フェラーリの新世代スーパーカー「F80」がワールドプレミア。車両価格は衝撃的な360万ユーロ(約5億9000万円)!

 イタリアのフェラーリは2024年10月17日(現地時間)、新世代スーパーカーの「F80」を発表した。

▲フェラーリの新世代スーパーカー「F80」がワールドプレミア。生産は世界限定799台の予定

▲フェラーリの新世代スーパーカー「F80」がワールドプレミア。生産は世界限定799台の予定

 

 288GTO、F40、F50、エンツォ・フェラーリ、ラ・フェラーリに続く新世代のスペチアーレ(スペシャル)モデルとなるF80は、「内燃機関車の究極のエンジニアリングを具現化することを使命とし、パワートレインの最新世代のハイブリッド技術を含むすべての最先端の技術ソリューションを採用して、比類のないレベルのパワーとトルクを実現する」ことを目標に開発。合わせて、「トラック志向のスーパーカーを作成するという目的を達成するためにアーキテクチャーのあらゆる側面でパフォーマンスを最大化しながら、量産レンジモデルと同じくらい運転しやすい性能を兼ね備える」というテーマを掲げている。

▲F80は288GTO、F40、F50、エンツォ・フェラーリ、ラ・フェラーリに続く新世代のスペチアーレ(スペシャル)モデルに位置する

▲F80は288GTO、F40、F50、エンツォ・フェラーリ、ラ・フェラーリに続く新世代のスペチアーレ(スペシャル)モデルに位置する

 

 注目のパワートレインは、リアミッドシップに置かれたバンク角120度でドライサンプ方式のF163CF型2992cc・V型6気筒DOHCターボエンジン(最高出力900hp/8750rpm、最大トルク850Nm/5550rpm)に、前輪左右に配置した2基のフロントモーター(各最高出力105kW/最大トルク121Nm)と、エンジンとギアボックス間に設置した“MGU-K”と称する1基のモーター(最高出力70kW/最大トルク45Nm)、総電力量2.28kWhのリチウムイオンバッテリー、専用設計の8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)という、システム総出力1200psを誇る800Vハイブリッドシステムを搭載して4輪を駆動(AWD)する。また、フェラーリでは初となるターボチャージャーのタービンとコンプレッサーとの間に電気モーターを組み込んだ電動ターボ“eターボ”を採用。さらに、フロントアクスルには2基のモーターとインバータ、そして一体型冷却システムを内蔵する新システムを組み込んでe-4WDを構成した。性能面では、最高速度が350km/h、0→100km/h加速が2.15秒を実現している。

▲パワートレインはリアミッドシップ配置のF163CF型2992cc・V型6気筒DOHCターボエンジン(900hp/850Nm)に、前輪左右に配置された2基のフロントモーター(各105kW/121Nm)と、エンジンとギアボックス間に設置した“MGU-K”と称する1基のモーター(70kW/45Nm)、総電力量2.28kWhのリチウムイオンバッテリー、専用設計の8速DCTという、システム総出力1200psを誇る800Vハイブリッドシステムで構成

▲パワートレインはリアミッドシップ配置のF163CF型2992cc・V型6気筒DOHCターボエンジン(900hp/850Nm)に、前輪左右に配置された2基のフロントモーター(各105kW/121Nm)と、エンジンとギアボックス間に設置した“MGU-K”と称する1基のモーター(70kW/45Nm)、総電力量2.28kWhのリチウムイオンバッテリー、専用設計の8速DCTという、システム総出力1200psを誇る800Vハイブリッドシステムで構成

 

