アウディQ5・40TDIクワトロ・スポーツ 試乗記
アウディQ5・40TDIクワトロ・スポーツ 価格:7SMT 657万円 40TDIは標準仕様(636万円)とスポーツを設定 4WDシステムは通常時FFで走行 路面状況に応じて4WDに瞬時に切り替わる高効率設計 足回りは前後ウィッシュボーン式の4輪独立システム
アウディがディーゼル初導入。各部は上質な雰囲気
2006年にディーゼルエンジン搭載車として初めてル・マン24時間レースを制覇するなど、高度な技術を持つアウディが、ようやく日本にディーゼルモデルを導入した。
搭載車種はSUVのQ5。エンジンはVWパサートやティグアンなどと基本的に同じ、2リッター直列4気筒ターボ。190psの最高出力と400Nmの最大トルクは、パサートと同じだ。トランスミッションは7速DCT。駆動方式は電子制御4WDになる。
エクステリアにディーゼルエンジンを示すバッジはない。スタイリングはクリーンな印象。エッジが控えめで丸みを強調した造形にまとめられている。ボディサイズは、全長×全幅×全高4680×1900×1665mm。
インテリアは、メーターの表示などを除けばガソリン車と同じだ。室内スペースにはゆとりがあり、前後席ともゆったりと座れる。インパネ形状がシンプルな関係もあり、開放感は高い。
エンジンをかけてからも、印象はガソリン車とほとんど変わらない。静粛性はハイレベル。アイドリング音が気になったパサートとは明確に異なる。プレミアムブランドらしい遮音を施している効果もあるが、排気系の配置の自由度が大きい縦置きエンジンという構造も関係しているようだ。
40TDIは同等装備のガソリン車比55万円安い価格設定 安全機構アウディプレセンス・ベーシックやアダプティブクルーズコントロールなど先進機能充実
高い実力。価格はバーゲンプライス!
車重は1900kgとヘビー級だが、力は十分。ディーゼルならではの低回転からわき出るようなトルク感が頼もしい。加速中も静粛性は高い。ただし、7速DCTの瞬間的な変速反応は、ディーゼルの穏やかなトルク感とは相いれない感じがした。
乗り心地はしっとりしていて、アウディ全体の中でも高い点数がつけられる。路面の不整をパッセンジャーに伝えず、実に快適だ。取り回し性も良好。1900mmの全幅には気をつける必要があるが、視線が高めであることもあり、5ナンバー枠に収まった全長は持て余す心配はない。
4WDシステムは、かつてのセンターデフを使ったタイプから、必要に応じて後輪に駆動力を配分するオンデマンド方式に代わっている。そのためフットワークは、4輪で路面を蹴る感触は薄れ、さらっと曲がっていくようになった。
注目は高い経済性だ。JC08モード燃費はガソリン車の13.9km/リッターに対し15.6km/リッターをマークする。そして車両価格は同等装備のガソリン車と比べて50万円以上も安い。
最新のディーゼルエンジンは排出ガス対策に開発費が多くかかる関係で、ガソリン車より高めの価格設定が一般的。そんな中、Q5はバーゲンプライスといえる。
インパネはシンプルなデザイン 作りはていねいな印象 アルミ加飾パネルが上質感を強調 ハンドリングは素直なイメージ
標準シートはファブリック 写真の本革仕様はop(17万円) 前席は電動調整機構付き 室内スペースは余裕たっぷり
写真のフル液晶メーターはセットop 視認性に優れ多彩な表示モードが選べる
※次ページでスペックを紹介
アウディQ5・40TDIクワトロ・スポーツの主要諸元
グレード=40TDIクワトロ・スポーツ
価格=7SMT 657万円
全長×全幅×全高=4680×1900×1665mm
ホイールベース=2825mm
トレッド=フロント1620×リア1610mm
最低地上高=185mm
車重=1900lg
エンジン=1968cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=140kW(190ps)/3800~4200rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/1750~3000rpm
JC08モード燃費=15.6km/リッター(燃料タンク容量70リッター)
サスペンション =前後ウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/60R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
※価格はすべて消費税(8%)込み リサイクル費用は1万7580円
※スペックは2019年6月現在
ラゲッジ容量は後席使用時550リッター 最大1550リッター 後席は3分割 リアゲートは電動式