アウディがフルサイズSUVクーペのQ8に最高出力640ps/最大トルク850Nmを発生する4リットルV8ツインターボエンジンを搭載した至極の高性能モデル「RS Q8 パフォーマンス」をラインアップ。ニュルブルクリンク北コースでは市販SUV最速ラップタイムの7分36秒698を記録。車両価格は2206万円に設定
アウディ ジャパンは2025年2月20日、フルサイズSUVクーペのQ8シリーズに高性能モデルの「RS Q8 パフォーマンス(RS Q8 performance)」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は2206万円に設定する。
▲アウディRS Q8 パフォーマンス 価格:2206万円 全長5020×全幅2005×全高1700mm ホイールベース2995mm 車重2410kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費7.4km/リットル 写真のボディカラーはチリレッドメタリック
メーカー自ら“Audi Sport史上、最強の市販ガソリンモデル”“フルサイズSUVクーペQ8の究極のスポーツモデル”を謳うRS Q8 パフォーマンスは、パワーユニットに新開発の軽量エキゾーストシステムなどを組み込んだ専用チューニングの“4.0TFSI”3996cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンを搭載。従来のRS Q8比で最高出力は40psアップの640ps(471kW)/6000rpm、最大トルクは50Nmアップの850Nm(86.7kg・m)/2300~4500rpmを発生する。オプションとして、いっそうパワフルなサウンド体験を提供するRSスポーツエキゾーストシステムも設定した。また、この強力パワーユニットには48V主電源機構をベースとするマイルドハイブリッド(MHEV)ドライブシステムを組み込み、さらにエンジン本体にはクルージング走行などで8気筒のうち4気筒を自動的に休止するシリンダーオンデマンド(COD)を配して、燃費性能を高める。一方、トランスミッションにはセッティングを最適化した電子制御8速ティプロトニックを組み合わせ、駆動機構には専用チューニングのクワトロシステム(フルタイム4WD)とリアスポーツディファレンシャルを採用した。
▲パワーユニットには新開発の軽量エキゾーストシステムなどを組み込んだ専用チューニングの“4.0TFSI”3996cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンを搭載。最高出力は640ps(471kW)/6000rpm、最大トルクは850Nm(86.7kg・m)/2300~4500rpmを発生
懸架機構には、車高を最大90mmの範囲で可変する専用セッティングのRSアダプティブエアサスペンションを標準装備。合わせて、2分割されたスタビライザーの間にコンパクトな電動モーターを配したアクティブロールスタビライザー(eAWS)を両軸に組み込む。eAWSは、直進時には2つのスタビライザーが分離して路面の凸凹をスムースに吸収。コーナリング時には電動モーターがスタビライザーを相互逆方向に回転させ、ボディ横方向のロールを積極的に抑制して俊敏なハンドリングを実現する。また、eAWSに電力を供給する48Vのリチウムイオンバッテリーは短時間で高電流を吸収および放出することが可能で、それぞれ最大1.5kWの電力を2つの電動モーターに供給する仕組みだ。一方、操舵機構には高トルクの電動スピンドルドライブと2本のトラックロッドを介してリアホイールを動かすオールホイールステアリング(4輪操舵)を採用。ワインディングロードや高速走行ではリアホイールがフロントと同じ方向に動くことでレスポンスとスタビリティに優れたハンドリングを実現し、低速走行時ではリアホイールをフロントと逆方向に向けることで最小回転半径を縮小する。足もとには6Yダブルスポークデザイン ブラックポリッシュト10.5J×23アルミホイールを標準で装着し、オプションで6Yダブルスポークデザイン マットネオジムゴールド10.5J×23アルミホイールと5Yスポークデザイン マットブラック10.5J×23アルミホイールを設定。いずれもタイヤは295/35R23サイズを組み合わせる。また、制動機構にはセラミックブレーキおよびアンスラサイトグレーのブレーキキャリパーを標準装備し、キャリパー色はレッドまたはブルーをオプションで選択可能。フロントのキャリパーは10ピストンで、ブレーキディスクの径は前Φ440mm/後Φ370mmで仕立てている。
