フォルクスワーゲンが“史上最もパワフルなFFゴルフ”と謳う改良型ゴルフGTIクラブスポーツを、本年6月1日開催のニュルブルクリンク24時間レースの特設会場で初公開すると発表。合わせてワンオフモデルの「ゴルフGTIクラブスポーツ24h」でニュルに参戦し、さらにADAC 24時間クラシックレースに第1世代の「ゴルフGTI」3台が出場すると予告
独フォルクスワーゲンは2024年5月23日(現地時間)、改良型の「ゴルフGTIクラブスポーツ(Golf GTI Clubsport)」を、本年6月1日開催のニュルブルクリンク24時間レースの特設会場において、レース決勝前日に初公開すると発表。合わせてワンオフモデルの「ゴルフGTIクラブスポーツ24h」でニュルに参戦し、さらにADAC 24時間クラシックレースに第1世代の「ゴルフGTI」3台が出場するとアナウンスした。
“史上最もパワフルなFFゴルフ”と謳う改良型ゴルフGTIクラブスポーツは、イルミネーション付きの新VWエンブレムや、新造形のLEDヘッドランプなどを配備してフロントマスクを刷新。また、フロントバンパーのエアインテークにはフィンを組み込んで、冷却効果を高める。さらに、リアセクションでは新設計の大型リアスポイラーやディフューザーなどを採用して空力特性を向上させるとともに、新デザインのリアコンビネーションランプを配して、よりスポーティで存在感あふれる後ろ姿を創出した。そして、足もとには5代目ゴルフGTIで導入されたクラシックな“デトロイト”ホイールをオマージュした新造形の19インチ“クイーンズタウン”アルミホイールを装着。オプションで1本あたり8kgという軽量な19インチ鍛造アルミホイールも選択可能とした。
インテリアに関しては、新設計の多機能レザースポーツステアリングホイールを採用したことがトピック。合わせて、新世代のインフォテインメントシステムやチャットGPTを備えた新音声アシスタントのIDAも採用し、ドライバーが運転に集中できるコクピットを実現している。
パワートレインの詳細については今回の発表では明言していないが、“史上最もパワフルなFFゴルフ”と称していることから、従来のクラブスポーツの最高出力300ps(2リットル直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン)を上回ることが予想される。また、機構面ではニュルブルクリンクサーキットの北コースであるノルトシュライフェに最適化させた“スペシャル”ドライビングプロファイルを採用。DCCアダプティブシャシーコントロールのバーチカルセットアップと、ビークルダイナミクスマネージャーのラテラルダイナミクスセットアップを変更して、パフォーマンスを最大限に引き上げている。
今回の発表では、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するワンオフモデルの「ゴルフGTIクラブスポーツ24h」と、ADAC24時間クラシックレースに出場する第1世代の「ゴルフGTI」も披露される。
ゴルフGTIクラブスポーツ24hは、2リットル直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンの最高出力を348ps、最大トルクを450Nmにまで引き上げるとともに、使用燃料として20%のバイオエタノールと40%の残渣および廃棄物由来の再生可能成分を採用するシェル社のハイテクガソリンE20を用いて、AT3クラス(SP3T/“alternative fuels”搭載車)で参戦。また、専用設計のボディシェルや空力パーツを装着してパフォーマンスを高めると同時に、乾燥重量を1170kgに抑えて、パワーウエイトレシオは3.36kg/ps、最高速度は270km/hを実現する。参戦チームはレーシングドライバーのベニー・ロイヒター選手率いるマックス・クルーゼ・レーシング。ゼッケンナンバーはゴルフGTI誕生50周年に由来する“50”を付けた。
メインレースの前に催されるADAC24時間クラシックレースに出場する第1世代のゴルフGTIについては、3台が名を連ねる。1981年にリリースされた伝説的な「ゴルフGTI 16Sエッティンガー」(最高出力208ps)がグループ4で、1978年製の「ゴルフGTI カメイ」(最高出力183ps)がグループ2で、そしてGTIカモフラージュデザイン(“50 years of Golf”ロゴ入り)を纏った1980年製「ゴルフGTI」(最高出力184ps)がグループ2で参戦。いずれも2024年に45周年を迎えるKWLモータースポーツチームからエントリーする。