レクサスが上級サルーンの新型ESを発表。次世代BEVコンセプト「LF-ZC」に着想を得たレクサスの新しいデザイン言語を採用するとともに、ゆとりある後席を実現するパッケージと最新技術がすべての乗員に上質で快適な室内体験を提供。車種展開は2.0L直列4気筒ハイブリッドシステム(145kW)と2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(148kW)を搭載するES300hの2WD(FF)とAWD、新2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(182kW)を搭載するES350hの2WD(FF)とAWDというHEVモデル、システム総出力165kWを発生する2WD(FF)のES350e、同252kWを発生するAWDのES500eというBEV(バッテリーEV)を設定
トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは2025年4月23日、第8世代に移行した上級サルーンの新型ESを上海モーターショー2025の舞台で世界初公開した。
▲レクサスが第8世代に移行した上級サルーンの新型ESを初公開。“Experience Elegance and Electrified Sedan”をコンセプトに掲げ、静粛性と乗り心地をさらに向上させるとともに、ユーザーのニーズに寄り添い、あらゆるシーンで上質な移動体験を提供するセダンを目指して開発される
新型ESは、レクサスの次世代電動車ラインアップの先陣を切るモデルとして全面刷新。“Experience Elegance and Electrified Sedan”をコンセプトに掲げ、静粛性と乗り心地をさらに向上させるとともに、ユーザーのニーズに寄り添い、あらゆるシーンで上質な移動体験を提供するセダンを目指して開発される。主な特長としては、①機能的本質や動的性能に根ざしたプロポーションと独自性の追求、②静粛性と乗り心地の継承と、走りの深化、③レクサスらしい世界観を体現する最新技術、④より安全・安心なドライブに寄与する先進安全技術、といった内容を具現化した。
Lexus Internationalの千足浩平チーフエンジニアは、「新型ESでは、セダンの概念をアップグレードすることを目指しました。セダンはエンジンルーム/モータールーム、居住空間、トランクの3つの箱で構成されており、高いボディ剛性と低重心を実現する工学的な合理性を備えています。これにより実現する、優れた乗り心地や操縦安定性、静粛性に大きな魅力があります。さらに、新型ESではセダンの優位性を活かし、デザインとパッケージの工夫で機能に根ざした流麗なフォルムと広い居住空間の両立を目指しました。新たに開発したTNGAプラットフォーム(GA-K)により、HEV、BEV(バッテリーEV)の多様な電動車の選択肢を顧客に提供することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。ほかにも、さまざまな最新技術を積極的に採用し全面刷新することで、これまでのレクサスのセダンにはない新しい体験を造り上げています」とコメント。また、「開発現場では、企画やデザイン、設計・評価などの機能が一堂に会する“トヨタテクニカルセンター下山(TTC-S)”で、何度もトライ&エラーを繰り返し、多岐にわたる課題を1つひとつ解決していきました。開発に関わった全員の集大成として完成させたのが、今回の新型ESです。次世代レクサスの幕開けを象徴し、上質な体験を提供する新型ESを、ぜひともご期待ください」とアピールした。
なお、車種展開としては2.0L直列4気筒ハイブリッドシステム(145kW)と2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(148kW)を搭載するES300hの2WD(FF)とAWD、新2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(182kW)を搭載するES350hの2WD(FF)とAWDというHEVモデル、システム総出力165kWを発生する2WD(FF)のES350e、同252kWを発生するAWDのES500eというBEVを設定している。
▲車種展開は2.0L直列4気筒ハイブリッドシステム(145kW)と2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(148kW)を搭載するES300h、新2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(182kW)を搭載するES350hというHEVモデル、システム総出力165kWを発生する2WD(FF)のES350e、同252kWを発生するAWDのES500eというBEVで構成。写真はES350e
