BMWのミドルクラスSUVのX3が全面改良。BMW Xモデルとして初めてキドニーグリルに斜めのデザインを取り入れるとともに立体的なプレスラインを採用して、先進的かつスポーティなフロントマスクを創出。合わせて、全モデルに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み込んで環境性能を高めたほか、デジタライゼージョンを鋭意進化させて、BMWのSAVモデルとしての“駆けぬける歓び”をグレードアップ。Mパフォーマンスモデルの「X3 M50 xDrive」も新規に設定
BMWジャパンは2024年11月28日、プレミアム・ミドルクラスSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)シリーズのX3を全面改良し、同日より販売を開始した。ユーザーへの納車は本年12月以降を予定する。
車種展開は以下の通り。
■X3
X3 20 xDrive xLine:798万円
X3 20d xDrive M Sport:858万円
X3 M50 xDrive:998万円
今回の全面改良で第4世代に移行する新型X3(G45)は、BMW Xモデルとして初めてシンボリックなキドニーグリルに斜めのデザインを取り入れるとともに立体的なプレスラインを採用して、先進的かつスポーティなフロントマスクを創出。また、全モデルに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み込んで環境性能を高めたほか、デジタライゼージョンを鋭意進化させて、BMWのSAVモデルとしての“駆けぬける歓び”をグレードアップする。さらに、Mパフォーマンスモデルの「X3 M50 xDrive」も新規に設定した。
まずデザイン面では、どこから見ても現代的でスポーティな個性を印象づける新進のSUVスタイルを具現化したことがトピック。フロント部はBMW特有のキドニーグリルに斬新な斜めのデザインを取り入れ、合わせてBMWデザインの意匠の1つである環状のシグネチャーを2回繰り返すツインサーキュラーを進化させるとともに、よりシャープな造形のアダプティブLEDヘッドライトを配備して、クリーンかつモダンで存在感あふれるマスクを創出する。7シリーズや5シリーズで採用する、夜間にBMW特有のキドニーグリル縁をライトアップしてBMWを印象づけるアイコニックグローを配したことも訴求点だ。
一方でサイドビューは、フラットなルーフライン、後方に向かってキックアップする力強いショルダーライン、伸びやかなボンネット、従来より35mm伸びた全長(4755mm)や15mm低くなった車高(1660mm)などにより、疾走感あふれる精悍なフォルムを演出。足もとには、X3 20 xDrive xLineが8.5J×19アロイホイール エアロダイナミック941バイカラー+245/50R19タイヤを、X3 20d xDrive M Sportが8.5J×19 Mライトアロイホイール Yスポーク スタイリング1035M バイカラー+245/50R19タイヤを、X3 M50 xDriveが前9J/後10.5J×20 Mライトアロイホイール ダブルスポーク スタイリング1036M バイカラー+前255/45/後285/40R20タイヤを標準で装着した。
そしてリアセクションは、プレスラインを最小限にし、ナンバープレートの取り付け位置をバンパーに収めるとともに、LEDコンビネーションランプのデザインを立体的なT型に仕立てて、クリーンかつモダンな後ろ姿を実現する。また、リアのトレッドを従来比で45mm拡大(全幅では従来比30mm拡大の1920mm)して安定感のあるスタイルを創出すると同時に、コーナリング時のハンドリング性能を向上させた。さらに、X3 M50 xDriveには4本出しのエグゾーストパイプを組み込んで、よりアグレッシブなルックスを形成する。
なお、モデル別の装備面ではX3 20 xDrive xLineにサテンアルミニウムラインとサテンアルミニウムのルーフレールを、X3 20d xDrive M SportにMハイグロスシャドーラインとハイグロスブラックのルーフレールを、X3 M50 xDriveにMライトシャドーラインやMドアミラー、MハイグロスシャドーラインおよびMハイグロスシャドーライン エクステンドコンテンツ、ハイグロスブラックのルーフレールを組み込んで、それぞれの個性を際立たせた。
