日産自動車は2024年10月17 日、新型日産「ムラーノ」を発表した。2025年初頭にアメリカとカナダで販売を開始する予定だ。2リッターVCターボ(可変圧縮ターボ)エンジンと9速ATを組み合わせ、FFと4WDをラインアップする。日本でも販売してほしい上級SUVである。
先ごろ経営の逼迫が伝えられた日産だが、新型モデルの開発は活発である。ムラーノは8月に発売したキックス、9月に発表したアルマーダに続くニューモデル。経営計画Arc期間中に投入される3番目の日産ブランド車となる。ただし、前述のキックス、アルマーダとともに、このムラーノも現在のところ日本投入の予定はない。国内は実質的にKカーとノート、そしてセレナのみ。経営の悪化が伝えられる中、日本の日産ファンとしては、ぜひとも応援したいのだが、いかんせん販売モデルが少なすぎるのが現状。なんとか打開して、再び元気なフルラインメーカーに返り咲いてもらいたいものだ。
それはともかく、ムラーノはなかなか魅力的である。初代からスタイリッシュさで定評があるが、新型の造形も印象的。「エネルギッシュ&エレガンス」をテーマにまとめられ、21インチのホイール、左右に広がったLEDテールライト、専用2トーンカラーが目を惹く。内装は12.3インチのツインディスプレイ、64色のアンビエントライトとマッサージ機能付きフロントシートなど、デザインに加え、機能も魅力的だ。ボディサイズは全長×全幅×全高×4899×1981×1724mmにまとめている。
セールスポイントは高い安心感とシームレスなコネクティビティ。全車に全方位運転支援システム(セーフティシールド360)を標準装備。さらにプロパイロットやプロパイロット1.1が高速道路でのスムーズな走行をサポートする。フード部分を透過して前方を確認できるインジブルフードビューや、駐車時などに俯瞰画像を確認できるインテリジェント・アラウンドビューモニターをムラーノとして初搭載したのも朗報である。さらにGoogleビルトインを搭載。車内のディスプレイに最新のGooleマップをはじめ、さまざまなアプリを直接表示することができる。
メカニズム面は、ちょっぴり保守的。パワーユニットは2リッターのVCターボ(241hp/260lb-ft)で、トランスミッションは9速AT。走りはよさそうだがモーターを組み合わせたハイブリッドは未設定。BEVの計画も現在のところない。生産は米国テネシー州のスマーナ工場が担当する予定である。