ホンダの新世代BEV第1弾、N-VAN e:は最強のホビーカーである。テストコースで乗ったときもそう感じたが、公道をドライブして確信した。
ホビーカーの必須条件は、乗り手の心の琴線を刺激すること。まずN-VAN e:は、新時代にふさわしいBEVである点に惹かれる。走行中のCO2排出はゼロ。それだけで気分がいい。しかもパワフルで静かな走りは、Kカーであることを感じさせない。
今回、横浜の市街地を走り回ったが、山手地区の急坂も難なくこなし、右足の踏み込みに忠実な反応を示した。加速は力強く静粛性も圧倒的。走行中、気になる音は、BEVであることを周囲に示す、接近警報音のみ。つまり騒音はほぼゼロ。リラックスしてドライブが楽しめた。
ハンドリングだってなかなかである。床下に重量物のバッテリーを積んだ効果だろう。いかにも重心が低いことを実感させる。アップテンポに走るのも得意だ。うれしい発見は、助手席や後席のスペース性と快適性が思った以上によかったこと。これならファーストカーとして使える。
N-VAN e:の満充電時の走行距離は210km。自宅で充電できる環境であれば日常使用に問題ない。もちろん長距離ドライブでは途中で充電する必要はあるが、それも専用アプリ(EVカーナビby NAVITIME)を活用すれば心配いらず。このアプリは、充電プランを考えることを、知的で楽しいゲームに変えてくれそうだ。
N-VAN e:は、プロツールならではの本物感、圧倒的に広いフリー空間、そしてホビーカーにふさわしいファニーなスタイルの持ち主。もちろんBEVという先進性でユーザーを刺激する。このクルマがあれば、生活は確実に変わる。実に魅力的である。