デザインについては、“Clean Tech×Elegance”をテーマに掲げ、これまで積み重ねてきたESらしいエレガントなデザインをより磨き上げるとともに、ESが生み出す機能的価値と情緒的価値を高い次元で融合させて、シンプルでクリーンな世界観を創造する。エクステリアは次世代BEV コンセプト「LF-ZC」のテーマである、挑発的な存在感と研ぎ澄まされたシンプルなデザインを意味する“Provocative Simplicity”に着想を得て、床下へのバッテリー搭載と室内の居住性を両立させる全高をベースに、セダンが最も美しく見えるプロポーションを追求して、電動化にふさわしい新世代のスピンドルボディを実現。具体的には、トランクレスな印象の流麗なフォルム、リアへと強く絞り込まれたキャビン、大胆な平面立体 嵌合をテーマとするロアボディを特徴とし、タイヤの存在感を際立たせた力強いスタンスとダイナミックで切れ味のある佇まいを有するプロポーションを構築する。、セダンにおいて重要なタイヤ位置についても1mm単位で調整することで、ワイド&ロースタンスを実現したことも訴求点だ。ボディサイズは従来比で165mm長く、55mm幅広く、110~115mm高く、ホイールベースが80mm長い全長5140×全幅1920×全高1555~1560mm、ホイールベース2950mmに設定している。
▲エクステリアは次世代BEV コンセプト「LF-ZC」(写真)のテーマである、挑発的な存在感と研ぎ澄まされたシンプルなデザインを意味する“Provocative Simplicity”に着想を得て、床下へのバッテリー搭載と室内の居住性を両立させる全高をベースに、セダンが最も美しく見えるプロポーションを追求。電動化にふさわしい新世代のスピンドルボディを具現化する
各部のデザインにも徹底してこだわる。フロント部は、正面でのスピンドルの造形に加え、フード面からバンパーコーナーまでを包括するエッジの効いたスピンドル形状を表現し、レクサスの独自性をさらに進化。低いノーズからはじまるスピンドルボディとセダンらしい水平軸のフェンダーとの高低差によって、大胆で低く構えた独創的な印象を創出する。また、HEVモデルでは冷却性能の確保のためにアッパー部に薄型のグリルを配備した。さらに、次世代の新しいデザインアイコンとして“ツインLシグネチャーランプ”を装備。内向きのデイタイムランニングランプと外向きのターンランプを組み合わせ、レクサスのオリジナリティをさらに向上させるとともに、ターンランプとして視覚的な機能性を高めている。
サイドビューでは全高の高さを感じさせずに引き締まった印象を持たせる平面立体嵌合により、リフトアップ感と低重心なプロポーションを高次元で両立させる。また、空力性能に寄与する張り出したショルダーと、トランクレスな印象を持たせるワンモーションシルエットによって、力強いスタンスを表現した。足もとには新デザインの18インチ、19インチ、2種類の21インチアルミホイールを設定している。
リアセクションは、一目でレクサスと認識できる新しいデザインアイコン“リアLシグネチャーランプ”を組み込んだことがトピックだ。LEXUSの発光ロゴと一体化した一文字のランプからテールランプ、ストップランプ以外の機能を外に配置して統合。車両外側の低い位置に設定することで、ボディの絞りを強調しながらワイドスタンスを表現するとともに、空力性能の向上にも貢献するデザインに仕立てている。
ボディカラーについては、新色を含む7色を設定。ビジネスからプライベートまで、様々な利用シーンに映えるカラーラインアップを提供する。なかでも新色の「SOU(蒼)」は、BEVのクリーンなイメージを強調する、ブルーエフェクトがハイライトに現れるソリッドライクカラーに仕上げた。
内包するインテリアは、時の移ろいや環境変化の中で、その時々の美しさを感じられる日本ならではの美意識を表したレクサスの思想“Time in Design”から生まれた“Time is Luxury”の概念のもとに開発する。具体的には、車内空間をリビングのように使えるよう、クルマと過ごす時間が心地よく、良い時間になることを重視。造形美というハード面のデザインに加え、光や音などソフト面の開発にも注力し、人の感性に寄り添う空間を創出することで、室内で過ごすより豊かな時間を提供する。
▲インテリアは時の移ろいや環境変化の中で、その時々の美しさを感じられる日本ならではの美意識を表したレクサスの思想“Time in Design”から生まれた“Time is Luxury”をテーマにデザインする
コクピットについては、12.3インチの異形液晶メーターを採用するとともにメーターフードの高さを低く抑え、スムーズな視線移動とオープンな雰囲気を創出。質感を高める特殊コーティングを施したうえでスエード素材と光の演出の組み合わせより、レクサスのコクピット思想「Tazuna Concept」をより深化させたこともアピールポイントだ。また、センター部には大画面のインフォメーションディスプレイを配備。多様な機能を見やすく、かつ扱いやすく表示する。助手席の乗員をカバーするダブルモニターも設定した。インストルメントパネルのオーナメント加飾の演出も見逃せない。バンブーをモチーフにのびやかで奥行のあるレイヤーパターンを立体印刷技術で再現した「Bamboo Layering」、シンプルでクリーンな世界観を際立たせる「Modern Bamboo」、精緻で繊密な幾何学パターンでモダンな空間を演出する「Micro Geometric」を設定。また、ドアトリムでは印刷、透過技術を駆使し光・音・香りと連動した面発光加飾や、緻密でシャープなエンボスパターンとアンビエントによりシンプルでクリーンな世界観を際立たせる「Synthetic Leather Embossing」を初採用した。さらに、Mark Levinson Surrounding Systemのスピーカー配置の最適化により、立体的な音場を実現するとともに、音と光に包まれる空間を生成している。
