ケータハムが次世代EVクーペ「プロジェクトV」の最新プロトタイプを公開

ケータハムが東京オートサロン2025においてメタリックホワイトのボディカラーを採用して装いも新たにしたEVクーペ「プロジェクトV」の最新プロトタイプを披露。ケータハム アカデミーにて使用する車両を参考にスポーツ装備を組み込んだ「セブン170R」も出展

 エスシーアイ株式会社およびケータハムカーズ・ジャパンは2025年1月10日、東京オートサロン2025で次世代EVクーペ「プロジェクトV(PROJECT V)」の最新プロトタイプを公開。合わせて、ハイパーグリーンのプレミアムペイントを纏った「セブン170R(Seven 170R)」を披露した。

▲ケータハムは東京オートサロン2025でメタリックホワイトのボディカラーを採用して装いも新たにした進化版のプロジェクトVのプロトタイプを披露

▲ケータハムは東京オートサロン2025でメタリックホワイトのボディカラーを採用して装いも新たにした進化版のプロジェクトVのプロトタイプを披露

 

 プロジェクトVはケータハムが英国のスポーツカーブランドとしての近未来を見据えた、全く新しいデザインランゲージを提示するコンセプトカーで、Light-weight、Simple、Fun-to-Driveというケータハムのドライビングプレジャーを最重視するDNAを受け継ぐ次世代EVスポーツクーペに位置する。同車は2023年7月開催の英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開され、2024年1月開催の東京オートサロンにも出展。そして今回、メタリックホワイトのボディカラーを採用して装いも新たにした進化版のプロジェクトVのプロトタイプを雛壇に上げた。

▲ボディサイズは全長4255×全幅1893×全高1226mm/ホイールベース2581mmに、車重は1190kgに設定

▲ボディサイズは全長4255×全幅1893×全高1226mm/ホイールベース2581mmに、車重は1190kgに設定

▲カーボンファイバーとアルカンタラで覆ったシンプルな造形のダッシュボードや必要な情報を的確に表示するデジタルインストルメントクラスターなどを装備

▲カーボンファイバーとアルカンタラで覆ったシンプルな造形のダッシュボードや必要な情報を的確に表示するデジタルインストルメントクラスターなどを装備

▲キャビン空間は2+1のシートレイアウトを標準で、2+2をオプションで採用

▲キャビン空間は2+1のシートレイアウトを標準で、2+2をオプションで採用

 

 また、プロジェクトVの開発パートナー各社、e-アクスルをプロトタイプ車両に供給するヤマハ発動機、車載バッテリー冷却技術である液浸冷却バッテリーパックを供給する台湾シン・モビリティー(Xing Mobility)の技術についてのパネル展示・実物紹介も実施する。ヤマハ発動機は今回のe-アクスルを“αliveEE(Electric Engine)”と呼称。ヤマハは高性能な自動車エンジンの開発・生産を長年に渡って手がけており、電動化時代においても乗り物や人の心を動かす原動力=Electric Engineを開発していくという。また、ヤマハは2025年シーズンからフォーミュラEのチーム・ローラに電動パワートレインを投入することから、この技術と経験を活かしたe-アクスルをプロジェクトVに採用することが期待される。

▲ヤマハ発動機はプロジェクトVのプロトタイプ車両にe-アクスルを供給。ヤマハは今回のe-アクスルを“αliveEE(Electric Engine)”と称する

▲ヤマハ発動機はプロジェクトVのプロトタイプ車両にe-アクスルを供給。ヤマハは今回のe-アクスルを“αliveEE(Electric Engine)”と称する

 

 一方でXing Mobilityの液浸冷却バッテリーパック「IMMERSIO™ Cell-to-Pack (CTP) 」は、優れた放熱性、安全性、そして高エネルギー密度を特徴としたバッテリーパックで、バッテリーセルを誘電性の液体に浸す液浸冷却技術によって迅速かつ均一な放熱で高い安全性を誇り、さらに最大200Wh/kgというトップクラスのエネルギー密度を実現する。現地のパネルでは、通常のバッテリーパックに比べて30%高い冷却効率を成し遂げていることをアピールしていた。

 なお、現時点でのプロジェクトVのターゲットスペックは、最高出力200kW(272ps)を発生するヤマハ発動機のシングルモーターe-アクスルをリアアクスルに搭載して後輪を駆動し、駆動用バッテリーはXing Mobility液浸冷却バッテリーパック「IMMERSIO™ Cell-to-Pack (CTP)」を配したパナソニックエナジー車載用円筒形リチウムイオン電池で構成。航続距離は欧州WLTPモードで400km(バッテリー総電力量55kWh前後)を目指し、性能面では最高速度230km/h、0→100km/h加速4.5秒以下を実現するという。

▲台湾シン・モビリティー(Xing Mobility)の液浸冷却バッテリーパック「IMMERSIO™ Cell-to-Pack (CTP) 」のパネル展示・実物紹介も実施

▲台湾シン・モビリティー(Xing Mobility)の液浸冷却バッテリーパック「IMMERSIO™ Cell-to-Pack (CTP) 」のパネル展示・実物紹介も実施

 

 一方でセブン170Rは、イギリス国内においてこれからサーキット走行をスタートする、ケータハム車両でのレース活動を始めるといったユーザー向けに行われ、好評を博している“ケータハム アカデミー”にて使用している車両を参考に、スポーツ装備を鋭意組み込んだカスタマイズモデルとして出展される。ベース車はパワートレインに専用チューニングのスズキ製658cc直列3気筒DOHCターボエンジン(最高出力85ps/6500rpm、最大トルク116Nm/4000~4500rpm)+5速MTを搭載したセブン170R(839万3000円)で、ボディカラーにはハイパーグリーンのプレミアムペイントを纏い、ここにブラックのフルデカールパックを装着。また、オプション装備のスポーツロールケージやフルウィンドスクリーン・ソフトトップ&ドア、ペイント7グリル(ハイパーグリーン)、ローワードフロア、4.5J×14“Juno”ブラックアロイホイール+Avon ZT7タイヤ(155/65R14サイズ)、バッテリーマスターカットオフスイッチ、momo製スエード巻きステアリングホイールを配備する。さらに、特別装備としてロールケージパッド、サイドインパクトバー、6点式レースハーネス、消化器を組み込んだ。

▲ケータハム アカデミーにて使用する車両を参考にロールケージなどのスポーツ装備を組み込んだ「セブン170R」を出展。ボディカラーにはハイパーグリーンのプレミアムペイントを纏う

▲ケータハム アカデミーにて使用する車両を参考にロールケージなどのスポーツ装備を組み込んだ「セブン170R」を出展。ボディカラーにはハイパーグリーンのプレミアムペイントを纏う

▲特別装備としてロールケージパッド、サイドインパクトバー、6点式レースハーネス、消化器を組み込む

▲特別装備としてロールケージパッド、サイドインパクトバー、6点式レースハーネス、消化器を組み込む

 

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