BYDが日本導入モデルの電気自動車の第4弾「シーライオン7」の販売を開始。グレードは後輪駆動モデルのシーライオン7と、四輪駆動モデルのシーライオン7 AWDの2タイプで構成。一充電走行距離はWLTCモードでシーライオン7が590km、シーライオン7 AWDが540kmを実現。車両価格はシーライオン7が495万円、シーライオン7 AWDが572万円に設定
BYD Autoジャパンは2025年4月15日、クロスオーバーSUVスタイルの電気自動車「シーライオン7(SEALION 7)」を日本で発売した。
車種展開および車両価格は以下の通り。
シーライオン7:495万円
シーライオン7 AWD:572万円
なお、シーライオン7は本年3月15日に事前予約を開始したが、累計の受注台数は約1カ月間で100台超を記録したという。
▲BYDシーライオン7 価格:495万円 全長4830×全幅1925×全高1620mm ホイールベース2930mm 車重2230kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)590km 交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km
改めてシーライオン7の特徴を紹介していこう。BYDの日本導入モデルの電気自動車として第4弾となる「シーライオン7」は、エレガントなクロスオーバーSUVスタイルに、数多くの先進機能と充実した装備を満載したことが特徴。車名のシーライオンは“アシカ(海獅)”を意味し、既存のドルフィン=イルカ(海豚)やシール=アザラシ(海豹)に続く海洋シリーズに位置している。
▲BYDシーライオン7 AWD 価格:572万円 全長4830×全幅1925×全高1620mm ホイールベース2930mm 車重2340kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)540km 交流電力量消費率(WLTCモード)177Wh/km
エクステリアについては、クーペとSUVを流麗かつエレガントに融合した新進のクロスオーバースタイルに仕立てる。各部のデザインにもこだわり、フロント部には海洋シリーズの特徴である“Ocean X Face(オーシャン・エックス・フェイス)”を採用。既存のe-スポーツセダンであるシール(SEAL)と同じくシャープな造形のLEDヘッドライトおよびLEDデイタイムランニングライトを装備し、精悍かつ存在感あふれるマスクを創出する。一方でサイドビューは、フロントからリアに走るダブルウエストラインで空と海の境界線を表現し、合わせて走行中は格納されるドアハンドルを配して、滑らかなボディのアウタースキンをよりいっそう引き立てる。また、ルーフは後端に向けて穏やかに傾斜するクーペスタイルで形成し、リアゲートにはダックテール型のリアスポイラーを装着。その結果、空気抵抗係数(Cd値)は背の高いSUVでありながら0.28の好数値を実現した。足もとにはシーライオン7が19インチバイカラーアルミホイール+前235/50/後255/45R19タイヤを、シーライオン7 AWDが20インチバイカラーアルミホイール+245/45R20タイヤを組み込む。そしてリアセクションは、ボディ側面のプレスラインから続くように貫通式のLEDコンビネーションランプを配し、あたかも広大な海原の水平線のような美しさを表現。また、大きな開口部を有するハッチゲートを配し、荷室容量は後席使用時で500リットル、後席格納時で最大1789リットルを確保する。フロントフード下にも容量58リットルの荷室スペースを設置した。ボディカラーはアトランティスグレー、シャークグレー、オーロラホワイト、コスモスブラックという計4色をラインアップ。ボディサイズは全長4830×全幅1925×全高1620mm/ホイールベース2930mmに設定し、車重はシーライオン7が2230kg、シーライオン7 AWDが2340kgに仕立てている。
インテリアに関しては、ロングホイールベースを活かした5名乗りの広いキャビン空間を創出したうえで、10.25インチフルTFT LCDメーターディスプレイおよびヘッドアップディスプレイや、電動回転式の15.6インチタッチスクリーンなどを配した先進のコクピットを採用する。インフォテインメントシステムには新たに7nm(ナノメートル)の車載用高性能チップ(8155チップ)を搭載し、多くの機能がさらに見やすく、使いやすくアレンジ。例えばタッチスクリーンのホーム画面から窓やドアミラーの開閉、チャイルドロックの施錠および開錠、シート関連の操作画面などにワンタップで切り替わり、操作することができる。指一本で電動シェードを自由に調整することも可能だ。また、新機能としてスマートフォンまたはスマートウォッチのウォレットにNFCカードを追加することができ、これを経由して鍵の施錠および開錠やイグニッションONができる。一方、トリムにはヴィーガンレザーを多用した内装材を配するとともに、プレミアムキルティングナッパレザー表皮のシートなどを配備して、ラグジュアリーかつ快適性に富むインテリアを具現化。また、前席には電動調整機構やシートヒーター・シートベンチレーションを、後席にはシートヒーターを内蔵する。機能装備も充実しており、Apple CarPlay/Android Auto(ワイヤレス)対応やDynaudio Hi-Fiオーディオスピーカー(12個)、BYDインテリジェント音声制御機能、オンラインナビゲーション、USBポート(前後席Type-A×1/Type-C×1)、OTA(Over The Air)、スマホワイヤレス充電(Qi)、マルチカラーアンビエントライト、PM2.5空気清浄システム/PM2.5高性能フィルター(CN95)、マイナスイオン発生機などを標準で組み込んだ。ハンドル位置は右のみを用意。内装色にはタウマスブラック(Thaumas Black)を採用している。