インテリアについては、12.3インチマルチディスプレイメーターパネルと14.9インチ ワイドコントロールディスプレイ(タッチパネル機能付)を一体化させたうえで運転席側に傾けて視認性を高め、合わせてARビューやナビゲーションシステム、BMWインテリジェントパーソナルアシスタント(AI音声会話システム)、スマートフォンインテグレーションを組み込んだBMWライブコックピット・プロフェッショナルを標準で採用したことが訴求点。また、シフトレバーを廃止し、センター部に操作系を全て集約することで、モダンかつ機能的なコックピットを創出する。さらに、アンビエントライトの演出を施したセンターコンソールはQi対応機器(スマートフォン等)を置いて充電も可能となるなど、利便性も高めた。モデル別の装備としては、X3 20 xDrive xLineにラグジュアリーラインインスツルメントパネルやダークグラファイトトリム、マルチファンクションステアリングホイールなどを、X3 20d xDrive M SportにファインブラッシュアルミニウムトリムやMスポーツレザーステアリングホイール、Mアンソラジットルーフライニングなどを、X3 M50 xDriveにファインブラッシュアルミニウムトリムやMレザーステアリングホイール、Mシートベルト、Mアンソラジットルーフライニングなどを採用している。
シートに関しては、前席にスポーツシートを、後席にスルーローディングシステムを内蔵した40:20:40分割可倒シートを配備。表皮はX3 20 xDrive xLineにパーフォレーテッドキルトヴェガンザを、X3 20d xDrive M SportとX3 M50 xDriveにMアルカンタラ/ヴェガンザコンビネーションを標準で張る。ラゲッジスペースは後席使用時で570リットル、後席格納時で最大1700リットルの容量を確保した。
注目のパワートレインに話を移そう。X3 20 xDrive xLineは1998cc直列4気筒DOHC直噴ツインパワーターボガソリンエンジン(最高出力190ps/5000rpm、最大トルク310Nm/1500~4000rpm)+電気モーター(最高出力8kW/3000rpm、最大トルク25Nm/500rpm)/リチウムイオン電池で構成する48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載し、システム総出力は140kW/310Nmを発生。トランスミッションには電子油圧制御式8速ATのステップトロニックを組み合わせ、駆動機構にはインテリジェント4輪駆動システムのxDriveを採用する。一方、X3 20d xDrive M Sportは1995cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ツインパワーターボディーゼルエンジン(最高出力197ps/4000rpm、最大トルク400Nm/1750~2750rpm)+電気モーター(最高出力8kW/3000rpm、最大トルク25Nm/500rpm)/リチウムイオン電池で構成する48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載し、システム総出力は145kW/400Nmを発生。トランスミッションには電子油圧制御式8速ATのステップトロニックを組み合わせ、駆動機構にはインテリジェント4輪駆動システムのxDriveを配備した。そしてX3 M50 xDriveは、2997cc直列6気筒DOHC直噴 Mツインパワーターボガソリンエンジン(最高出力381ps/5500rpm、最大トルク540Nm/1900~4800rpm)+電気モーター(最高出力13kW/2000rpm、最大トルク200Nm/0~500rpm)/リチウムイオン電池で構成する48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載し、システム総出力は293kW/580Nmを発生。トランスミッションには電子油圧制御式8速ATのMステップトロニックを組み合わせ、駆動機構には電子制御式Mスポーツデファレンシャルを組み込んだインテリジェント4輪駆動システムのxDriveを採用する。また、前ダブルジョイントスプリングストラット式/後マルチリンク式で構成する懸架機構では、X3 20d xDrive M SportにMスポーツサスペンションを、X3 M50 xDriveにアダプティブ M サスペンションを装備。X3 M50 xDriveにはMスポーツブレーキ(レッドハイグロスキャリパー)も組み込んでいる。
先進安全運転支援システムの進化も図る。高性能カメラ&レーダーおよび高性能プロセッサーによる高い解析能力によって、より精度と正確性が向上したドライビングアシスト・プロフェッショナルや、自動駐車が可能となるパーキングアシスト・プラス、高速道路での渋滞時においてドライバーの運転負荷を軽減して安全に寄与するハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能などを標準で装備。また、先進機能装備として最新のBMW iDriveおよびBMWオペレーティングシステム9や、BMWコネクテッドドライブ、BMWインテリジェントパーソナルアシスタントなども採用している。