スズキは2024年10月16日、新型コンパクトSUV、フロンクスを発売した。 フロンクスの特徴は、存在感のあるフロントマスクと、リアゲートが大きく傾斜したクーペスタイルを持つこと。いわば新ジャンルのモデルである。
スズキのインド工場で生産され、2023年4月にインド国内を皮切りに、スズキの新グローバルカーとして、これまで中南米、中近東、アフリカなどで販売。その好調を背景に、今回日本にも輸入される運びとなった。日本仕様のラインアップは充実装備のモノグレード。駆動方式はFFと4WDで、価格は254万1000〜273万9000円。ボディカラーは、2トーンルーフ仕様が5種、モノトーン4色の計9タイプを用意する。
フロンクスは、全長×全幅×全高×3995×1765×1550mmの扱いやすいボディサイズ。最小回転半径も4.8mとすることで、狭い路地や駐車場などでも扱いやすく取り回しに優れるのが魅力だ。
コンパクトサイズながら快適性にも配慮し、遮音&吸音効果に優れたダッシュインナーサイレンサーや遮音壁などを採用。全域で静粛性を高め、静かで会話が弾む室内空間を実現した。
前席はもちろん、後席もゆったりとした空間を確保した巧みなパッケージングもポイント。Kカーをはじめ、限られたサイズの中に最大限のスペースを確保する「スズキの技」が生きている。
パワートレーンは、マイルドHV仕様の1.5ℓ直4エンジンを搭載。6速ATを組み合わせる。
このクラスのライバルは、3気筒エンジンとCVTの組み合わせが一般的。その中に合って4気筒ユニットとパドル付き6速ステップATの採用は、クルマ好きには嬉しいニュース。
初夏に行われたプロトタイプの試乗会では、軽快なエンジン音と、パワフルフィール、そして思いのほかスポーティなハンドリングを確認済み。フロンクスは、腕自慢のドライバーも魅了するパフォーマンスの持ち主である。
駆動方式はFFと日本専用の4WD。車重はFFが1070kg、4WDでも1130kgの軽量設計だ。WLTCモード燃費はマイルドHVとしては経済的。FFが19.0km/リッター、4WDは17.8km/リッターをマークする。ちなみにプラットフォームはスイフト用がベース。つまり完成度が高い。
フロンクスは、上質なインテリアと充実した装備も魅力。室内は個性的なブラック×ボルドーの配色と高輝度シルバーの加飾を採用。レザー調&ファブリックのシートは前後ともサポート性を高めた大型サイズ。スマートフォン連携メモリーナビゲーションや電動パーキングブレーキ、シートヒーター(運転席、助手席)、ワイヤレス充電器、ヘッドアップディスプレイなどの快適機能を標準装備する。
安全機能面では、衝突被害軽減ブレーキデュアルセンサーブレーキサポートⅡや全車速追従機能・停止保持機能付のアダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線維持支援機能など、最新の予防安全技術を導入。高い安心感を提供した。
フロンクスは、手ごろなサイズで上質で走りに優れ、しかも安全装備が充実したクルマを探していたユーザーに最適。スズキにとってはフラッグシップに相当するワールドモデルだけに、細部まで入念に仕上げられている。
グレード=フロンクス(FF)
価格=6SAT 254万1000円
全長×全幅×全高=3995×1765×1550mm
ホイールベース=2520mm
トレッド=前1520/後1530mm
車重=1070kg
エンジン(レギュラー仕様)=1460cc直4DOHC16V
最高出力=74kW(101ps)/6000rpm
最大トルク=135Nm(13.8kgm)/4400rpm
モーター最高出力=2.3kW(3.1ps)/800~1500rpm
モーター最大トルク=60Nm(6.1kgm)100rpm
WLTCモード燃費=19.0km/リッター(燃料タンク容量37リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=15.1/19.3/21.2km/リッター)
サスペンション=前ストラット/後トーションビーム
ブレーキ=前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ&ホイール=195/60R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=4.8m