【超絶ドライビングレッスン】内モンゴルの氷上でランボルギーニ・レヴエルトの1015hpを解き放った!

これまでネーヴァはイタリアやニュージーランドで開催していたが、2024年シーズンは内モンゴルの氷上が舞台。テスト車はフラッグシップのレヴエルトを筆頭にSUVのウルス、V8ミッドモデルのウラカンなどが揃う

これまでネーヴァはイタリアやニュージーランドで開催していたが、2024年シーズンは内モンゴルの氷上が舞台。テスト車はフラッグシップのレヴエルトを筆頭にSUVのウルス、V8ミッドモデルのウラカンなどが揃う

限界域の挙動を体感。豪快なドリフトを堪能した

ランボルギーニは、オーナーに「特別な時間」を提供する
エスペリエンサと呼ぶイベントを積極的に開催している。
中でも「ネーヴェ(Neve=イタリア語で雪の意味)」と呼ぶ氷上レッスンは、
サーキットを走る「コルサ」、旅を楽しむ「ジーロ」と並ぶ人気コンテンツ。
路面ミューの極端に低い氷上では、舗装路ではなかなか体験できない
ランボルギーニの限界域の挙動が簡単に体験できるからだ。
すなわちドリフトが思う存分楽しめる!
内モンゴルで開催された今シーズンのネーヴェの模様を紹介しよう。
メインテスト車はシステム出力1015hpを誇るレヴエルトである。

ランボ01

 コーナーの中ほどまで来たところで、リアタイヤがじわりと流れ始めるのを感じる。即座にカウンターステアを当てたくなる気持ちをぐっとこらえ、ノーズが十分にインに近づいてからほんの少しだけアウト側にステアリングを切る。すると自然吸気V12エンジンを積む最新のハイブリッド・マシン、レヴエルトは理想的な角度でコーナーの出口を見据える格好となった。あとは穏やかにスロットルペダルを踏み込むだけ。4本のスパイクタイヤはしっかりと氷を捉えながら滑らかに加速していく。
 その立ち振る舞いは、ランボルギーニのフラッグシップにふさわしい威厳を感じさせるものだった。

ドリフト

 私がそんな体験をしたのは、中国の内モンゴルで行われたランボルギーニ・エスペリエンサ・ネーヴェでのこと。ランボルギーニのオーナー向けイベントであるエスペリエンサには、サーキット走行をテーマにした「コルサ」や風光明媚な土地を巡る「ジーロ」などがあるが、「ネーヴェ(NEVE:イタリア語で「雪」の意味)」はその名のとおり雪上や氷上を走るイベントだ。これまでイタリアやニュージーランドなどで実施されてきたが、今シーズンは内モンゴルで開催された。

 雪上や氷上でランボルギーニを走らせる楽しみは、いたってシンプル。舗装路では滅多なことではテールスライドしないランボルギーニも、雪や氷の上ではいとも簡単にリアタイヤのグリップが失われる。つまり、普段はなかなか体験できないドリフト走行を、手軽に、しかも安全に楽しめるのである。さらにいえば、限界域の挙動を把握しておくことは、同様の事態が舗装路で起きたときの対処にも役立つ。
 エスペリエンサ・ネーヴェは楽しいだけでなく、安全にも役立つイベントなのだ。

カウンターステアのタイミングが大切。レヴエルトはひと呼吸置くのが正解

 ところで、冒頭で紹介したレヴエルトのワンシーンだが、一般的には、テールが滑り始めたときにはすぐにカウンターステアを切らなければいけないのに、レヴエルトではひと呼吸を置く必要があった。その理由を説明しよう。

 ご存じのとおり、レヴエルトはV12エンジンとモーターで後輪を、そしてモーターで前輪を駆動するシステム最高出力1015hpの4輪駆動モデルである。そんなレヴエルトを操っていてリアタイヤが流れ始めたとき、即座にカウンターステアをあてると、当然のことながら前輪はコーナーのアウト側を向くことになる。

 この状態でスロットルペダルを踏めば、前輪はコーナーの外側に向けてクルマを引っ張る役割を果たす。そのため、結果的にステアリング特性はアンダーステアとなってクルマをコーナーのアウト側に導いてしまうのだ。

テスト車

 このあたりの加減はモデルごとに異なっていて、同じランボルギーニの4輪駆動でもSUVのウルスはアンダーステア傾向がさらに強く、このため「カウンターステアをガマンする時間」もより長くなる。これはウルスがフロントエンジンで、安定志向の強いトルセン式センターデフを用いているためだが、意外だったのはウラカン・ステラートだった。ミッドシップの電子制御トルクスプリット式4輪駆動であるにもかかわらず、ウルスより明確なアンダーステアを示した。おそらく、ランボルギーニのエンジニアたちが、ステラートの4輪駆動制御を安定志向にしつけた結果だろう。

サブ

ウラカン

 こうした4輪駆動モデルとは正反対なキャラクターを示すのが、ミドシップの後輪駆動モデルであるウラカン・テクニカ。こちらは定石どおり、リアが流れ始めたら素早くカウンターステアをあてないとクルリとスピンしてしまう。日ごろ、後輪駆動車でサーキット走行をしている私にとってこれはむしろ扱いやすい反応だったが、どうやら参加者の多くは苦手だったらしい。

 ランボルギーニのインストラクターは「テクニカを扱いやすいといったのは、アナタ(つまり私のこと)が初めて。誰もが『テクニカは難しい』とこぼしていました」と教えてくれた。

タイヤ

大谷さん

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