【フェラーリ・ジャパン/ドナートA.ロマニエッロ代表取締役社長インタビュー】フェラーリにとって日本のお客様は特別な存在。プロダクトと体験を通じて価値をさらに高めていきます

ドナートA.ロマニエッロ代表取締役社長は、2012年にフェラーリジャパンに入社。マーケティング部門などを経て2023年9月に現職に就任。流暢な日本語を話す真にフェラーリを愛するナイスガイ。すでに20年以上を日本の自動車業界で過ごしたエキスパートである。彼のオフィスの壁にはエンツォの写真が掛かり、テーブルにはスペシャルモデルの精密スケールモデルをディスプレイ。社長の執務室というよりマニアの書斎の雰囲気。彼は「フェラーリのニューカーだけでなく、過去のモデルやクラシックモデルも含め、ますます注目が高まっていることを誇りに感じる」と語る

ドナートA.ロマニエッロ代表取締役社長は、2012年にフェラーリジャパンに入社。マーケティング部門などを経て2023年9月に現職に就任。流暢な日本語を話す真にフェラーリを愛するナイスガイ。すでに20年以上を日本の自動車業界で過ごしたエキスパートである。彼のオフィスの壁にはエンツォの写真が掛かり、テーブルにはスペシャルモデルの精密スケールモデルをディスプレイ。社長の執務室というよりマニアの書斎の雰囲気。彼は「フェラーリのニューカーだけでなく、過去のモデルやクラシックモデルも含め、ますます注目が高まっていることを誇りに感じる」と語る

Ferrari Japan President/Donato A.Romaniello

――フェラーリの日本のマーケットの動向を教えてください

ロマニエッロ社長:現在の傾向としていえることは、フェラーリが過去数カ月に発表したすべてのモデルに対する需要が非常に高いことです。これはフェラーリが提唱する「さまざまなフェラリスティのためのさまざまなフェラーリを」という言葉が表すように、多様なニーズを満たすために開発された独自のモデル群を提供し、お客様がライフスタイルや好みに合ったフェラーリをお選びいただくことができるといった戦略が勝利を収めているといえます。

12シリンダー

プロサングエ

 具体的にみていきますと、まず、私たちの最新のジュエル、Ferrari 12Clindriは、マイアミで発表され、東京でのお披露目も大きな成功を収めました。ご存じのとおり、V12はフェラーリのDNAを最も純粋な形で表現しており、初代フェラーリが誕生した1947年から現在に至るまで革新を続け、フェラーリの遺産の中で最も貴重な一部として受け継がれてきました。

 また、フェラーリ史上初の4ドア4シーターであるFerrari Purosangueは、パフォーマンス、ドライビングプレジャー、快適性において、完璧な調和を奏でる、跳ね馬のDNAを象徴するユニークなクルマとして開発されました。名前の由来も、イタリア語で純血種を意味する「プロサングエ」からきています。

 さらに、当社のハイブリッドモデルである296GTBと296GTSは、発売以来驚異的な人気を維持しています。これらのモデルは、フェラーリのミッドリアエンジン2シーター・スポーツ・ベルリネッタ・コンセプトをさらに進化させ、新しい120度V6エンジンと最大830cvの出力可能なプラグイン(PHEV)電気モーターを備えた、フェラーリの革新を象徴する存在です。ドライビングを再定義し、最高のパフォーマンスを追求するだけでなく、日常的なドライビングでも純粋な興奮をもたらします。

296

ローマ スパイダー

 Ferrari Roma Spiderは、F430以来初めて採用されたテキスタイル・ソフトトップを備えたドロップトップモデルです。高性能であると同時に、1950年代から60年代のシックでエレガントなイタリアのライフスタイルを現代風にアレンジしたモデルとして開発された、Ferrari Romaは日本市場でも、ラ・ヌォーヴァ・ドルチェ・ヴィータ・ライフスタイル・コンセプトで紹介され、大きな成功を収めています。そのスパイダーヴァ―ジョンとして、Ferrari Romaの素晴らしいプロポーションやボリュームを受け継いでいます。

