モーガンが車名に「スーパースポーツ」を冠した新型6気筒フラッグシップモデルを日本で発売。従来のプラットフォームの進化版となるアルミニウム製プラットフォーム「CXV」に、モーガンの造形哲学と先進性を高度に融合させた内外装デザインを採用。トップにはモヘア製ソフトトップとカーボンコンポジット製ハードトップを設定。パワートレインは最高出力340ps/最大トルク500Nmを発生する専用チューニングのBMW製3リットル6気筒ターボエンジンに、ZF製8速オートマチックギアボックスを組み合わせて搭載。性能面では最高速度267km/h、0→100km/h加速3.9秒を発揮
英国モーガンカーズの正規輸入総代理店であるエスシーアイ株式会社(モーガンカーズ・ジャパン)は2025年4月4日、新型フラッグシップモデルの「スーパースポーツ(SUPERSPORT)」を日本で発売した。車両価格は2310万円に設定。デリバリー開始は本年秋頃を予定している。
▲モーガン・スーパースポーツ 価格:2310万円 全長4110×全幅1805×全高1290mm ホイールベース2520mm 車重1170kg 乗車定員2名 モーガンの新世代フラッグシップスポーツが日本上陸
本年3月11日にピッカースレイ・ロードに居を構えるモーガンの象徴的な赤レンガ造りの工場とオランダのローマン博物館にて催されたライブイベントにおいてワールドプレミアを果たした新フラッグシップモデルのモーガン・スーパースポーツは、ダイナミックなパフォーマンスと現代的でありながら紛れもないモーガン哲学のデザインの見事な融合を体現したことが特徴である。
エクステリアについては、モーガンのタイムレスなシルエットを現代的に踏襲したうえで、ひと目でモーガンとわかるミニマリストな新進のデザインを採用する。フロント部はLED化したうえでウィンカー機能を組み込んだ円形ヘッドランプに、ブラックの馬蹄形メッシュグリル、空力特性と冷却性能を高めた新造形のバンパーなどを配して、伝統と先進が高度に融合したマスクを創出。一方でサイドビューは、従来のプラスシックスより拡幅したフロントのフレアフェンダーや後端へと流麗に流れるリアのフェンダー、新デザインで1本当たり9.7kgの19インチAerolite鍛造アロイホイール(オプション。標準は1本当たり10.8kgの18インチSuperliteアロイホイール)などによって、モダンクラシックなフォルムに仕立てる。また、取り外し可能なサイドスクリーンには脱着を簡易化した新開発のマウントシステムを導入。室内のドアラッチを使ってロックを解除し、前方に押すとサイドスクリーンが持ち上がる構造に刷新した。窓枠を配するアッパーセクションはアルミニウム製で、サテンシルバー仕上げとサテングレー仕上げの2種類を用意。下部のファブリックは、ルーフカラーと合わせてコーディネートできる。そしてリアセクションは、フロントと同様にウィンカー機能を組み込んだ円形LEDコンビネーションランプや左右のランプから連なるガーニッシュパネル、アンダースポイラー内に巧みに組み込んだ2本出しのバンバーなどを配備して、印象的かつ存在感あふれる後ろ姿を具現化した。肝心のトップ部は、フードカバー付きのモヘア製ソフトトップを標準で装備し、オプションで19.7kgという軽さと大きな曲面ガラスのリアスクリーンによる優れた後方視界を実現したカーボンコンポジット製ハードトップ(ブラックのモヘア製ソフトトップも付属)を設定。ソフトトップのカラーはブラック/グリーン/ブルー/グレー/ベージュ/マルーン/ブラウンから選択でき、一方でハードトップはボディカラーと同色で塗装している。
エアロダイナミクス性能を高めた点も見逃せない。最新の数値流体力学(CFD)技術を活用したフォルムを採用し、新形状のアンダーボディとの相乗効果で、従来のプラスシックスより空気抵抗を5%、揚力を20%低減する。ボディサイズは全長4110×全幅1805×全高1290mm、ホイールベース2520mm、前後トレッド1500×1512mmに設定。車重は1170kgに抑えた。
▲フロントと同様にウィンカー機能を組み込んだ円形LEDコンビネーションランプや左右のランプから連なるガーニッシュパネル、アンダースポイラー内に巧みに組み込んだ2本出しのバンバーなどを配備して、印象的かつ存在感あふれる後ろ姿を実現