▲懸架機構には車高を最大90mmの範囲で可変する専用セッティングのRSアダプティブエアサスペンションを装備。2分割されたスタビライザーの間にコンパクトな電動モーターを配したアクティブロールスタビライザー(eAWS)も組み込む
▲足もとには6Yダブルスポークデザイン ブラックポリッシュト10.5J×23アルミホイールを標準で装着し、オプションで6Yダブルスポークデザイン マットネオジムゴールド10.5J×23アルミホイールと5Yスポークデザイン マットブラック10.5J×23アルミホイール(写真)を設定
エクステリアに関しては、SUVらしい力強さと格式高いエレガンスを美しく融合させたことが訴求点だ。フロント部は3Dデザインのハニカムセルと大型のシングルフレームグリル、ダイナミックな形状の大型エアインテーク、マットグレーのフロントスポイラーエレメント、ダークベゼルでシャープに研ぎ澄まされたHDマトリクスLEDヘッドライト/ダイナミックターンインディケーター/アウディレーザーライトなどを採用し、アスリートのような精悍なマスクを創出。また、サイドビューは優雅なラインを描くルーフと張り出したブリスターフェンダーなどによってパワフルな外観を強調する。ドアミラーのカバーはマッドグレーで仕立てた。そしてリアセクションは、中央のリフレクターで左右に分割されたディフューザーや大型のルーフエッジスポイラー、グロスブラックで仕上げたオーバル形状の2本出しテールパイプなどのRS専用エレメントを装備して、空力特性の向上や見た目の存在感のアップを果たす。オプションとして、ダークAudi rings&ブラックスタイリングパッケージやダークAudi rings&マットカーボン/ブラックスタイリングパッケージ、ブラックルーフレール、5種類のデジタルライトシグネチャーを表示するデジタルOLEDリアライトも選択可能。ボディカラーはグレイシアホワイトメタリック、サテライトシルバーメタリック、ミトスブラックメタリック、サヒールゴールドメタリック、チリレッドメタリック、アスカリブルーメタリック、ワイトモブルーメタリック、デイトナグレーパールエフェクトを設定し、さらにスペシャルボディカラーのAudi exclusiveも選ぶことができる。
▲ダークベゼルでシャープに研ぎ澄まされたHDマトリクスLEDヘッドライト/ダイナミックターンインディケーター/アウディレーザーライトを装備。デジタルデイタイムランニングライトはRS Q8専用のチェッカーフラッグデザインを含む5種類のライティングパターンを設定
インテリアにおいても、エレガンスとダイナミックな個性を一貫して表現する。インパネはスリムかつ水平基調ラインで仕立て、アウディバーチャルコックピットプラスにはRS専用ビューを、ダッシュボード中央には2つのタッチディスプレイを採用したMMIタッチレスポンスからなるインフォテインメントシステムを配備。12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラスRSデザインにはマニュアルモードでの最適なギアチェンジのタイミングを示すシフトライトインジケーターを組み込み、モータースポーツで使用されるメーターパネルと同じように回転数の表示が緑から黄色、赤と点滅して、最適なシフトタイミングをドライバーに知らせる。また、アウディバーチャルコックピット内のシンボルを通じて表示されるローンチコントロールも設定した。さらに、幅の広い左右対称のセンターコンソールにはアルミニウムで織ったレース地のようなテクスチャーで装飾するフレームを組み込み、高性能SUVクーペのスポーティなキャラクターをより際立たせる。一方、前席にはハニカムステッチとRSロゴ刺繍を配したバルコナレザー表皮のシートベンチレーション付きパーフォレーテッドSスポーツシートを装着。後席にはリアベンチシートプラスを装備した。オプションとして、各部に印象的なカラーアクセントをつけるレッド、グレー、ブルーのRSデザインパッケージプラスも用意している。
▲インパネはスリムかつ水平基調ラインで仕立て、アウディバーチャルコックピットプラスにはRS専用ビューを、ダッシュボード中央には2つのタッチディスプレイを採用したMMIタッチレスポンスからなるインフォテインメントシステムを配備。ハンドル位置は右と左の選択が可能
なお、RS Q8 パフォーマンスは2024年6月にニュルブルクリンク北コースにおいて、レーシングドライバーおよび開発ドライバーのフランク・スティップラー(Frank Stippler)氏のドライブでタイムアタックを敢行。アップデート前のRS Q8よりも約6秒速い、市販SUV最速ラップタイムの7分36秒698を記録している。