三菱自動車の欧州市場向けコンパクトSUV「ASX」がマイナーチェンジ。“ダイナミックシールド”をより強調したフロントデザインの採用や、10.4インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオおよびGoogle機能を搭載した新コネクティッド機能の導入、パークアシストとアラウンドビューモニターの採用による安全性能の強化などを行って訴求力をアップ
三菱自動車の欧州事業統括会社であるミツビシ・モーターズ・ヨーロッパBV(MME)は2024年4月24日(現地時間)、欧州市場向けのコンパクトSUV「ASX」の改良モデルを発表した。
ASXはグローバルに幅広く展開する三菱自動車の主力車種で、日本では「RVR」として設定するモデル。欧州市場では2010年よりリリースされ、2023年にはルノー・日産・三菱自動車アライアンスの強化を背景に、2代目ルノー・キャプチャーのOEM車となる第2世代に移行して、MMEのネットワークを通じて販売している。
今回の改良では、フロントフェイスの刷新を図るとともに、コネクティッド機能や安全機能などのアップデートを実施したことが特徴である。
まずエクステリアは、従来と同様にCMF-Bプラットフォームを採用したクロスオーバータイプのSUVスタイルに仕立てたうえで、三菱自動車のデザインアイデンティティである“ダイナミックシール”をより強く印象づけるフロントフェイスに一新。バンパー中央部を大胆にブラックアウト化することでダイナミックシールドマスクを強調するとともに、立体的で奥行き感のあるサテンシルバーのグリルモチーフを組み込んで一体化させることで、ダイナミックかつ堅牢なマスクを創出する。また、LEDヘッドライトはL字型とスリット状の造形を組み合わせ、洗練されたモダンな印象に仕上げた。さらに、足もとにはダイヤモンドカット加工を施したブラックの18インチのアルミホイールを新たに設定し、スポーティな逞しさを際立たせている。
インテリアについては、10.4インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオを新たに採用するとともに、三菱車で初めてのGoogle搭載車として、コネクティッドサービスを拡充。音声で電話やメール、音楽の再生、リマインダーの設定、車内の温度調整などができるGoogleアシスタントや、ナビゲーション機能およびリアルタイムの交通情報を提供するGoogleマップ、スマートフォンのように音楽やポッドキャストなどのアプリをダウンロードできるGoogle Playなどを使用可能とする。また、コネクティッド機能を強化する新開発のモバイルアプリ「My Mitsubishi Motors」を展開。スマートフォンから駐車位置の確認などができるようになり、日常生活での使い勝手をより向上させた。
パワートレインについては、1.6リットルガソリンエンジンに駆動用と発電用の2つのモーター、マルチモードの自動変速機と1.2kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたハイブリッド(HEV)仕様、1.3リットル直噴ガソリンターボエンジンに6速マニュアルトランスミッションまたは7速デュアルクラッチオートマチックトランスミッションを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様、1.0リットルガソリンターボエンジンに6速マニュアルトランスミッションを組み合わせたガソリンエンジン仕様をラインアップする。HEV仕様ではバッテリー残量を温存しながら走行する「Eセーブ」モードを新たに採用。駆動用バッテリーの充電を40%以上に保つことができるため、EV走行したい場面や急坂などモーターによるエンジンのアシストが必要な場面に備えて、電池残量を確保しておくことを可能とした。
先進安全運転支援システムの充実化も図り、駐車可能位置を自動で検知して車庫入れや前向き駐車、縦列駐車をサポートするパークアシストや、車両周囲の障害物などの確認を補助するアラウンドビューモニターを装備して、駐車時の安全性と利便性をアップ。また、後退時交差車両検知警報システム[RCTA]をはじめとする予防安全技術を充実させることで、快適かつ安全・安心な運転サポートを実現している。
なお、改良版ASXは2024年5月よりスペインのルノー社バリャドリード工場で生産を開始し、6月より販売を実施する予定である。