▲10.25インチフルTFT LCDメーターディスプレイおよびヘッドアップディスプレイや、電動回転式の15.6インチタッチスクリーンなどを配した先進のコクピットを採用。日本導入モデルのハンドル位置は右
注目のパワートレインは、シーライオン7がリアに最高出力230kW(312ps)/最大トルク380Nmを発生する永久磁石同期モーターおよびバッテリーマネジメントシステムなどを含む「8in1パワーシステムアッセンブリー」を搭載して後輪を駆動し、一方でシーライオン7 AWDは前述のユニットに最高出力160kW(217ps)/最大トルク310Nmを発生するフロントのかご形三相誘導モーターを配して4輪を駆動する。2車種ともに総電力量82.56kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー、高効率ヒートポンプシステムを組み合わせ、基本骨格には最新のe-Platform3.0をベースとした「CTB(Cell to Body)」を採用した。また、シーライオン7 AWDにはBYDが独自に開発したインテリジェンス・トルク・アダプテーション・コントロール(iTAC:アイタック)を装備。走行状況に応じて前後のモーターを0.022秒という微小の回転角度でスリップレートを検知、制御することで、よりスムーズかつ安定した走りを実現している。
▲パワートレインはシーライオン7が最高出力230kW(312ps)/最大トルク380Nmを発生するリア永久磁石同期モーターおよびバッテリーマネジメントシステムなどを含む「8in1パワーシステムアッセンブリー」を、シーライオン7 AWDが前述のユニットに最高出力160kW(217ps)/最大トルク310Nmを発生するフロントのかご形三相誘導モーターを搭載
一充電走行距離および交流電力量消費率はWLTCモードでシーライオン7が590km、161Wh/km、シーライオン7 AWDが540km、177Wh/kmを達成する。また、充電時の車両側の最大受入容量は105kWを確保。バッテリーの冷却や加温するバッテリー温度管理システムのほか、新たに「充電予熱機能」を組み込み、とくに低い温度環境下でも安定した充電を可能とする。充電自体はAC普通充電(200V家庭用充電ケーブル付属)とDC急速充電(CHAdeMO/105kW)に対応させ、V2L(Vehicle to Load)機能とV2H(Vehicle to Home)機能も配備した。
ボディに関しては、BYDのグループ企業である日本のTATEBAYASHI MOULDINGが製作した高精度な各種金型を使った高剛性ボディを採用。シャシーには前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式サスペンションとFSD (Frequency Selective Damping) ショックアブソーバーで構成するアドバンスドサスペンションシステムを採用して、優れた乗り心地とハンドリングを実現する。また、回生ブレーキシステムを組み込む制動機構は前後ともにベンチレーテッドディスクブレーキで構成し、フロントにはドリルドディスクを装備した。
▲前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式サスペンションとFSD (Frequency Selective Damping) ショックアブソーバーで構成するアドバンスドサスペンションシステムを採用して、優れた乗り心地とハンドリングを実現
先進安全運転支援システムの充実ぶりも見逃せない。既存のシールなどと同様、アダプティブクルーズコントロール(ACC)と交通標識認識システム(TSR)を組み合わせたインテリジェントスピードリミットコントロール(ISLC)や自動緊急ブレーキ(AEB)、緊急時車線維持支援(ELKA)、ナビゲーションパイロット(ICC)、フロント&リアクロストラフィックアラート(F&RCTA)およびフロント&リアクロストラフィックブレーキ(F&RCTB)、ブラインドスポットインフォメーション(BSD)、幼児置き去り検知(CPD)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置(AMAP)などを採用したほか、新たな機能としてドライバーモニタリングシステム(DMS)、サラウンディングリアリティ、アラウンドビューモニターを標準で装備している。
なお、シーライオン7を本年6月30日までに成約して登録を完了したユーザーには、人気アイテム3点、ETC車載器、ドライブレコーダー、選べる特典(ACタイプV2Lアダプター/車載カラオケマイク/ブレードバッテリーSoH延長保証)を無償でプレゼントするという。