アウディがプレミアムワゴンのA6アバントをフルモデルチェンジ。ダイナミックなデザインと卓越した空力性能が高度に調和したエクステリアに、広々とした空間と最先端テクノロジーを内包したインテリア、MHEV plusマイルドハイブリッドテクノロジーを採用した2.0TDIおよび3.0TFSIエンジン、スポーティさと快適性が融合したシャシーなどを導入して、他に類を見ないファーストクラスの移動体験を提供
独アウディAGは2025年3月4日(現地時間)、全面改良した新型A6アバント(C9)を本国で発表した。
今回の全面改良で第6世代に移行する新型A6アバントは、ダイナミックなデザインと卓越した空力性能が高度に調和したエクステリアに、広々とした空間と最先端テクノロジーを内包したインテリア、MHEV plusマイルドハイブリッドテクノロジーを組み込んだ2.0TDIおよび3.0TFSIエンジン、スポーティさと快適性が融合したアダプティブエアサスペンションおよびオールホイールステアリングなどを採用して、アウディのアバントの歴史に新たな章を書き加える、高い品格を備えた新世代ワゴンに仕立てたことが特徴である。
まずエクステリアは、無駄を削ぎ落としたデザイン言語による、機能的かつ時間を感じさせないデザインで仕立てたことが訴求点。空力特性も重視し、空気抵抗係数(Cd値)は0.25を実現する。優れた空力性能は、大型のエアカーテンや前面の制御式クーリングインテークに加え、特徴的なルーフスポイラーやリアウィンドウ側面のエアロダイナミクスパネルが大きく貢献。また、スポーティなリアデザインにはアバントらしさを強調する印象的なディフューザーを配備した。さらに、ショルダーラインから力強く張り出したquattro ブリスターとワイドなトレッドにより、ダイナミックさを際立たせる。ロングホイールベースと伸びやかなボンネットによって、エレガントさとスポーティさを演出した点も新型のスタイリングのトピックだ。
▲エクステリアは無駄を削ぎ落としたデザイン言語による、機能的かつ時間を感じさせないデザインで仕立てたことが訴求点。空力特性も重視し、空気抵抗係数(Cd値)は0.25を実現する。全長は従来より60mm長い4990mmに設定
インテリアについては、広々とした空間と最先端テクノロジーを高度に融合させて、ファーストクラスの移動体験を提供する。コクピットにはドライバーオリエンテッドの操作コンセプトを採用し、11.9インチフルデジタルOLEDドライバーディスプレイおよび14.5インチMMIディスプレイで構成するパノラマディスプレイと、10.9インチパッセンジャーディスプレイによって新たな次元のデジタル空間を創出。また、ライティングによるパーソナライゼーションも施し、フロントおよびリアに7種類のデジタルライトシグネチャーを設定した。さらに、快適性を高める先進装備として、開放感のあるキャビン空間を演出するとともに効果的な遮光をスムーズに切り替えるパノラマガラスサンルーフや、フロントヘッドレスト内のスピーカーを含む高精度なサウンドデザインによるBang&Olufsenの3Dプレミアムサウンドシステム、イオナイザーと微粒子センサーを含む空気質オプションが選択できる4ゾーンオートマチックエアコンなどを採用している。
▲コクピットにはドライバーオリエンテッドの操作コンセプトを採用。11.9インチフルデジタルOLEDドライバーディスプレイおよび14.5インチMMIディスプレイで構成するパノラマディスプレイと、10.9インチパッセンジャーディスプレイによって新たな次元のデジタル空間を創出する
注目のパワートレインは、48ボルトMHEV plusマイルドハイブリッドシステムを組み込む“2.0TDI”1968cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルインタークーラー付ターボエンジン(最高出力204ps[150kW]/最大トルク400Nm)と、“3.0TFSI”2994cc・V型6気筒DOHC16V直噴ガソリンVTGターボエンジン(最高出力367ps[270kW]/最大トルク550Nm)を搭載する。MHEV plusシステムは、48Vバッテリー、BAS(ベルト駆動オルタネータースターター)、統合型パワーエレクトロニクスを備えたPTG(パワートレインジェネレーター)という3つの主要コンポーネントで構成し、従来のMHEVシステムと比べてCO2排出量と燃料消費をいっそう低減。PTGはトランスミッションのアウトプットシャフトに接続され、内燃エンジンの出力に最大18kWの電力を追加し、減速時には最大25kWのエネルギーを回生して、高効率な走行性能を実現している。
▲48Vバッテリー、BAS(ベルト駆動オルタネータースターター)、統合型パワーエレクトロニクスを備えたPTG(パワートレインジェネレーター)という3つの主要コンポーネントで構成するMHEV plusシステムを採用。上の画像はMHEV plusシステムを組み込んだ“3.0TFSI”のパワートレイン
シャシー面に関しては、トーションバーやステアリングラック、コントロールアームブッシュなどの改良を図ってステアリングホイールからタイヤまでの剛性を全体的に向上させ、合わせてフロントアクスルのキャンバー角をわずかに増加させてより軽快で精密なハンドリングを実現。また、反応速度を高めたオールホイールステアリングや、車高とダンピングを走行状況に即して調整するアダプティブエアサスペンション、最適なトルク配分を行うquattroスポーツディファレンシャルなどを設定して、スポーティさと快適さを高度に融合させた。
なお、新型A6アバントの本国での受注は本年3月から開始し、ユーザーへの納車は本年5月末からを予定。日本への導入時期などは、遅れてアナウンスする見込みである。