 このようなさまざまなニーズに対応したユニークなフェラーリモデルへの高い需要は、フェラーリの中古車の価値をも押し上げ、日本でのフェラーリ車は一度手にしたら長く価値を保つことができると位置づけられています。日本のお客様にも、フェラーリは永遠の存在として認識されており、フェラーリの新製品だけでなく過去の製品やクラシックカーにもますます大きな注目が集まっていることを、私たちは誇りに思っています。

――日本のマーケットの特徴を教えてください

ロマニエッロ社長:日本のマーケットは現在、また長年にわたりラグジュアリーブランドにとって最も洗練された市場のひとつです。これは、この国の歴史と深い文化、クラフトマンシップへの理解、そして革新的な技術のおかげです。フェラーリが日本のお客様に提供するのは、フェラーリの各モデルに見られる伝統と、最先端技術による革新の融合であり、日本のお客様が最も重視する“伝統と革新”と完璧に一致しています。

社長

エンツォ

――フェラーリジャパンのマーケットとのコミュニケーション戦略を教えてください

ロマニエッロ社長:日本では、コミュニケーション戦略を2つの柱に据えています。「プロダクト・コミュニケーション」「エクスペリエンス・マーケティング」です。「さまざまなフェラリスティのためのさまざまなフェラーリを」という考えのもと、フェラーリ・チャレンジ・ジャパン・シリーズなどのサーキット・アクティビティや、ロード・ツーリングなど、さまざまなプラットフォームを通じてそれぞれのお客様の愛車であるさまざまなフェラーリを楽しむことができる顧客コミュニティをご紹介し、その魅力について訴求することが重要であると考えています。フェラーリ・ジャパンの活動に参加するすべてのお客様は、体験型マーケティングであるコミュニティの集まりによって非常に強い絆を生み出しています。この場をお借りしてお客様のご支援とご参加に心から感謝の意をお伝えしたいと同時に、これからも皆様により魅力的で刺激的なフェラーリ・ジャパンのイベント体験をお届けできることを楽しみにしております。

レーシングデイズ

プロサングエツアー

――2024から2025年にかけての抱負を教えてください

ロマニエッロ社長:フェラーリ・ジャパンは、つねにお客様の満足度向上を基本戦略としており、そのためにショールームやメンテナンスショップのリニューアルに着手してきました。フェラーリ・ブランドのご紹介とサービスの質を向上させるため、豊富な経験と信頼に裏打ちされた正規販売店のパートナー各社との協力のもと、施設の新設やアップデートを進めています。2024年には多数の新施設がオープンし、今後もパートナー各社と協力してお客様のエクスペリエンスを向上させるため、さまざまな取り組みを行っていきます。

ディーラー01

ディーラー02

また、フェラーリ・チャレンジ・ジャパン・シリーズの2年目には、F1GP期間中にお客様に鈴鹿サーキットでの開催を提供しました。そして2025年には、最新の296Challengeを導入し、フェラーリ・チャレンジ・ジャパン・シリーズとクラブ・チャレンジにさまざまなドライビング体験を取り入れてさらに盛り上げてまいります。これらの取り組みは、フェラーリ正規ディーラーの絶え間ない努力と顧客満足のための献身的なサポートによって実現されており、心から感謝しています。

296チャレンジ

 最後に、フェラーリ・ジャパンは、ディーラーネットワークサービスやフェラーリ・ジャパンのイベントを通じて、既存のお客様の満足度向上に注力する一方で、フェラーリという素晴らしい車やコミュニティにこれまで触れる機会のなかった、フェラーリに興味をお持ちの新たな方々への門戸を開く努力も新たな目標として掲げたいと考えています。フェラーリは皆様をお待ちしております

ドナート社長

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