フォルクスワーゲンがエントリーレベルの欧州市場向け電気自動車「ID. EVERY1」コンセプトカーを初公開

フォルクスワーゲンが「ID.2 ALL」より1クラス下のエントリーEV「ID. EVERY1」のコンセプトカーを発表。新世代のモジュラーエレクトリックプラットフォーム(MEB)をベースとする全長3880mmのコンパクトな4ドアハッチバックボディに、最高出力70kWを発生する新開発の電気モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載して前輪を駆動。一充電航続距離は現地モードで250kmあまりを実現。量産バージョンは約2万ユーロのプライスタグを掲げて2027年に発売予定

 独フォルクスワーゲンは2025年3月5日(現地時間)、エントリーレベルの電気自動車「ID. EVERY1(アイディ. エブリイ1)」コンセプトカーを初披露した。

▲フォルクスワーゲンがエントリーレベルの電気自動車「ID. EVERY1」コンセプトカーを発表

▲フォルクスワーゲンがエントリーレベルの電気自動車「ID. EVERY1」コンセプトカーを発表

 すでに公開済みで、2026年に約2万5000ユーロ(約402万円)の価格帯で発売予定の「ID.2 ALL(アイディ.2 オール)」より1クラス下のエントリーEVに位置する「ID. EVERY1」のコンセプトカーは、ヨーロッパで生産し、ヨーロッパ向けに販売する、約2万ユーロ(約322万円)の車両価格を想定した新世代エレクトリックアーバンカーファミリーの1台。スポーティなデザイン、多用途なインテリア、高度なデジタル機能を特徴とした4ドアハッチバックのコンパクトEVで、量産バージョンは2027年の発売を予定している。ちなみに、車名に“EVERY”を冠したのは「これまで以上にカスタマーの希望、関心、好みを車両開発の中心に据えたことを示したかった」からだという。

▲スポーティなデザイン、多用途なインテリア、高度なデジタル機能を特徴とした4ドアハッチバックのコンパクトEVに仕立てる

▲スポーティなデザイン、多用途なインテリア、高度なデジタル機能を特徴とした4ドアハッチバックのコンパクトEVに仕立てる

「ID. EVERY1」コンセプトカーの特徴を紹介していこう。

 まずエクステリアは、新しいフォルクスワーゲンのデザイン言語を精力的に取り入れた、高いカリスマ性とアイデンティティを備えたデザインで仕立てる。具体的には、よりダイナミックな造形のLEDフロントライトや“微笑んでいるように見える”リアなどのディテールなどにより、自信に満ちた外観でありながら好感の持てるスタイリングを創出した。空力特性を重視した前後バンパーやフラッシュフィットタイプのドアハンドル、ルーフから連なるようにアレンジしたリアスポイラーなどを採用して、エアロダイナミクス性能を高めたことも訴求点だ。また、足もとには新形状の19インチアルミホイールと225/40R19サイズのタイヤを装着。さらに、フロントピラー部には“(YOUR)VOLKSWAGEN”ロゴを、リアスポイラーとホイールには“ID. EVERY1”ロゴを配して個性を強調する。ボディ長は実質的な前身モデルである「up!」の3600mmと、「ID. 2all」の4050mmおよび現行「ポロ(Polo)」の4085mmの中間に位置する3880mmに設定した。

▲新しいフォルクスワーゲンのデザイン言語を鋭意導入した、高いカリスマ性とアイデンティティを備えるエクステリアを採用。ボディサイズは全長3880×全幅1816×全高1490mm/ホイールベース2539mmに設定

▲新しいフォルクスワーゲンのデザイン言語を鋭意導入した、高いカリスマ性とアイデンティティを備えるエクステリアを採用。ボディサイズは全長3880×全幅1816×全高1490mm/ホイールベース2539mmに設定

