トヨタ自動車の北米部門が新型クラウンのエステートモデルに位置する「クラウン・シグニア」を2025年モデルとして本年夏に発売すると予告。“エフォートレス エレガンス”をキャッチフレーズに、クロスオーバーパッケージで仕立てた新進のワゴンスタイルや、先進装備を豊富に配した上質なインテリア、2.5Lガソリンエンジンをベースとするハイブリッドシステムのパワートレイン、オンデマンドAWDの駆動システム、最新の安全運転支援システムなどを採用。グレードはXLEとリミテッドの2タイプをラインアップし、車両価格は4万3590~4万7990ドル(約685~755万円)に設定
トヨタ自動車の北米部門であるToyota Motor North America(TMNA)は2024年6月6日(現地時間)、新型クラウンのエステートモデルとなる「クラウン・シグニア(Crown Signia)」を2025年モデルとして本年夏に発売すると発表した。
北米市場ではクロスオーバーに続く新型クラウンの第2弾となる新型クラウン・シグニアは、キャッチフレーズに“エフォートレス エレガンス(気取らないエレガンス)”を掲げて登場。クロスオーバーパッケージで仕立てた新設計のワゴンスタイルや、先進装備を豊富に配した高品質なインテリア、2.5Lガソリンエンジンをベースとするハイブリッドシステムのパワートレイン、オンデマンドAWDの駆動システム、最新の安全運転支援システムなどを採用して、「セダンのような快適な走行性とSUVのような多用途性」を兼ね備えた新進のエステートモデルに仕立てたことが特徴である。2025年モデルはXLEとリミテッドの2タイプをラインアップし、車両価格はXLEが4万3590ドル(約685万円)、リミテッドが4万7990ドル(約755万円)に設定している。
エクステリアは、ワイドかつスタイリッシュなクロスオーバースタイルを基調に、フロント部には幾何学的なロアグリルを配するハンマーヘッドフェイスやシャープな造形のLEDヘッドランプなどを、サイド部には彫りの深いラインや流れるようなルーフ造形、新デザインの19インチ(XLE)または21インチアルミホイール(リミテッド)などを、リア部には抑揚のあるフェンダーや厚みのあるバンパー、ワイド感を強調した横一文字のLEDコンビネーションランプなどを採用して、力強くて存在感あふれるルックスを創出する。ボディサイズは全長194.1×全幅74.0×全高64.0インチ/ホイールベース112.2インチ(同4930×1880×1625mm/2850mm)に設定。ボディ色はスタンダードカラーとしてストームクラウドとブラック、オプションカラーとしてフィニッシュラインレッド、オキシジェンホワイト、ブロンズエイジという計5色をラインアップした。
内包するインテリアは、新型クラウンの特徴であるディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして島(アイランド)のように配置する“アイランドアーキテクチャー”デザインを活かしたうえで、カラーリングや素材などでシグニアならではの個性を主張。具体的には、高品質なレザーのトリムやブロンズ仕上げのパネル、ドアとダッシュボードのカラーにマッチングさせたソフトタッチパネル、縦置ワイヤレスチャージャーとストレージを備えたセンターコンソールなどを配して、ラグジュアリーかつエレガントなキャビン空間を創出する。一方でシートは、前席が乗員を包み込む適度なボルスターを備えた8ウェイパワー調整機構付きコンフォートタイプを、後席がラウンジのような座り心地が味わえる6:4分割可倒機構付きタイプを装着。また、XLEにはファブリックとSofTexを組み合わせた表皮を、Limitedにはフィレットパイピングを施した上質なレザー表皮を採用した。内装カラーについては、ブラックとサドルタンを用意。乗員の開放感を高めるパノラマガラスルーフも設定している。
機能面では、12.3インチのマルチインフォメーションディスプレイ(MID)や12.3インチのマルチメディアタッチスクリーン、ワイヤレスチャージャー、USBソケット、JBLサウンドシステムなどの先進機構を豊富に設定。広くてフラットなフロアを持つ大容量ラゲッジルームとハンズフリー機能付きパワーリフトゲートを装備して、利便性を高めたことも訴求点である。
パワートレインについては、A25A-FXS型2.5リットル直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジンに、前後2基の電気モーター(前134kW/後40kW)、バイポーラ ニッケル水素(NiMH)バッテリーを組み合わせたトヨタハイブリッドシステム(THS)を搭載。システム最高出力は240hpを発生する。また、トランスミッションには電子制御無段変速機(ECVT)を、駆動機構には前後輪トルク配分を100:0~20:80の間で緻密に制御するオンデマンドAWDを採用。さらに、NORMAL/ECO/SPORT/CUSTOMから選択できるドライビングモードを設定した。
基本骨格に関しては、エステートデザインとパフォーマンスの理想の形を叶えるために、その基礎となるTNGA-Kプラットフォームのクオリティを徹底追求し、高剛性化、軽量化、低振動化を果たす。また、フロアには微振動を低減させる高減衰接着剤を使用することで、走行時の低振動化を達成した。
先進安全運転システムとして、最新のTSS(Toyota Safety Sense)3.0を装備したことも見逃せない。機能としては、歩行者検出機能を組み込んだプリコリジョンシステムやステアリングアシスト付きの車線逸脱警報、フルスピードレンジダイナミックレーダークルーズコントロール、緊急運転停止システムを追加したレーントレーシングアシストなどを組み込んでいる。
なお、新型クラウン・シグニアの生産は日本の堤工場(愛知県)が担当するという。