日常性能を持っているからである。

 スタイリングは力強い。張り出したフェンダーに個性的な形状のアーチモールを組み合わせ、17インチまたは18インチの大径タイヤを履いたフォルムは、SUVらしい逞しさを伝える。一方で、ドライバーズシートに腰を下ろしてみると「通常のSUVとはテイストが異なる」と感じさせる、適度な高さのフロアがもたらす乗降性は優れている。一方、アイポイントは比較的低めで、高い位置から見下ろす感覚はない。それゆえ、オーソドックスなハッチバック車と同じ気持ちで接することができる。UXは「SUVとハッチバックのクロスオーバー」といえそうだ。
 車両の基本骨格は、トヨタ最新のTNGA。もっと詳しくいえば、トヨタC―HRと同様のGA―Cというプラットホームである。

IMG_6199.JPGリアランプはスポイラーイメージ 左右が連結したワイド形状 ボディカラーは写真のブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング(op16万2000円)など全13色

最新パワーユニット採用。走りは力強い

 UXが「プレミアムブランドの作品」と感じるポイントは、最新のパワーユニットと駆動系を採用したことにある。
 1.2リッターのターボ(116ps)と、プリウスから転用された1.8リッター(98ps)+モーター(72ps)のハイブリッドを用いるC―HRに対して、UXはプレミアムガソリン仕様の2リッターエンジン(174ps)と、アトキンソンサイクルのレギュラーガソリン仕様2リッター(146ps)+モーター(109ps)のハイブリッドという、いずれも新開発のパワートレーンを設定。4WD仕様は後輪をモーターで駆動するハイブリッドとなる。すべてのパワートレーンが、C―HRより新しく、そしてパワフルだ。

 試乗車はハイブリッド仕様の250hと、2リッターガソリンの200。
 200に対して250hと表記されるハイブリッドは、ラインアップ上は「格上」の扱い。しかし、加速性能は「大差はない」と実感した。
 実際、174psという200の最高出力に対して、250hのシステム出力は184psと、差はわずか。FF仕様で比較すると、車重は250hのほうが約80kg重い。
 とはいえ、スタートの瞬間から20.6kgmという強力なトルクを発する電気モーターで、ほとんど無音のまま走りはじめるハイブリッドのフィーリングは魅力的。200に対する明確なアドバンテージである。レクサスというブランドに"飛びぬけた静粛性"を期待するのであれば、ふさわしいパワーユニットはハイブリッド、すなわち250hである。通常領域での加速は力強く、走りは全般的にスムーズ。シティユースをはじめ高速道でも満足感は高い。

IMG_6190.JPGUXはアルミ製ボンネット&ドアと樹脂製リアゲートで軽量化を徹底 プラットホームは新しいGAーC 足回りはフロントはストラット/リアはダブルウィッシュボーン式

足は標準サスペンションがおススメ

 純エンジンモデルとなる200は、「プレミアムガソリンを要求するスポーツ性がセールスポイント」と主張するのであれば、パワーの伸び感とパンチ力など、もう少し刺激的なパフォーマンスがほしかった。新たに発進用のギアを追加して、伝達効率を落とさずに変速レンジを広げたCVTは、特別に走りのフィーリングを向上させるまでには至っていなかった。

 試乗したFスポーツ・グレードは、200/250hのいずれにもオプションの電子制御式可変減衰力ダンパー(AVS)+リアパフォーマンスダンパーというオプションが組み込まれていた。もう1台の200のバージョンCは、標準サスペンションと18インチのランフラットタイヤを組み合わせていた。
 フットワークに好印象を抱いたのは、バージョンC。Fスポーツは、平滑路面では高いフラット感が得られる一方で、路面変化に敏感で走行状況によっては揺すられ感を感じた。UXというモデルのキャラクターには、路面を問わずよりしなやかな乗り味を備える標準サスペンションがふさわしい。

 扱いやすいサイズに、優れた乗降性、全方位に対する良好な視界など、ハッチバック同様の使い勝手を備えた、最も身近なレクサス――そんな表現が、UXのキャラクターを説明するのにふさわしい。人気モデルになるに違いない。

IMG_6273.JPGインパネは機能的なデザイン 視界はワイド アイポイントは比較的低めの設定 メーターはTFT液晶タイプ 室内中央に10.3インチワイドディスプレイ設置

IMG_6289.JPGバージョンLの本革シートは前席ヒーター&ベンチレーション機能付き 室内長1830㎜

IMG_8934.JPGメーターは走行モードで表示が変化 写真はスポーツモード

IMG_6439.JPGレクサスUX200Fスポーツ 価格:10CVT 443万円 200はプレミアムガソリン仕様の2リッター直4DOHC16V(174?/21.3㎏・m)搭載 CVTは発進用ギアを装備 WLTCモードは16.4km/リッター

※次ページでスペックを紹介

レクサスUX250hバージョンL(FF)主要諸元と主要装備

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グレード 250hバージョンL(FF)
価格=THS 509万円
全長×全幅×全高=4495×1840×1540mm
ホイールベース=2640mm
トレッド=フロント1550×リア1550
最低地上高=160mm
車重=1580kg
エンジン=1986cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=107kW(146ps)/6000rpm
最大トルク=188Nm(19.2kgm)/4400rpm
モーター最高出力=80kW(109ps)
モーター最大トルク=202Nm(20.6kgm)
WLTCモード燃費=22.8km/リッター(燃料タンク容量43リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=22.0/23.4/22.7)
サスペンション =フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/50R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/電気式無段変速機/アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御
●主要装備:レクサスセーフティシステム+(プリクラッシュセーフティ+レーントレーシングアシスト+全車速追従型レーダークルーズコントロール+アダプティブハイビーム+ロードサインアシスト+先行車発進告知)/パーキングサポートブレーキ/ITSコネクト/車両接近警報装置/3眼フルLEDヘッドライト/ヘッドライトクリーナー/LEDフロントフォグライト/撥水機能付きUV・IRカットガラス(フロントドア)/フロントパフォーマンスロッド/アクティブコーナリングアシスト/ルーフレール/ハンズフリーパワーバックドア/TFT液晶メーター/本革巻きステアリング/アナログクロック/本革シート/前席シートヒーター&ベンチレーション/レクサスクライメイトコンシェルジュ/プレミアムサウンドシステム/10.3インチディスプレイナビゲーション/サウンドライブラリー/ドライブモードセレクト/ETC2.0ユニット
●装着メーカーop:ナビAIパフォーマンスダンパー14万400円/ムーンルーフ10万8000円/おくだけ充電2万3760円/アクセサリーコンセント4万3200円/カラーヘッドアップディスプレイ8万6400円/ブラインドスポットモニター+パノラミックビューモニター11万8800円/マークレビンソン・プレミアムサラウンドサウンドシステム22万7880円/寒冷地仕様2万4840円
●ボディカラー:ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング(op16万2000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万1400円
※スペックは2019年2月現在

IMG_6247.JPGリアゲートはハンズフリー電動開閉タイプ 荷室容量は後席使用時220リッター 最大995リッター

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