▲よりダイナミックなデザインのLEDフロントライト(写真・上)とLEDリアコンビネーションランプ(同・下)を配備

▲よりダイナミックなデザインのLEDフロントライト(写真・上)とLEDリアコンビネーションランプ(同・下)を配備

▲フロントピラー部には“(YOUR)VOLKSWAGEN”ロゴを入れる

▲フロントピラー部には“(YOUR)VOLKSWAGEN”ロゴを入れる

▲ルーフから連なるようにアレンジしたリアスポイラーを装着。上部には“ID. EVERY1”ロゴを配する

▲ルーフから連なるようにアレンジしたリアスポイラーを装着。上部には“ID. EVERY1”ロゴを配する

▲足もとには新形状の19インチアルミホイールと225/40R19サイズのタイヤを装着

▲足もとには新形状の19インチアルミホイールと225/40R19サイズのタイヤを装着

 内包するインテリアは、水平基調のインパネに上下をフラット化した2スポークマルチファンクションステアリングホイール、高解像度かつ大画面のセンタータッチパネルディスプレイなどを配備するとともに、ハイコントラストなカラーリングを採用して、先進的かつスマートなコクピットを創出。主要マテリアルにはペットボトルなどからリサイクルしたサスティナブルな素材を使用する。クラシックなデザインで、しかも機能性に富む新造形のセンターコンソールを配備したことも特徴だ。また、新しく高性能なソフトウェアアーキテクチャーにより、車両を所有し続けるあいだ、随時ソフトウェアの更新とアップグレードを可能としている。

▲水平基調のインパネに上下をフラット化した2スポークマルチファンクションステアリングホイール、高解像度かつ大画面のセンタータッチパネルディスプレイなどを配備。新開発のソフトウェアアーキテクチャーにより、随時ソフトウェアの更新とアップグレードを可能とする

▲水平基調のインパネに上下をフラット化した2スポークマルチファンクションステアリングホイール、高解像度かつ大画面のセンタータッチパネルディスプレイなどを配備。新開発のソフトウェアアーキテクチャーにより、随時ソフトウェアの更新とアップグレードを可能とする

▲クラシックなデザインで、かつ機能性に富む新形状のセンターコンソールを装着

▲クラシックなデザインで、かつ機能性に富む新形状のセンターコンソールを装着

 

 乗車定員を4名としたキャビン空間については、エルゴノミックな新設計のフロントシートと、シートバック分割可倒機構を内蔵したリアシートで構成。フロントシートバックのフォールドダウンも可能で、乗車人数や積載荷物の形状などに即して多様にアレンジすることができる。ラゲッジ容量自体は後席使用時で305リットルを確保した。

▲エルゴノミックな新設計のフロントシートと、シートバック分割可倒機構を内蔵したリアシートを採用。乗車定員は4名

▲エルゴノミックな新設計のフロントシートと、シートバック分割可倒機構を内蔵したリアシートを採用。乗車定員は4名

▲ラゲッジスペースは後席使用時で305リットルの容量を確保。前後席ともにシートバックのフォールドダウン機構を内蔵する

▲ラゲッジスペースは後席使用時で305リットルの容量を確保。前後席ともにシートバックのフォールドダウン機構を内蔵する

 基本骨格に関しては新世代のモジュラーエレクトリックプラットフォーム(MEB)をベースとし、ここに最高出力70kW(95ps)を発生する新開発の電気モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載して前輪を駆動する。性能面では、最高速度が130km/h、航続距離が欧州WLTPモードで250kmあまりを実現した。

▲パワートレインには最高出力70kW(95ps)を発生する新開発の電気モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載して前輪を駆動。一充電航続距離は欧州WLTPモードで250kmあまりを実現

▲パワートレインには最高出力70kW(95ps)を発生する新開発の電気モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載して前輪を駆動。一充電航続距離は欧州WLTPモードで250kmあまりを実現

 なお、フォルクスワーゲンは2027年までに量産型の「ID.2 ALL」と「ID. EVERY1」という電気自動車を含む9つのニューモデルを市場に放つと予告している。

▲「ID. EVERY1」の量産バージョンは約2万ユーロ(約322万円)の車両価格を掲げて2027年に発売する予定

▲「ID. EVERY1」の量産バージョンは約2万ユーロ(約322万円)の車両価格を掲げて2027年に発売する予定

 

 

SNSでフォローする