メルセデス・ベンツの新ラグジュアリーブランド「ミトス」シリーズの第1弾となる「メルセデスAMG ピュアスピード」が登場

メルセデス・ベンツが新ラグジュアリーブランド「ミトス」シリーズの第1弾となる新世代ロードスターの「メルセデスAMG ピュアスピード」を発表。基本骨格にアルミニウム製スペースフレームと複合素材のボディを採用したうえで、F1譲りの「ハロ(HALO)」システムを導入して高い安全性能と空力特性を確保。パワートレインには585ps/800Nmを発生する4リットルV8ツインターボエンジン+AMGスピードシフトMCT 9Gトランスミッションを搭載。生産台数は250台限定

 独メルセデス・ベンツおよびメルセデスAMGは2024年12月8日(現地時間)、F1アブダビGPの開催に合わせて、新ラグジュアリーブランド「ミトス(Mythos)」シリーズの第1弾となる新世代ロードスターの「メルセデスAMG ピュアスピード(Mercedes-AMG PureSpeed)」を発表した。生産台数は限定250台を予定する。

▲メルセデス・ベンツの新ラグジュアリーブランド「ミトス」シリーズの第1弾となる「メルセデスAMG ピュアスピード」が公開。生産台数は250台限定

▲メルセデス・ベンツの新ラグジュアリーブランド「ミトス」シリーズの第1弾となる「メルセデスAMG ピュアスピード」が公開。生産台数は250台限定

 

 伝説的なレーシングカーをオマージュした新進のデザインを採用するピュアスピードは、そのコンセプトモデルが本年5月にF1モナコGPの開催に合わせて初公開。その後、市販化に向けて徹底したテストを繰り返し、今回の市販版のプロトタイプのお披露目となった。

▲基本骨格はMercedes-AMGのスポーツカーアーキテクチャーに基づいて構成。セルフサポーティングストラクチャーのアルミニウム製スペースフレームに、アルミニウム材やマグネシウム材、複合繊維のカーボンファイバー材、そしてスチール材を適材適所に使用したボディシェルを組み合わせて、軽量かつ高剛性なロードスターの骨格を形成する

▲基本骨格はMercedes-AMGのスポーツカーアーキテクチャーに基づいて構成。セルフサポーティングストラクチャーのアルミニウム製スペースフレームに、アルミニウム材やマグネシウム材、複合繊維のカーボンファイバー材、そしてスチール材を適材適所に使用したボディシェルを組み合わせて、軽量かつ高剛性なロードスターの骨格を形成する

 基本骨格については、Mercedes-AMGのスポーツカーアーキテクチャーに基づいて構成。セルフサポーティングストラクチャーのアルミニウム製スペースフレームに、アルミニウム材やマグネシウム材、複合繊維のカーボンファイバー材、そしてスチール材を適材適所に使用したボディシェルを組み合わせて、軽量かつ高剛性なロードスターの骨格を形成する。

 エクステリアはルーフやフロントガラスを省略したオープン2シーターボディを基調に、2018年以降のF1マシンなどに採用される「ハロ(HALO)」システムを組み込んだことがトピック。専用設計の鋼管ブラケットをボディに直付けし、乗員の保護を図るとともに空力特性の最適化や車重の軽量化を実現して、パフォーマンスの向上を図る。また、コクピット後部には2脚のシートと連なるフライングバットレスを配して、整流効果を高めた。

 基本フォルムはメルセデスAMGのハイパーカーである「ワン(ONE)」からインスパイアを受けたという低くて先鋭なシャークノーズや長いボンネット、緩やかにラウンドするリアセクション、シャープにカットした専用デザインのカーボンファイバー製パーツを配したボディ下部などが目を惹く。また、フロントとサイドには乱気流の抑制を図る小型デフレクターを、リアには専用設計のディフューザーを配備。さらに、トランクリッドには80km/hを超える速度域で最適な5つの異なる角度に調整する可変式リアスポイラーを、アンダーボディには同じく80km/hを超える速度域で最大約40mm低下するアクティブエアロダイナミクスエレメントを組み込んで、最高レベルの空力特性を実現した。リアスポイラーやアクティブエアロは、走行速度や前後加速度、ステアリング速度など、多数のパラメータを考慮して自動的に切り替わる。一方、足もとにはカーボンファイバークラッディングを配して空力性能を高めた前9.5J/後11.0J×21鍛造アルミホイールと前275/35/後305/30ZR21サイズの専用セッティングタイヤを装着。制動機構にはカーボンセラミックディスク+前6ポット対向/後1ポットフローティングキャリパーの高性能ブレーキシステムを装備した。

 往年のメルセデスレーシングカーをオマージュしたアレンジを随所に施した点も見逃せない。レッドからブラックのAMGパターンを経てグラファイトグレーへと流れるカラーグラデーションは、1924年開催のタルガ・フローリオで優勝したメルセデス車をイメージ。 “10”のゼッケン番号も、タルガ・フローリオの勝利に由来する。また、フライングバットレスは1955年開催のミッレミリアで優勝した300SLRをイメージさせる形状で仕立てた。シート後方のバットレスのサイドには、AMGのエンブレムも装着している。

