毎冬恒例となりつつある筆者の楽しみ。それは積雪地域を舞台にした長距離ドライブ企画です。クルマの性能を体感しながら、旅先での新たな発見を楽しむこの企画は、自身のYouTubeチャンネルでも紹介しています。とくに冬の豪雪地帯を走ることで、愛車の魅力を再確認するとともに、新たな可能性を見いだすことができると感じています。
今回の旅では、筆者の愛車「スバル フォレスターSTIスポーツ」に、ダンロップの新フラッグシップタイヤ「シンクロウェザー」を装着し、その雪上性能を存分に試しました。ルートは青森から北海道を中心に設定し、往復約2500kmの壮大なドライブとなりました。
誌面でレポートしきれなかった話題を中心にご紹介します。
雪に覆われた厳しいコンディションの中で、タイヤの優れたグリップ性能や安定性を実感。また、旅の道中には温泉やご当地グルメ、そして息をのむような絶景も楽しみました。とくに雪景色に包まれた温泉地や、寒さの中で味わう地元の料理は冬ならではの醍醐味です。
旅の出発とゴール地点には、東京湾アクアラインの中間地点に位置する「海ほたるサービスエリア」を選びました。ここを起点に、岩手県や青森県を経由して北海道へ。三陸沿岸道路を北上するルートは、冬はもちろん、新緑が美しい春や紅葉の秋にも魅力的です。
愛車「フォレスターSTIスポーツ」との旅
筆者にとって初めてのSUBARU車となる「フォレスターSTIスポーツ」は、納車から2年で約5万8000kmを共にしてきた相棒です。日常使いから長距離移動、さらには雪道まで幅広いシーンで安心して乗ることができる高い総合力を誇ります。特に、厳しい雪道でも抜群の安定感を発揮し、旅を支えてくれました。
また、旅で使用したダンロップの「シンクロウェザー」は、夏タイヤと同等の性能を持ちながら冬タイヤ並みの性能も兼ね備えたオールシーズンタイヤ。豪雪地帯でその真価を発揮し、従来のタイヤの常識を覆すような性能を実感しました。
あまちゃんの舞台・久慈市での立ち寄り
今回の旅では、初日に岩手県久慈市でNHKドラマ『あまちゃん』のロケ地を巡りました。ドラマの影響で一躍有名になったこの地では、ドラマに登場した町並みや場所が今でも多くの人々を魅了しています。駅周辺には「あまちゃん」の面影を残した施設もあり、作品を観ていた方にはたまらないスポットです。地域の人々の温かさにも触れられる、まさに「癒しの時間」を提供してくれる街でした。
雪深い酸ヶ湯温泉でのひととき
続いて向かったのは、豪雪地帯として有名な青森県の酸ヶ湯温泉。特に冬場は一面の銀世界となり、雪が降り募る様子に圧倒されます。この地は日本でも有数の積雪量を誇り、その景観はまさに「冬の東北」を象徴するもの。酸ヶ湯温泉は酸性硫黄泉で、肌にしっとりとなじむ泉質が特徴的です。
湯治場として古くから知られ、歴史と癒しが融合した空間になっています。入浴料は1000円と手ごろで、地元の方々だけでなく観光客にも親しまれています。雪見風呂を体験しながら、非日常を楽しむ贅沢な時間を過ごしました。
青森市内の「のっけ丼」でオリジナル海鮮丼を堪能
青森市内にある魚菜市場は、早朝から活気に満ちており、訪れる人々で賑わっています。中でも「のっけ丼」は、何度訪れても楽しめるスポット。市場内のさまざまなお店で好きな具材を選び、自分だけのオリジナル海鮮丼を作ることができます。エンタメ性も兼ね備えたこの体験は、家族や友人と一緒に訪れれば、きっと楽しい思い出になること間違いありません。私は今回も色とりどりの海鮮をのせ、目でも楽しめる丼を堪能しました。
函館朝市でホッケ定食を味わう
その後は函館へと移動。函館朝市は、地元の新鮮な海産物や朝食が楽しめる人気の観光スポットです。この日も市場内は活気にあふれ、多くの観光客が訪れていました。岩手県と青森県で連日お寿司を食べ続けていた私ですが、ここでは焼き魚が恋しくなり、ホッケ定食を選びました。脂の乗ったホッケとご飯の相性が抜群で、しみじみとその美味しさを堪能しました。
盛岡冷麺と意外な温麺
旅の途中で食べた盛岡冷麺も、外せない一品です。本場の冷麺は、そののどごしとモチモチ感が格別。特に麺に独特の弾力があり、何度食べても飽きることがありません。冷麺というと「冷たいもの」というイメージが強いかもしれませんが、実は温麺もあります。寒さが厳しい東北の冬には温麺がぴったりで、体をじんわりと温めてくれる優しさがあります。凍えるような寒さの日には、ぜひ温麺を試してみてはいかがでしょうか?
雪深い東北で見つけた温もりとグルメの数々。この2500㎞のドライブは、景色や食文化を通じて地域の魅力を再発見できる旅となりました。
冬のドライブでの注意点
年末の青森では災害レベルの豪雪が続いており、ホワイトアウトを経験することもありました。こうした状況では、早めのライトオンやチェーン規制対応の準備が欠かせません。さらに、牽引ロープやスコップ、スロープといった装備を用意しておくことも重要です。また目を守るサングラスもお忘れなく。
まとめ
6日間にわたるこの旅の総費用は、ガソリン代約3万3000円、フェリー代約4万4000円、ETC料金などを加え、10万円少々。冬の厳しい環境の中、クルマの性能を体感しながら、美しい景色や地元の文化を楽しめる充実した旅となりました。
旅のもようは、筆者のYouTubeチャンネル「みじゅ 北海道旅」( https://www.youtube.com/watch?v=7p93U3OvyyA )でも公開中。カー・アンド・ドライバー2025年3月号掲載の記事、このWebレポートと併せてお楽しみください。
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