インテリアについても、モーガンの伝統的な意匠と先進性を巧みに調和させる。1枚板でまとめたインストルメントパネルには、ドライバー前にインフォメーションディスプレイと水温計および燃料計を、センター部に回転計/速度計/時計とスタートボタンおよび空調スイッチなどを配備。パネル自体はマットシルバーペイント(艶消し)を標準で、グロスブラックペイント(光沢)/グロスボディカラーペイント(光沢)/マットボディカラーペイント(艶消し)をオプションで設定する。また、コクピットのウッドフィニッシュはナチュラルグロスフィニッシュのアッシュを標準で採用し、レイブングロスフィニッシュのアッシュも選択可。オプションとして、トーニーグロスフィニッシュやブラウンベルベットグロスフィニッシュのアッシュ、ウォルナット、バービンガ、ゼブラーノ、バーチ&アルミニウム、ウォルナット&アルミニウム、スポークインモーションマルケトリーも用意した。内装のトリムはペブルブラックレザー/グレーテキスタイルの2トーンを標準で、ペブルブリティッシュブルーレザー/ブルーテキスタイルやソフトアイボリーレザー/アイボリーテキスタイルなどの2トーン、ペブルグレインレザー、ソフトグレインレザーをオプションで設定する。一方、シートについてはホリゾンタルステッチを配したレザー表皮を標準で採用し、オプションでキルトツインニードルステッチやスクエアボックスステッチも選択可。ヒーテッドシートやコンフォートプラスシート(ステンレスリクライニングレバー、サイド/腿ボルスターへの空気圧調整機能追加)などもオプションで用意する。そして積載性の面では、リモートキーでゲートを施錠/解錠できるラゲッジスペースを新たに採用。ラゲッジラックプリイクイップメントパックはオプションで設定した。
機能装備の強化を図ったことも注目点。オプションのゼンハイザープレミアムオーディオシステムにはダッシュボードとシャシーに軽量で効率的なアクチュエーターを配し、ドライビングエクスペリエンスにマッチした高いダイナミックレンジとラウドネスレベルを特徴とするハイファイオーディオ体験を提供する。また、オプションのコネクティビティパックにはセンターコンソールの収納トレイに設置したワイヤレス充電と、ダッシュボードとインジケーターストークのコントロールを使って操作するハンズフリー通話を採用。目立たないように収められた3つのマイクは、ビームフォーミング技術を利用して特定の音源に焦点を当ててバックグラウンドノイズを低減し、さらにアクティブノイズキャンセリングとエコーキャンセリングのアルゴリズムを採用したアンプと組み合わせることで、ル ーフを下げた状態でも明瞭な通話を可能とした。
▲モーガンの伝統的な意匠と先進性を巧みに調和させたインテリア。1枚板でまとめたインストルメントパネルには、ドライバー前にインフォメーションディスプレイと水温計および燃料計を、センター部に回転計/速度計/時計とスタートボタンおよび空調スイッチなどを配備する
基本骨格に関しては、従来のCXプラットフォームの進化版となるアルミニウム製プラットフォーム「CXV」を採用する。プラットフォーム重量は102kgに抑え、また従来のCX比でねじり剛性を10%向上(ハードトップ装着時はさらに10%向上)させた。一方、懸架機構には大幅なセッティング変更を図った前後ダブルウィッシュボーン式サスペンション+アンチロールバーを採用。タイヤは前235/45/後255/45ZR18または前235/40/後255/40ZR19サイズのミシュランPILOT SPORT 5を装着する。また、操舵機構にはシャフトの取り回しを見直した新しいステアリングシステムを配備。フィードバックを改善するとともに、ステアリングスピードを13%向上させた。オプションとして、NITRON製の前後アジャスタブルダンパーを配したダイナミックハンドリングパックも用意している。
パワーユニットには最高出力340ps/6500rpm、最大トルク500Nm/1250rpmを発生する専用チューニングのBMW製“B58”2998cc直列6気筒DOHC直噴ガソリンツインパワーターボエンジンを搭載。トランスミッションにはZF製8速オートマチックギアボックスを組み合わせて、後輪を駆動する。性能面では最高速度267km/h、0→100km/h加速3.9秒を実現。駆動力を高めるLSDは、オプションで選択可能である。
▲パワーユニットには最高出力340ps/6500rpm、最大トルク500Nm/1250rpmを発生する専用チューニングのBMW製“B58”2998cc直列6気筒DOHC直噴ガソリンツインパワーターボエンジンを搭載