フォルクスワーゲンが商品改良したゴルフRとゴルフRヴァリアントを本国で発売。2リットル直4ターボエンジンは最高出力を従来の320psから333psへとアップ。内外装デザインの一部変更や機能装備のバージョンアップも実施。特別仕様車の「ゴルフR ブラックエディション」も設定
独フォルクスワーゲンは2024年6月26日(現地時間)、今年で誕生50周年を迎える第8世代のゴルフのマイナーチェンジモデルで、ハイパフォーマンスグレードに位置する「ゴルフR」および「ゴルフRヴァリアント」を発表。合わせて、特別仕様車の「ゴルフR ブラックエディション」をラインアップし、7月3日(現地時間)よりドイツでの販売を開始した。車両価格はゴルフRが5万3795ユーロ(約920万円)~、ゴルフRヴァリアントが5万5065ユーロ(約942万円)~、ゴルフR ブラックエディションが5万8440ユーロ(約1000万円)に設定している。
今回の改良は、パフォーマンスのさらなる向上を図るとともに、内外装デザインの一部変更や機能装備のバージョンアップなどを実施したことが特徴である。
注目のパワートレインには改良版の“2.0TSI”1984cc直列4気筒DOHC16V直噴インタークーラー付ターボエンジンを搭載。最高出力は従来の320psから333psにアップし、最大トルクは従来と同数値の420Nmを発生する。トランスミッションには専用セッティングの7速DSGを組み合わせ、駆動機構には車速、エンジン出力、ステアリング角度、横加速度、ヨーレートなどの情報をもとに2つのマルチプレートクラッチが後輪左右のトルク配分を最適にコントロールしてトルクを可変的に配分するRパフォーマンストルクベクタリングを配した4MOTIONシステムを採用。また、足回りには電子制御式ディファレンシャルロック“XDS”とアダプティブシャシーコントロール“DCC”を統合制御するだけではなく、4MOTIONと高度に連携したビークルダイナミクスマネージャーを、操舵機構には最新世代のプログレッシブステアリングを組み込んだ。さらに、ドライビングプロファイル機能には通常のエコ/コンフォート/スポーツ/インディビデュアル/レースモードを設定したほか、オプションのRパフォーマンスパッケージにはドリフトモードと、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェの走行に合わせて特別にセッティングしたスペシャルモードを追加。同パッケージにはGPSラップタイマーやGメーターも採用する。性能面では最高速度250km/hを達成し、Rパフォーマンスパッケージでは20km/h増しの270km/hを実現した。
エクステリアについては、新デザインのLED Plusヘッドライトやイルミネーション付きのVWバッジ、エアカーテンを組み込んだ新フロントバンパー、新造形のLEDテールライトクラスターなどを配備したことがトピック。また、足もとには18インチアルミホイール“Jerez”+225/40R18タイヤを標準で、1本当たりの重量が8kgという軽量タイプの19インチ鍛造アルミホイール“Warmenau”+235/35R19をオプションで設定した。
インテリアに関しては、ブラックの内装色を基調に、ナッパレザーのトリムやヘッドレスト一体型のスポーツシート(Rロゴ刺繍入り)、R専用デザインのDigital Cockpit Pro、タッチ機構の応答性を高めたDシェイプステアリングホイールなどを専用装備。オプションでカーボンファイバー仕上げのパネル類も選択できる。また、インフォテインメントシステムのハードウェアとソフトウェアをバージョンアップし、合わせてタッチ式ディスプレイの拡大(対角線で32.8cm)やグラフィックおよびメニューストラクチャーの刷新も図った。さらに、AIベースのソフトウェア「ChatGPT」にアクセスして質問に答えるソフトウェアも新たに組み込み、音声アシスタント「IDA」の利便性をいっそう高めている。
特別仕様車のゴルフR ブラックエディションの内容に話を移そう。
同車は車名が示す通り、ダークなカラーリングを採用したことが訴求点。VWバッジやRロゴ、Rロゴが入ったブレーキキャリパーをダークな色調で仕上げたほか、ブラック塗装の19インチアルミホイール“Estoril”やブラックのテールパイプトリムを専用装備する。また、LEDマトリクスヘッドライト「IQ.LIGHT」もダークなカラーでアレンジした。機構面では、前述のRパフォーマンスパッケージを標準で組み込んでいる。
なお、ゴルフRとゴルフRヴァリアントの日本への導入時期に関しては、現在のところ正式なアナウンスはない。