ホンダは1月10日、「CIVIC TYPE Rに新たなパッケージ「RACING BLACK Package(599万8300円)」を設定し1月23日から発売する」と発表した。同車両は「東京オートサロン 2025」にて初公開された。TYPE Rは、2022年の発売以降、納期が長期化し新規の受注はストップされていた。今回、生産体制を整え、納車期間短縮の目途が立ったことから新商品投入に至った。ただし現在、受注できるのは新設定のRACING BLACK Packageのみ。標準仕様(499万9700円)は相変わらずオーダーできない。装備の充実化はあれど標準仕様とRACING BLACK Packageの価格差は約100万円。実質的にシビック・タイプRの価格は大幅に上昇した印象が強い。もっとも輸入車を含めた最近のハイパフォーマンスモデルの価格を見回すと、タイプR標準車の価格は例外的にリーズナブルだった。RACING BLACK Packageの約600万円のプライスタグはやっと適正になった、という声を聞く。
本パッケージは、光の反射ノイズを徹底的に抑制した特別な仕様だ。ドライバーがより運転に集中できるドライビング空間を作り上げることで、新たなドライビングプレジャーを提供する。具体的にはインテリア全体を黒で統一。ダッシュボードにブラックの上質なスエード表皮を採用するとともにブラック仕上げのインテリアパーツを多く配置した。ボディカラーはチャンピオンシップホワイト、フレームレッド、ソニックグレー・パール、クリスタルブラック・パール、レーシングブルー・パールの5色から選択可能だ。なおRACING BLACK Packageはワイヤレス充電器や自動防眩ルームミラーも装備する。
メカニズムは標準仕様と共通。K20C型2ℓDOHC16Vターボと6速MTを組み合わせる。320ps/420Nmを発揮するK20C型2ℓユニットのスペックや、圧倒的なパフォーマンスを支える足回りに変更はない。すでに世界トップ級の速さを見せつけ、完成の域に達しているタイプRだけに、手を加える必要はない、という判断だろう。ボディサイズは全長×全幅×全高×4595mm×1890mm×1405mmになる。
CIVIC TYPE Rは、現在ホンダのスポーツフラッグシップモデルである。国内最高峰レース、SUPER GTシリーズのGT500クラスでは、2024年からNSXに代わりCIVIC TYPE R-GTの名前を冠した車両で参戦。年間2位の成績を収めた。2025年もチャンピオン獲得を目指し挑戦を続ける。