BMWは「走りの歓び」を知り尽くしたブランド。1937年に登場した328は2リッター直6(80hp)を搭載した傑作スポーツ。ミッレミリアで総合優勝を飾るとともにル・マン24時間ではクラス優勝を成し遂げる
BMW(Bayerische Motoren Werke AG=バイエルン発動機製造株式会社)は、ドイツのバイエルン州ミュンヘンを起点とする自動車/二輪車/エンジンメーカー。1913年に前身となる飛行機のエンジン製作会社としてスタートした。4輪車は1928年に英国オースチン・セブンのライセンス生産から始まり、1932年には3/20HPというオリジナルモデルを開発。その後、卓越した技術力を活かし数々の名車を輩出する。とくに1937年にデビューした328は、当時世界最速の2リッタースポーツの名声を得た。
現在のBMWの「駆け抜ける歓び」というアイデンティティを決定づけたのは、1961年のフランクフルト・ショーで発表された1500である。「ノイエ・クラッセ=ニュークラス」と紹介された1500は、現在の5シリーズの起点。BMWならではの高性能エンジンと4輪独立サスペンションの組み合わせで、クラス水準を大きく凌駕するパフォーマンスを実現した。走りを構成するすべての要素、中でもエンジンと足回りにこだわりを傾注し、独自の走りの世界を構築するBMWの姿勢は1500で確立。その後も数あるドイツ車の中でも際立っている。
最近のBMWは、彼らがSAV=スポーツアクティビティビークルと呼ぶ、いわゆるSUVが販売の主力。BMWの全ラインアップ中、グローバルで最も売れているモデルは先ごろフルチェンジしたX3。日本ではX1やそのクーペ仕様であるX2の人気も高い。従来からの1/3/5/7シリーズも堅調だが、Xを名乗るモデルの数々は元気だ。
BMWは、時代のニーズに合わせ、多様なパワーソースを用意するのも特徴である。主力モデルにはBEV/ガソリン/ディーゼルが選べるようになっている。見事なのは、どのパワーユニットでも、心踊るBMWの走りが満喫できること。BMWはドライバー、そしてパッセンジャーを笑顔にする匠の技を熟知している。
BMWが新たにブランドストアを開設した。場所は東京・麻布台ヒルズ。名前は 「FREUDE(フロイデ) by BMW」といい、2024年6月1日にオープンした。名前の由来は「駆け抜ける歓び」の「FREUDE=歓び」に引っかかっている。今回は頭に「人生に」が付くのがポイント。この施設で「体験や発見、出会い、が足を踏み入れた人に歓びをもたらす」、がコンセプトとなる。
ストアは二階建てで、各フロアに異なるゾーンを設ける。一階は施設のメインとなるクルマの展示スペースとカフェ&バー、それとマーチャンダイズ用の棚が備わる。展示は歴代モデルやコンセプトカー、アートやカルチャーに関わるものが多い。2024年は「アートカー」が展示された。カフェはランチ、ティータイム、ディナーで雰囲気を変えて営業、商品の陳列には日本初導入のBMWライフスタイルコレクションが並ぶ。ジャケットやパンツ、バッグやシューズなどだ。
2階は特別なゲストのためのエクスクルーシブ・ラウンジ。オーナーが寛ぐほかセミナーなどを行う。室内に置かれたオブジェやアートがオシャレ。また、アトリエと呼ばれる部屋ではBMW Individual オーダー・メイド・プログラムとしてカラーサンプルやレザーサンプルを手に取りながらクラフトマンシップを体験できる。他には一階のカフェとは異なるカウンター8席のみの日本料理レストラン「無題」がある。FREUDE by BMWは事前に連絡しておけば試乗もOK。試乗してランチ食べて、なんて楽しい時間が過ごせそうだ。