ヒョンデがBEVモデルのIONIQ 5をマイナーチェンジ。エネルギー密度を高めた第4世代のバッテリーセルを採用してリチウムイオン電池の総電力量を84kWhへとアップ。一充電走行距離はRWDモデルが703km、AWDモデルが616~648kmへと延長。機能装備の進化や外装の一部変更も実施
ヒョンデ モビリティ ジャパンは2024年11月8日、電気自動車のIONIQ 5(アイオニック ファイブ)のアップデートモデルを発表し、同日より販売を開始した。
車種展開および車両価格は以下の通り。
IONIQ 5 Voyage(ボヤージュ):523万6000円
IONIQ 5 Voyage AWD(ボヤージュAWD):554万4000円
IONIQ 5 Lounge(ラウンジ):574万2000円
IONIQ 5 Lounge AWD(ラウンジAWD):613万8000円
なお、従来設定していたバッテリー容量の小さいIONIQ 5は、カタログから外れている。
今回の改良は、第4世代のバッテリーセルの採用による一充電走行距離の延長や、機能装備のアップデート、外装の一部変更などを実施して、ヒョンデ・ブランドのフラッグシップEVとしての訴求力をいっそう高めたことが特徴である。
まずパワートレインに関しては、RWD車に出力を5%ほど引き上げたEM17型リアモーター(最高出力168kW/4600~9200rpm、最大トルク350Nm/0~4400rpm)を、AWD車にシステム出力を6%ほど引き上げたEM07型フロントモーター(最高出力74kW/2800~6200rpm、最大トルク255Nm/0~2600rpm)/EM17型リアモーター(最高出力165kW/4600~9200rpm、最大トルク350Nm/0~4400rpm)を組み合わせた総出力239kW/605Nmの前後モーターを搭載。また、駆動用バッテリーのリチウムイオン電池には第4世代のバッテリーセルを採用し、総電力量を従来の72.6kWhから84kWhにまで高める。一充電走行距離(WLTCモード)はRWD車のVoyageとLoungeが703km、AWD車のVoyage AWD が648km、Lounge AWDが616kmを実現した。充電については従来と同様、AC200Vの普通充電とCHAdeMO方式のDC急速充電に対応。また、モーター制御を見直してリアモーターの遮音性を引き上げ、キャビン空間の静粛性を向上させる。さらに、ドライブモードには従来から引き継ぐ「ECO」「NORMAL」「SPORT」「SNOW」に加えて、各種設定を任意で調整できる「MY DRIVE」を採用した。
機能装備のアップデートに関しては、ワイヤレススマートフォンプロジェクション機能を採用して、設定済みのスマートフォンを持ち込むだけでApple CarPlay/Android Autoがワイヤレスで使用可能とした点がトピック。また、スマートフォンのワイヤレス充電機構を手の届きやすいセンターコンソール上部に配置し、合わせてシートベンチレーションおよびシートヒーターなどのボタンもドライバーが操作しやすいセンターコンソールに配して、直感的かつ快適に操作できるレイアウトに変更する。さらに、上級グレードのLoungeとLounge AWDにはビルトインフロントカメラとリアビューカメラを活用したドライブレコーダー機能を組み込み、映像とともに音声、位置情報も記録できる仕様に刷新。ほかにも、車両前方の映像をセンターのインフォテインメント画面に映し、ルート案内に重ねて表示するARナビや、スマートフォンおよびスマートウォッチによる解錠・施錠、車両の始動を可能とするデジタルキー機能なども新たに採用した。
スタイリッシュかつ上質なエクステリアデザインは基本的に従来を踏襲するが、空力特性の改善を狙って前後バンパーのデザインを変更。また、アルミホイールのディテールを変更して、足もとの存在感を高めている。ボディサイズは従来比で20mmほど長く、それ以外は同寸の全長4655×全幅1890×全高1645mm/ホイールベース3000mmに設定した。
なお、ヒョンデ モビリティ ジャパンはIONIQ 5改良モデルをアピールする「The new IONIQ 5」のPVをYouTubeにて公開。また、今回のIONIQ 5改良モデルの発表に合わせて、電気自動車の新世代コンパクトSUV「INSTER(インスタ―)」を日本に導入すると予告し、さらに向こう5年で日本市場における販売台数を10倍に引き上げるとアナウンスしている。