▲近年のF1マシンなどに採用される「ハロ(HALO)」システムを採用。専用設計の鋼管ブラケットをボディに直付けし、乗員の保護を図るとともに空力特性の最適化や車重の軽量化を実現して、パフォーマンスの向上を図る

▲近年のF1マシンなどに採用される「ハロ(HALO)」システムを採用。専用設計の鋼管ブラケットをボディに直付けし、乗員の保護を図るとともに空力特性の最適化や車重の軽量化を実現して、パフォーマンスの向上を図る

▲メルセデスAMGのハイパーカーである「ワン(ONE)」からインスパイアを受けた低くて先鋭なシャークノーズや長いボンネットを採用。アンダーボディにはアクティブエアロダイナミクスエレメントを組み込む

▲メルセデスAMGのハイパーカーである「ワン(ONE)」からインスパイアを受けた低くて先鋭なシャークノーズや長いボンネットを採用。アンダーボディにはアクティブエアロダイナミクスエレメントを組み込む

▲レッドからブラックのAMGパターンを経てグラファイトグレーへと流れるカラーグラデーションは、1924年開催のタルガ・フローリオで優勝したメルセデス車をイメージ

▲レッドからブラックのAMGパターンを経てグラファイトグレーへと流れるカラーグラデーションは、1924年開催のタルガ・フローリオで優勝したメルセデス車をイメージ

▲シート後方のバットレスのサイドにはAMGのエンブレムを装着

▲シート後方のバットレスのサイドにはAMGのエンブレムを装着

 

 コクピットについては、ユニークなカラーと装備コンセプトを採用したことが訴求点。今回発表されたモデルでは、AMG Performanceステアリングホイールを含めてクリスタルホワイト/ブラックの2トーンの配色を採用して、クラシックかつ華やかな印象に仕立てる。また、ダッシュボードにはIWCシャフハウゼンがデザインしたアナログのカスタムクロックを配備。加えて、15個のスピーカーと1170Wのシステム電源を備えたBurmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムや、駐車中の悪天候から車を保護するウェザーカバー、そして“1 out of 250”のシリアルナンバーを刻んだ専用バッジなども採用する。さらに、ピュアスピードのエアロダイナミクスに合わせて専用にデザインしたヘルメットも設定。車両と同じカラーリングでアレンジするとともに、インターコムの通信システムも組み込んだ。一方、シートには特殊なレザー表皮と装飾ステッチを配したAMGパフォーマンスシートを装着。ヒーター付きのマルチコントロール機構も内蔵する。また、ドアシルトリムやシート後方はレザーパッドで装飾した。

▲コクピットはAMG Performanceステアリングホイールを含めてクリスタルホワイト/ブラックの2トーンの配色を採用して、クラシックかつ華やかな印象に仕立てる

▲コクピットはAMG Performanceステアリングホイールを含めてクリスタルホワイト/ブラックの2トーンの配色を採用して、クラシックかつ華やかな印象に仕立てる

▲ダッシュボードにはIWCシャフハウゼンがデザインしたアナログのカスタムクロックを配備

▲ダッシュボードにはIWCシャフハウゼンがデザインしたアナログのカスタムクロックを配備

▲シートには特殊なレザー表皮と装飾ステッチを配したAMGパフォーマンスシートを装着

▲シートには特殊なレザー表皮と装飾ステッチを配したAMGパフォーマンスシートを装着

▲前方からの風がスムーズに流れる専用デザインのヘルメットを設定

▲前方からの風がスムーズに流れる専用デザインのヘルメットを設定

 

 パワートレインに関しては、最高出力585ps(430kW)、最大トルク800Nmを発生するAMGチューンの4リットルV型8気筒DOHCツインターボエンジンと、専用セッティングのAMGスピードシフトMCT 9Gトランスミッションを搭載。駆動機構には前後可変トルク配分を行う専用チューニングの4輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を採用する。性能面では0→100km/h加速3.6秒、最高速度315km/hを成し遂げた。

▲パワートレインには585ps/800Nmを発生するAMGチューンの4リットルV型8気筒DOHCツインターボエンジン+AMGスピードシフトMCT 9Gトランスミッションを搭載。駆動機構には4輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を採用する

▲パワートレインには585ps/800Nmを発生するAMGチューンの4リットルV型8気筒DOHCツインターボエンジン+AMGスピードシフトMCT 9Gトランスミッションを搭載。駆動機構には4輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を採用する

 

 懸架機構については、セミアクティブ油圧ロール安定機能を備えた専用セッティングのAMGアクティブライドコントロールサスペンションを配備。既存の機械式横方向スタビライザーに代えて、転がりの動きを瞬時に補正するアクティブ油圧エレメントを組み込み、ダイナミクスやフィードバックなどAMG特有のハンドリング特性を高精度で実現するとともに、直進安定性と快適性を向上させる。また、速度に応じて後輪を前輪と反対方向(100km/h未満)または同じ方向(100km/h以上)に転舵させるアクティブリアアクスルステアリングも標準で装備している。

▲懸架機構にはセミアクティブ油圧ロール安定機能を備えた専用セッティングのAMGアクティブライドコントロールサスペンションを配備

▲懸架機構にはセミアクティブ油圧ロール安定機能を備えた専用セッティングのAMGアクティブライドコントロールサスペンションを配備

 

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