 基本骨格については、最新のフェラーリ車らしく、各ゾーンに即したマルチマテリアルの手法で開発される。セルとルーフにはカーボンファイバーコンポジットを採用し、対して前後サブフレームにはアルミニウム材を使用するとともにチタン製ネジでタブに固定。リアセクションにはバッテリーを搭載する目的でアルミニウム製サブフレームを追加し、リアのメインサブフレームにネジ止めした。一方、3Dプリントと積層造形技術を用いてアームを製作したダブルウィッシュボーン式の前後サスペンションには、4個の48Vモーターで緻密に作動する新設計のアクティブサスペンションを装備。また、SSC(サイドスリップコントロール)とFIVE(フェラーリ・インテグレーテッド・ビークル・エスティメーター)を統合した新システムも組み込む。そして、足もとには前285/30R20/後345/30R21サイズのミシュランPILOT SPORT CUP 2またはPILOT SPORT CUP 2Rを装着。制動機構にはブレンボ社と共同開発した、長繊維のカーボンファイバーを使用するCCM-R Plusブレーキシステムを配備する。走行モードとしては、V6エンジンとモーターの稼働を制御ロジックが自己判断して全体の効率性を最適化させる標準的なドライビングモードの「ハイブリッド」、エンジンが稼働し続けると同時にバッテリーは効率よりも充電を優先し、よりパワーが必要であれば瞬時に全体をフル活用する「パフォーマンス」、システム全体が最高出力を発揮し、制御ロジックはバッテリー充電よりもパフォーマンスを優先する「クオリファイ」という3種類を設定した。

▲セルとルーフにはカーボンファイバーコンポジットを採用し、対して前後サブフレームにはアルミニウム材を使用するとともにチタン製ネジでタブに固定。リアセクションにはバッテリーを搭載する目的でアルミニウム製サブフレームを追加する

▲セルとルーフにはカーボンファイバーコンポジットを採用し、対して前後サブフレームにはアルミニウム材を使用するとともにチタン製ネジでタブに固定。リアセクションにはバッテリーを搭載する目的でアルミニウム製サブフレームを追加する

▲ダブルウィッシュボーン式の前後サスペンションには4個の48Vモーターで緻密に作動する新設計のアクティブサスペンションを装備

▲ダブルウィッシュボーン式の前後サスペンションには4個の48Vモーターで緻密に作動する新設計のアクティブサスペンションを装備

 

 エクステリアに関してはフェラーリの新たなデザイン時代の始まりを告げるもので、より緊張感のあるエクストリームなデザイン言語によって、モータースポーツで培ったスピリットをスタイリング全体で表現する。基本デザインは、フラビオ・マンツォーニ率いるフェラーリ・スタイリングセンターのデザインチームが担当。アーキテクチャーを特徴づけているのが横断面に現れたディヘドラル形状で、その両端はタイヤでしっかりと固定。横から見ると、リアビューは流れるように彫り込まれ、それがリアフェンダー全体のたくましさを強調する。一方、フロントセクションはアーキテクチャーの要素を多く含み、とくにホイールアーチの末端に垂直なパネルがドアからそびえ立っている点は、かつてのF40を彷彿とさせる。ドア自体には前ヒンジ式のシザーズタイプを導入した。航空宇宙分野からのインスピレーションを加味した最上レベルのエアロダイナミクスを実現した点も見逃せない。Sダクトを配したカーボンファイバー製フロントボンネットや2枚のフロントウィングをつなぎ合わせる固定エレメント、このエレメント内部に2枚のフラップを組み込んでメインプレーンとともに形成するトライプレーン型ウィング、LEDヘッドライトを隠すバイザーエレメント、パワートレイン部に効果的に空気を送り込むサイドのエアインテークと熱い空気を排出するダクトを配したリアカバー、可変式のアクティブリアウィング、整流効果を高めるリアディフューザーなどを採用して、妥協なき空力ボディを創出している。ボディカラーのアッパーゾーンと、クリアコートを施したカーボンファイバー製のロワーゾーンの対比を際立たせて、スペチアーレらしい個性と存在感を際立たせたこともトピックだ。ボディサイズは全長4840×全幅2060×全高1138mm/ホイールベース2665mm/トレッド前1701×後1660mmに設定。乾燥車重は1525kg(前後重量配分42.2:57.8)に仕上げている。

