いすゞの国際戦略SUV「MU-X」が大幅改良。“Bold and Dynamic”をコンセプトにエクステリアデザインを刷新

世界60以上の国や地域で販売するいすゞの国際戦略SUV「MU-X」がマイナーチェンジ。“Bold and Dynamic”をテーマに据えて外装デザインを、“Bold and Redefined”をテーマに据えて内装デザインを変更するとともに、機能装備のアップグレードや先進安全機能の拡充、高級感とスポーティさを強調した最上級グレード「RS」の設定などを実施

 いすゞ自動車は2024年6月13日、ピックアップトラックのD-MAXをベースとするPPV(パッセンジャー・ピックアップ・ビークル)の「MU-X(ミュー エックス)」をマイナーチェンジし、“THE NEXT PEAK”をキャッチフレーズに掲げて6月12日にタイでの販売を開始したと発表した。

▲いすゞMU-X RS 4×4 全長4860×全幅1885×全高1875mm ホイールベース2855mm 車重2175kg 乗車定員7名 RSは高級感とスポーティさを強調した新設定の最上級グレード

▲いすゞMU-X RS 4×4 全長4860×全幅1885×全高1875mm ホイールベース2855mm 車重2175kg 乗車定員7名 RSは高級感とスポーティさを強調した新設定の最上級グレード

 

 タイのサムットプラカン県に居を構える泰国いすゞ自動車(IMCT)で生産する7名乗りSUVのMU-Xは、2020年に全面改良を実施して第2世代に移行。開発コンセプトに“Robust and Exclusive”を掲げ、いすゞの強みである高い耐久信頼性や燃費性能、安全性能を最大限に確保しつつ、PPVに求められる快適性や高級感をいっそう向上させる。そして、タイを皮切りにオーストラリアや南アフリカ、中東、中米など世界60以上の国や地域で販売され、各市場で高い評価を獲得。いすゞにとって重要な国際戦略車に位置している。

 第2世代としては初となる今回の大幅改良は、“Bold and Dynamic”をテーマに据えて外装デザインを、“Bold and Redefined”をテーマに据えて内装デザインを変更するとともに、機能装備のアップグレードや先進安全機能の拡充、そして従来の「ULTIMATE(アルティメット)」に加えて高級感とスポーティさを強調した最上級グレード「RS(アールエス)」の設定などを実施したことが特徴である。車両価格はULTIMATEが119万6000バーツ(約512円)~、RSが165万9000バーツ(約710万円)~に設定している。

▲いすゞMU-X ULTIMATE 4×2 全長4860×全幅1870×全高1875mm ホイールベース2855mm 車重2085kg 乗車定員7名 フロントフェイスやアルミホイール、ランプ類などのデザインを変更

▲いすゞMU-X ULTIMATE 4×2 全長4860×全幅1870×全高1875mm ホイールベース2855mm 車重2085kg 乗車定員7名 フロントフェイスやアルミホイール、ランプ類などのデザインを変更

 

 まずエクステリアデザインは、従来と同様に第3世代のいすゞD-MAXに採用する軽量・高強度のIsuzu Dynamic Driveプラットフォームおよびフレームをベースとしたうえで、フロントフェイスやアルミホイール、ランプ類などのデザインを変更。フロントバンパーには新たにエアカーテンを採用し、卓越したエレガントさや俊敏かつモダンなイメージを与えるとともに、空力性能の向上を実現する。また、RSはエクステリアの随所にブラックカラーを施し、合わせてフロントグリルに専用エンブレムを装着することで、よりスポーティで精悍なルックスを演出した。ボディサイズは全長4860×全幅1870~1885×全高1815~1875mm/ホイールベース2855mmに設定している。

▲RSはエクステリアの随所にブラックカラーを施し、フロントグリルに専用エンブレムを装着することで、よりスポーティで精悍なルックスを創出

▲RSはエクステリアの随所にブラックカラーを施し、フロントグリルに専用エンブレムを装着することで、よりスポーティで精悍なルックスを創出

 

 一方でインテリアデザインは、インストルメントパネルやドアトリム、シートなどを見直し、細部の作り込みと質感へのこだわりを徹底することで、先進性、高級感、機能性をより高い次元へと引き上げる。また、メーターパネル内に7インチTFT液晶ディスプレイを採用し、さらにサラウンドビューモニターシステム(安全性能向上/駐車支援)を追加して、利便性を高めた。RSについては、インストルメントパネル部のアンビエントライトやフットランプを装備するとともに、“RS”ロゴをヘッドレストに配した専用シートを採用して、最上級グレードにふさわしい洗練されたキャビン空間に仕立てている。

▲インテリアデザインはインストルメントパネルやドアトリム、シートなどを見直し、細部の作り込みと質感へのこだわりを徹底することで、先進性、高級感、機能性をより高い次元へと引き上げる

▲インテリアデザインはインストルメントパネルやドアトリム、シートなどを見直し、細部の作り込みと質感へのこだわりを徹底することで、先進性、高級感、機能性をより高い次元へと引き上げる

▲メーターパネル内に7インチTFT液晶ディスプレイを配備

▲メーターパネル内に7インチTFT液晶ディスプレイを配備

▲サラウンドビューモニターシステム(安全性能向上/駐車支援)を新採用

▲サラウンドビューモニターシステム(安全性能向上/駐車支援)を新採用

▲RSにはインストルメントパネル部のアンビエントライトやフットランプを装備するとともに、“RS”ロゴをヘッドレストに配した専用シートを装着

▲RSにはインストルメントパネル部のアンビエントライトやフットランプを装備するとともに、“RS”ロゴをヘッドレストに配した専用シートを装着

 

 先進安全運転支援システムの面では、新世代のステレオカメラを採用したことがトピック。機能としては、交差点進入時に対向の横断歩行者を検知して危険時には自動ブレーキが作動する機能や、前向き駐車からの後退時に後側方から接近する車両を検知して危険時には自動ブレーキが作動する機能、外気温が低い時に自動でカメラレンズ周囲のフロントガラスを温めて曇りを防ぎ、先進安全装置の未作動リスクを回避する機能などを追加している。

▲新世代のステレオカメラを採用して先進安全運転支援システムの機能を拡充

▲新世代のステレオカメラを採用して先進安全運転支援システムの機能を拡充

 

 パワートレインは基本的に従来を踏襲し、最新世代の4JJ3型2999cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン(最高出力190ps/3600rpm、最大トルク450Nm/1600~2600rpm)+電子制御6速ATとRZ4E型1898cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン(最高出力150ps/3600rpm、最大トルク350Nm/1800~2600rpm)+6速MT/電子制御6速ATを搭載。駆動機構には、トラクションコントロール(TCS)に2種類の制御モード(ノーマルモード/ラフテレインモード)を組み込んだ4WD(2H/4H/4L)と2WDを設定している。

▲RSはパワートレインに最新世代の4JJ3型2999cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン(190ps/450Nm)+電子制御6速ATを搭載する

▲RSはパワートレインに最新世代の4JJ3型2999cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン(190ps/450Nm)+電子制御6速ATを搭載する

 

 なお、タイでは改良版MU-Xの発表会を敢行。その席でいすゞ自動車の南真介COOは、「2020年にフルモデルチェンジした現行MU-Xは、世界60を超える国・地域でご好評をいただき、タイでは昨年、PPVセグメントにおいて過去最高の販売シェア34.6%となりました。今回、エクステリアとインテリアのデザインを大幅に刷新し、さらなる進化を遂げたMU-Xは、これからもいすゞブランドをグローバルに力強く牽引する主力商品のひとつであり続けると確信しています」とコメントしている。

 

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