三菱エクリプスクロス・ブラックエディション(クリーンディーゼル) 試乗記
三菱エクリプスクロス・ブラックエディション(クリーンディーゼル) 価格:8SAT 342万4680円 ブラックエディションはフロントグリルやアルミをブラックでコーディネートしたスペシャルモデル 装備はGプラスパッケージに相当
新ディーゼルは既存のガソリン比58%トルクフル!
低回転域から太いトルクを生み、クルージング時の燃費のよさは圧倒的――昨今のターボ付きディーゼルは、SUVに打ってつけだ。SUVは4WDを備える場合が多いため車重がかさむ。高い全高の影響で空気抵抗は強まる。これら走行性能に関した不利な要素に対応するには、大トルクのディーゼルターボがいい。実際、日本でのディーゼル乗用車比率の上昇は、主にSUVが牽引している。ノイズ面の課題は、アイドリングストップ機構の普及もあり目立たなくなった。
そんな中に登場したのが、エクリプスクロスのディーゼルだ。欧州仕様には設定されていたが、日本は「6月発売」になった。その理由は、「ユーザーのディーゼル車に対する評価を見定めていたため」という。
搭載されたのは2.3リッターの直4ディーゼルターボ。既存の1.5リッター直4ガソリンターボが発する150psという最高出力と240Nmの最大トルクに対し、ディーゼルは145psと380Nmだ。ディーゼルが設定されるのは4WDシャシーとの組み合わせで、ガソリンモデル比較で車重は130kg重い。
走行状況に応じ最適な駆動力配分を行うSーAWC標準 ボディは高剛性 全長×全幅×全高4405×1805×1685mm 車重1680kg
力強い加速。上質でスポーティなフットワークに感銘
ガソリン仕様よりはるかに大きい排気量の心臓に火を入れると、静粛性は予想よりもよかった。好印象は走りはじめてからも持続する。走りのシーンを問わず静粛性は高い。アイドリングストップ状態から再始動するときの振動がもう少し小さくなると最高だ。
パフォーマンスは力強い。スタートの一瞬こそ「ガソリンモデルよりも重い」と意識させられる場面があるが、ひとたび動きだせば太いトルクに支えられ、ぐんぐんスピードが上昇する。4200rpmのレッドラインのずっと手前の3000rpmも回せば、空いた幹線道路での速い加速に十分ついていけた。それ以上引っ張っても、目立った頭打ち感はないが、8速トランスミッションのメリットで高回転まで使うケースはまれ。100km/hクルーズ時のエンジン回転数は、わずか1500rpmである。
動力性能に加えて好感を抱いたのが、上質なフットワーク。試乗車は18インチタイヤを履くブラックエディション。荒れた路面でもばね下の動きは思いのほか軽やか。サスペンションの動きはしなやかで、ボディ振動の減衰が素早く行われることと相まって、スッキリとした乗り味が味わえた。
ディーゼルターボを搭載し、エクリプスクロスはGTカー的な要素が強まった。「大きすぎない」サイズと、優れた小回り性は大きな魅力。まさに「三菱SUVの真打ち登場」という印象だ。
インパネはスポーティな立体形状 ヘッドアップディスプレイ標準 視界はワイド 操縦性はシャープ
シートは大型形状 ファブリック仕様標準 後席はスライドとリクライニング付き
※次ページでスペックを紹介
三菱エクリプスクロス・ブラックエディション(クリーンディーゼル)主要諸元と主要装備
グレード=ブラックエディション(クリーンディーゼル)
価格=8SAT 342万4680円
全長×全幅×全高=4405×1805×1685mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=フロント1545×リア1545mm
最低地上高=175mm
車重=1680kg
エンジン=2267cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=107kW(145ps)/3500rpm
最大トルク=380Nm(38.7kgm)/2000rpm
WLTCモード燃費=14.2km/リッター(燃料タンク容量60リッター)
(市街地/郊外/高速道路=11.0/14.0/16.4km/リッター)
サスペンション =フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/55R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径= 5.4m
●主な燃費改善対策:直噴エンジン/4バルブセンターノズル化/アイドリングストップ/コモンレール高圧噴射/電子制御式燃料噴射/充電制御/過給機/インタークーラー/電動パワーステアリング
●主要装備:eアシスト(衝突被害軽減ブレーキ+車線逸脱警報+オートマチックハイビーム+レーダークルーズコントロール+前後誤発進抑制制御+後側方車両検知システム+後退時車両検知機構)/SRSサイド&カーテン&ニーエアバッグ/ヒルスタートシステム/S-AWC/AYC(アクティブヨーコントロール)/ASC(アクティブスタビリティコントロール)/ピアノブラックフロントグリル/ブラックマイカドアミラー/ブラック塗装18インチアルミ/ブラックマイカ前後スキッドプレート&サイドドアガーニッシュ/LEDヘッドライト/LEDデイライト/リアスポイラー/ハイコントラストメーター/ヘッドアップディスプレイ/パドルシフト/ドライブモードセレクター/左右独立温度調整式オートAC/本革巻きステアリング/スマートエントリー&スタートシステム/スマートフォン連携ディスプレイオーディオ(6スピーカー)/タッチパッドコントローラー
●ボディカラー:レッドダイヤモンド(op7万5600円)
※価格はすべて消費税(8%)込み リサイクル費用は1万2090円
※スペックは2019年7月現在
最低地上高175mm オフロードの走破性も高い 安心して走れる