九島氏は2024年1月に還暦を迎えた記念に「赤いクルマ=アルファロメオ」を購入。自分の得意分野に「赤」を入れ込むと楽しいと語る。2025年はクラシックカー・ラリーに参戦予定。伝統の2リッターDOHCユニットを積んだピニンファリーナ・デザインのスパイダーは走りも美しさも一級品
山本善隆(以下:山本) 今日は100年に一度の変革期を迎えた自動車業界の今後を見据えながら、あらためて「クルマの魅力」について考えていきたいと思います。「2025年を展望すると、また新しいクルマの魅力が見えてくる」というイメージです。まずは個人的な2024年の振り返りと2025年の思いからスタートしたいと思います。
九島辰也さん(以下:九島) ボクは2024年1月2日に還暦を迎えました。それで「赤いクルマ=アルファロメオ」を購入しました。当初はすでに所有している黒い911をラッピングで赤に変えるのもアリかなと考えましたが、「60歳になったら赤いクルマを買う」というのを流行らせたいと考えていて、アルファを増車。半年くらい前に仕上がってきたので、今年はクラシックカー・ラリーに参戦する予定です。日本では還暦になると「赤いちゃんちゃんこ」のイメージですが、クルマ好きならちゃんちゃんこではなくて「赤いクルマに乗る」というほうが断然カッコいい。自分の得意分野に「赤」を入れ込むと楽しいと思います。
竹岡 圭さん(以下:竹岡) 2024年は「圭ラリープロジェクト」を2年ぶり復活させ、三菱トライトンでXCRスプリントカップ北海道に参戦を開始しました。今年ももちろん継続します。7月からの4戦に挑戦する予定です。昨年はタイで開催されたAXCR(アジア・クロスカントリー・ラリー)も体感させてもらいました。チーム三菱ラリーアートのサービスカー、デリカミニで2100㎞を走行。AXCRの魅力を実感したので、近い将来、AXCRなど海外のラリーに挑戦することを目標に掲げています。圭ラリープロジェクトのトライトンは、ひときわ目立つピンクのカラーリングにしたのですが、北海道ラリーでうれしい出来事がありました。大会前に小学4年生を対象にした課外教室を行ったのですが、その際に参加できなかった子供たち2人が、わざわざラリー会場に駆けつけてくれたんです。「5年生なので課外教室には出席できなかったけど、ぜひ近くで見たかった」と。子どもたちに夢を与えるきっかけになったのではと考えています。将来、クルマ好きに育ってほしいな。
池田直渡さん(以下:池田) 私の年齢は九島さんのひとつ下、2025年の1月で60歳になりました。そこで考えたのが「モーターリングライフのやり直し」です。いままで乗りたいと思っていたものの機会を逸していたクルマやバイクを愛車にし、積極的に乗るプランです。クルマは60歳をスタート地点に2年ほどのインターバルで乗り換え、バイクはそろそろ体力的に辛いこともあり、乗り換えを考えず究極を購入する計画です。具体的にクルマはまずマツダ・ロードスター、そしてバイクはホンダ・アフリカツインを狙っています。古いクラシックモデルも考えましたが、もう動かないクルマを抱えているのは辛い。ファーストカーとしてきちんと乗って、気持ちの欠落を埋めたいと考えています。「キュンキュン曲がる」幌の1.5リッターモデルが自分の気持ちとしてはベスト・ロードスターなのですが、長距離移動が多い仕事の足としても利用するのでADASの付いた2リッターのRFをオーダーするつもりです。
九島 いいですね。ボディカラーはぜひ、赤にしてください!
山本 池田さんは、以前、弊誌連載の「パースペクティブ企画」で、スズキのスベーシアベースに自転車を積み込み、旅を楽しむ提案をしてくれましたね。
池田 私はクルマやバイク、自転車も基本的には旅志向。景色を楽しみながら移動を楽しむことが好きです。これも若いときにやりたくてやっていないこと。現在はどんな場所でも仕事ができますから、自由気ままに旅を楽しみながら仕事をするというのは理想ですね。先日、普通免許で運転できるいすゞエルフミオを試乗しました。あれなんか荷台をパネル張りにすれば、自分の「理想の遊びの基地」が構築できます。自転車などを積み込んで旅を楽しめそうです。仕事で東京に戻る必要が生じたら、旅の途中で新幹線で帰京。その後、また旅を続ければいい。夢はいろいろ広がりそうです。
山本 岡本さんの2024年はいかがでしたか
岡本幸一郎さん(以下:岡本) ボクの2024年の個人的なトピックスは、久々にマイカーを購入したことです。以前のクルマのトラブルをきっかけに、しばらく自分のクルマは持っていませんでした。それはボクの好みと妻の希望がマッチングしなかったことが要因でした。妻は「小さいクルマがいい」というのに対し、ボクは大きめが好み。でもしだいにMINIに乗りたいという妻の思いが理解できるようになり、MINIクラブマンの白/黒ツートンを探してガレージに納めました。いまではMINIがなぜ人気が高いのかを実感、街でMINIに出会うと、オーナー同士の連帯感を覚えています。
九島 MINIは魅力的ですよね。ボクもアイスブルーで白内装のクラブマンに乗っていました。
竹岡 私もMINIは大好き。4台乗り継いでいます。MINIは周囲にもオーナーが多い印象ですよね。
岡本 同感です。また、今年は「ドライビングテクニックをさらに磨きたい」とも考えています。いまは運転技術の鍛錬に最適なクルマのレンタルもあるので、それを積極的に利用しようかと。30代はレースにも参戦していました。再びドライビング熱が高まっています。たとえば「ロードスター4耐」で、もっと上位の選手に迫りたいですし、チームの期待を超える走りをしたい。またドリフトもきちんとマスターしたいと考えています。ドライビングテクニックの上達は、仕事面の「クルマの評価」という面でも役立ちます。個人的に音楽活動も趣味で行っていますが、ギターをもっときちんと弾きたい、という思いに近いイメージです。
山本善隆_YAMAMOTO Yoshitaka
やまもとよしたか/本誌統括編集長。東京都生まれ。ITコンサルティング会社でシステム開発、自動車Webメディア編集部等を経て、企業の戦略立案・事業開発・マーケティング支援業務に従事後、2020年に独立。2021年より現職。クルマを運転している時間が一日の中で最も好き
九島辰也_KUSHIMA Tatsuya
くしまたつや/モータージャーナリスト。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。『Car Ex』副編集長、『American SUV』編集長など自動車専門誌の他、メンズ誌、機内誌、サーフィンやゴルフメディアで編集長を経験。趣味はクラシックカーと四駆カスタム
池田直渡_IKEDA Naoto
いけだ なおと/自動車ジャーナリスト、自動車経済評論家。1965年 神奈川県生まれ。1988年ネコ・パブリッシング入社。2006年に退社後ビジネスニュースサイト編集長に就任。2008年に編集プロダクション、グラニテを設立。クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う
竹岡 圭_TAKEOKA Kei
たけおかけい/各種メディアやリアルイベントで、多方面からクルマとカーライフにアプローチ。その一方で官公庁や道路会社等の委員なども務める。レースやラリーにもドライバーとして長年参戦。日本自動車ジャーナリスト協会・副会長。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
岡本幸一郎_OKAMOTO Kouichirou
おかもと こういちろう/モータージャーナリスト。1965年 富山県生まれ。幼少期にクルマに目覚め、小学校1年生で街を走るクルマの車名すべてを言い当てるほどになる。大学卒業後、自動車専門誌の編集などを経てフリーランスへ。AJAJ会員。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員