ロールス・ロイスが最高峰ラグジュアリーサルーンのファントムをベースとしたビスポークモデル「チェリー・ブロッサム」を発表。日本の“花見”から着想した桜をモチーフとする刺繍を入れたスターライトヘッドライナーや、舞い散っていく桜の花びらの刺繍を施したキャビン空間、3Dで表現した桜の花びら刺繍など、25万針を超えるステッチと6カ月もの開発期間を経て実現した特別なインテリアを採用
英国ロールス・ロイス・モーター・カーズは2025年4月2日(現地時間)、最高峰ラグジュアリーサルーンのファントム(PHANTOM)をベースとしたビスポークモデル「チェリー・ブロッサム(Cherry Blossom)」を発表した。
▲ロールス・ロイスが最高峰ラグジュアリーサルーンのファントムのエクステンデッドをベースとするビスポークモデル「チェリー・ブロッサム」を公開。日本の春の風物詩“花見”からインスピレーションを受けて、「桜の花のはかない美しさと、桜にまつわる思い出」を巧みに表現する
今回発表されたファントム・チェリー・ブロッサムは、パワートレインに6.75リットルV12ツインターボエンジンを搭載するファントムのエクステンデッド(EXTENDED)をベースに、ロールス・ロイスのビスポーク部門が日本の春の風物詩“花見”からインスピレーションを受けて、「桜の花のはかない美しさと、桜にまつわる思い出」を表現したことが特徴。顧客は日本人で、美しい自然の姿を自身の1台に再現し、家族で分かち合うことを希望して発注したという。なお、デザインの構想は3年前に始まり、また後述する刺繍については6カ月もの開発期間を経て実現したそうだ。
最大のトピックは、室内空間の特別な演出にある。ビスポークのスターライトヘッドライナーには、繊細な色合いで満開の桜の花をちりばめた枝を刺繍し、その舞い散る花びらが照明によって宝石のようなきらめきを放つ。また、花びらの刺繍はリアシートや後部のドアパネルのほか、前部座席と後部座席を隔てるプライバシースイートのパーティションにもあしらい、ステッチの総数は25万針を超えるという。さらに、桜の木の豊かな質感は日本の伝統的な技術の畳織りから着想を得た刺繍で具現化。そして、インテリアの仕上げとしてロールス・ロイスで初めて3Dで刺繍した桜の花びらを施し、触感のある立体的なディテールによって他の花びら刺繍との印象的なコントラストを生成した。ほかにも、ドア内に格納したビスポークの傘の生地の内側にも、舞い落ちる花びらのモチーフを配している。
花見のテーマは、エクステリアにも巧みに反映される。ボディカラーにはアークティックホワイトにクリスタルを重ねた塗装を採用。ここに、後部座席のドアの中ほどまで優雅に流れて細くなる特徴的なコーチラインを手描きで施し、合わせて繊細な桜の花をモチーフとするイラストを効果的に添えた。