▲エクステリアはフェラーリの新たなデザイン時代の始まりを告げるもので、より緊張感のあるエクストリームなデザイン言語によって、モータースポーツで培ったスピリットをスタイリング全体で表現。ボディサイズは全長4840×全幅2060×全高1138mm/ホイールベース2665mmに設定

▲エクステリアはフェラーリの新たなデザイン時代の始まりを告げるもので、より緊張感のあるエクストリームなデザイン言語によって、モータースポーツで培ったスピリットをスタイリング全体で表現。ボディサイズは全長4840×全幅2060×全高1138mm/ホイールベース2665mmに設定

▲LEDヘッドライトを隠すバイザーエレメントを装着。空力特性を高める

▲LEDヘッドライトを隠すバイザーエレメントを装着。空力特性を高める

▲パワートレイン部に効果的に空気を送り込むサイドのエアインテークを配備

▲パワートレイン部に効果的に空気を送り込むサイドのエアインテークを配備

▲熱い空気を排出するダクトを配したリアカバーを採用

▲熱い空気を排出するダクトを配したリアカバーを採用

▲新設計の可変式アクティブリアウィングを装備

▲新設計の可変式アクティブリアウィングを装備

▲ホイールアーチの末端に垂直なパネルがドアからそびえ立っている点は、かつてのF40を彷彿とさせる。ドア自体には前ヒンジ式のシザーズタイプを採用

▲ホイールアーチの末端に垂直なパネルがドアからそびえ立っている点は、かつてのF40を彷彿とさせる。ドア自体には前ヒンジ式のシザーズタイプを採用

 

 インテリアについては、クローズコクピットのF1マシンをイメージしてデザインする。空間自体はドライバーを主役とする“1+”レイアウトで構成。新しいヒューマンマシンインターフェイスで仕立てたコクピットは、ドライバーをすべての中心に据えて完全に包み込む形状を採用し、操作用インストルメントパネルに向けて収束するフォルムでコクーンのイメージを生成する。また、F80専用に開発した新しいステアリングホイールを装備。既存モデルよりわずかに小さく、上下のリムがフラットになり、かつステアリングボスも縮小しているため、前方の視界が向上し、運転中のスポーティな感覚が強調される。リムの両サイドはステアリングホイールをしっかり握れるように最適化。ステアリングホイールの左右スポークにはあえて物理的なボタンを復活させるとともに、触れただけですぐに分かる使いやすい形状とした。一方、パッセンジャーシートはキャビンのトリムと完全に融合させるとともに、ドライバーシートより後方に配置して、ドライバーの視界に極力入らないように配慮。また、シート後方にはスーツケースなどの収納スペースを確保し、固定用のメッシュやストラップなども装備した。日常走行での安全性を高める目的で、アダプティブクルーズコントロールや自動緊急ブレーキ、車線逸脱警報、レーンキーピングアシスト、自動ハイビーム、トラフィックサインレコグニションなど最新のADASも組み込んでいる。

▲インテリアはクローズコクピットのF1マシンをイメージしてデザイン。F80専用に開発した新しいステアリングホイールを装備する

▲インテリアはクローズコクピットのF1マシンをイメージしてデザイン。F80専用に開発した新しいステアリングホイールを装備する

▲空間自体はドライバーを主役とする“1+”レイアウトで構成。パッセンジャーシートはキャビンのトリムと完全に融合させるとともに、ドライバーシートより後方に配置する

▲空間自体はドライバーを主役とする“1+”レイアウトで構成。パッセンジャーシートはキャビンのトリムと完全に融合させるとともに、ドライバーシートより後方に配置する

 

 なお、F80は世界限定799台の生産を予定。車両価格は税抜きで360万ユーロ(約5億9000万円)に設定している。

▲F80の車両価格は税抜きで360万ユーロ(約5億9000万円)に設定する

▲F80の車両価格は税抜きで360万ユーロ(約5億9000万円)に設定する

 

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