ヒョンデが日本におけるBEVモデルの第4弾「インスター(INSTER)」の先行予約を開始。全長3830×全幅1610mmのコンパクトなボディと丸形LEDランプを基調とした親しみやすいSUVスタイルに、乗車定員を4名としたゆとりのあるキャビン空間を内包。グレードは最高出力71kWを発生するモーターに総電力量42kWhのリチウムイオン電池を組み合わせたカジュアルと、最高出力85kWを発生するモーターに総電力量49kWhのリチウムイオン電池を組み合わせたボヤージュとラウンジの計3タイプを設定
ヒョンデ モビリティ ジャパンは2025年1月10日、新型スモールEV「インスター(INSTER)」を東京オートサロン2025の会場で披露し、合わせて同日より先行予約を開始した。発売は今春を予定する。
車種展開および車両価格は以下の通り。
カジュアル(Casual):284万9000円
ボヤージュ(Voyage):335万5000円
ラウンジ(Lounge):357万5000円
日本市場に導入するBEVモデルの第4弾となるインスターは、2024年6月に韓国・釜山モビリティショーで世界初公開されたヒョンデの新世代スモールEVで、ヒョンデのEVラインアップの中で最もサイズが小さなBEVでありながら、ロングドライブを可能とする長い航続距離やゆとりのある広い室内空間を実現し、ユーザーの多様なライフスタイルに対応できるオールマイティなモデルに仕立てている。
エクステリアについては、丸形LEDランプを基調とした親しみやすいフォルムや、力強いサイドビューと抑揚のあるボディラインなどによって、都会的でありながらSUVらしい存在感を強調。また、ピクセルグラフィックを採用したスタイリッシュなフロントウインカーランプおよびリアコンビネーションランプ類や、ユニークかつ遊び心のあるスタイリングにより、ひと目でインスターと分かるアイコニックなルックスを創出する。さらに、全長3830×全幅1610mmという絶妙なボディサイズによって、日本の狭い路地や駐車環境においても抜群の扱いやすさを実現した。ボディカラーはカジュアルにアトラスホワイトとアビスブラックパールを、ボヤージュとラウンジに前述の2色に加えてバタークリームイエローパール、トムボーイカーキ、シエナオレンジメタリックという計5色を設定。足もとにはカジュアルに15インチスチールホイール(フルキャップ付)+185/65R15タイヤを、ボヤージュに15インチアルミホイール+185/65R15タイヤを、ラウンジに17インチアルミホイール+205/45R17タイヤを装着している。
インテリアに関しては、コラムタイプ電子制御シフトレバーや前席ベンチシートなどを採用して、センターコンソール周りをすっきりとさせた開放的なコクピットを創出したことがトピック。また、メーターには10.25インチカラーLCDメータークラスターを、センターには10.25インチナビゲーションディスプレイを配して、必要な情報へのアクセスと視認性を高める。さらに、後席はロングホイールベース(2580mm)とフラットフロア構造により、余裕のある足もとスペースを確保することでコンパクトな外観からは想像もつかない広々とした居住空間を実現した。日本の平均乗車人数を考慮して乗車定員を4名とすることで、全席での快適性を向上させたことも訴求点。ゆったりとしたシートサイズに加え、前後席ともにフルフォールディング機能を組み込み、合わせて後席にリクライニング機能とスライド調整機能を内蔵して、乗車パターンや使用状況など様々なシーンに柔軟に対応するキャビンスペースに仕立る。ラゲッジ容量は後席使用時で280リットルを確保した。一方でインテリアカラーについては、カジュアルにブラックモノトーンを、ボヤージュとラウンジにブラックモノトーンとベージュモノトーンを設定。ラウンジにはアンビエントドームランプを装備して、室内の華やかさを際立たせる。シート表皮はカジュアルにファブリックを、ボヤージュとラウンジに合成皮革を採用。また、ボヤージュとラウンジには前席シートヒーターや前席シートバックフルフォールディング機構、助手席シートバックボード、後席シートスライド&リクライニング機構を標準装備し、さらにラウンジには前席シートベンチレーションを組み込んで快適性を高めた。
パワートレインについては、カジュアルに最高出力71kW/4800~1万3000rpm、最大トルク147Nm/0~4600rpmを発生するモーターと総電力量42kWhのリチウムイオン電池を、ボヤージュとラウンジに最高出力85kW/5600~1万3000rpm、最大トルク147Nm/0~5400rpmを発生するモーターと総電力量49kWhのリチウムイオン電池を搭載し、いずれも前輪を駆動。また、回生ブレーキ強度は4段階もしくは自動モードの中から選択でき、効率的なエネルギーマネジメントを可能とする。さらに、ボディ剛性やシーリングの強化、空力対策により、騒音・振動の少ない車内環境で快適性を実現。そして、日本の道路環境に最適化されたサスペンションチューニングを施して、優れた乗り心地と走行安定性を提供する。WLTCモードでの一充電走行距離は現在国土交通省に申請中だが、ヒョンデ モビリティ ジャパンは「ロングドライブも難なくこなす、スモールEVの懸念を解消する圧倒的に長い航続距離を実現している」とコメント。充電に関してはAC200Vの普通充電(ラウンジは200V充電ケーブル付属)のほか、CHAdeMO方式を含む急速充電に対応し、また室外/室内V2Lの給電機構も配備している。
先進安全運転支援システムの充実ぶりも見逃せない。ドライブ時のドライバーの負担を軽減する最新の運転・駐車支援システム「Hyundai SmartSense」や、高速道路で前方車両との車間距離を維持する高速道路ドライビングアシスト(HDA)、周囲の状況をモニターに表示するサラウンドビューモニター(SVM)などを装備。さらに、ペダルの踏み間違いによる急加速を抑制するぺダル踏み間違いセーフティアシスト(PMSA)をヒョンデ車として初採用するなど、高い安全性を実現している。
なお、今回の発表の席では昨年10月に登場したアウトドア志向の新グレード「インスター クロス(INSTER Cross)」を日本に導入することも予告。また、オートサロンの会場では西日本のカルスト台地にインスパイを受けて、広大な自然の中を走るインスター クロスのタフなイメージを強調したカスタムカーの「インスター ターマック(INSTER TARMAC)」を出展した。