▲コクピットには12.3インチの異形液晶メーターを採用するとともにメーターフードの高さを低く抑え、スムーズな視線移動とオープンな雰囲気を創出。質感を高める特殊コーティングを施したうえでスエード素材と光の演出の組み合わせより、レクサスのコクピット思想「Tazuna Concept」をより深化させたことも特徴
スイッチの設計においても、人の感性に寄り添うことにこだわる。頭上付近やドアのスイッチには、直感的な操作をしやすいように物理スイッチを配備。一方、ステアリングやインストルメントパネル部には新開発した「Responsive Hidden Switches(レスポンシブヒドゥンスイッチ)」を採用し、スイッチとして優れた機能性や操作性を有しながら、シンプルでクリーンな室内空間を創出する。Responsive Hidden Switchesは、人の操作をさりげなく支えることに重点を置き、人の感覚や感性に寄り添う日本の美意識であるおもてなしの心を、テクノロジーを全面に出さないスッキリとしたデザインで表現した世界初の物理スイッチ。物理スイッチを内装に同化させるデザインが、シンプルな室内空間を形成する。また、手をかざすことで機能アイコンが点灯する無から有に移ろう感覚は、機能表示と素材の融合という新しい体験価値を提供。アイコンは機能ごとにレイアウトされ、必要なスイッチを選びやすいよう配慮した。
▲インストルメントパネル部には新開発した「Responsive Hidden Switches」を装備。手をかざすことで機能アイコンが点灯する無(写真・上)から有(同・下)に移ろう感覚は、機能表示と素材の融合という新しい体験価値を提供する
キャビン空間自体は、セダンとして優れたパッケージの実現を目指して開発する。プラットフォームの設計段階から骨格を見直し、従来型より全長を165mm、ホイールベースを80mm延長し、広々とした室内スペースを確保。また、着座位置を高く設定することで、乗降性を向上させるとともに、視点の高さがもたらす見晴らしも確保する。さらに、室内空間を構成するシートやトリムなどをできる限り薄型とし、フロントやサイドのウィンドウ枠下端を低くしガラス面積を大きくすることで、乗員が開放感を得られるようアレンジした。
機能装備としては、助手席にオットマンやバニティミラー、ダブルモニターを設定。一方でリア席には、シートクッションに内蔵するエアブラダーが大腿部から背中までを押圧するリラクゼーション機能を搭載し、さらにリクライニング、オットマンや助手席の大前倒しにより、いっそう広がり感のある空間を創出するパッケージを用意している。
また、すべての乗員に自宅のリビングルームのようにくつろげる空間を提供する「Sensory Concierge(センサリーコンシェルジュ)」を設定する。空間と演出で魅了する世界感“パフォーミングアーツ”をコンセプトに、レクサス独自の体験価値を追求。イルミネーション、音楽、マルチメディア動画、空調、シートバックとシートクッションに内蔵するエアブラダーが大腿部から背中までを押圧するリラクゼーション機能やヒーターが連動し、乗員の気持ちに寄り添う3つのモードで、乗員をリラックスさせたり、高揚させたりする車内空間を提供する。モードはエキゾチックで刺激的な鼓動で気持ちの高揚をサポートするINSPIRE(インスパイア)、反射と揺らめきが交差する冴えた空間で集中をサポートするRADIANCE(ラディエンス)、優しい自然の循環をイメージした雰囲気でリラックスをサポートするREVITALIZE(リバイタライズ)から選択可能だ。
さらに、レクサスのシグネチャーアイテムであるバンブーを要所に取り入れたフレグランスを初導入。“Time in Design”の思想と自然から感じ取る感性を表現する5つの香り、具体的にはあたたかい自然の光に包まれたウッディアロマティックの天光(TENKO)、深い森の中で広がるスモーキーグリーンの恵風(KEIFU)、春の陽あふれるのどかでやさしいホワイトフローラルの青陽(SEIYO)、深い夜の静粛に漂う神秘的で柔らかなムスクの半夜(HANYA)、夜明けにはじまりを予感させる清らかなシトラスの晨明(SHINMEI)を用意する。各フレグランスにはオリジナルのマルチメディア動画、音楽、イルミネーションが連動し、視覚や音と一緒に楽しむことが可能。また、すべての香りにバンブーアコードを用いたほか、フレグランスを収める専用カートリッジには樹脂に粉砕した竹を混ぜ込んだForged bamboを採用する。カートリッジもバンブーからインスピレーションしてデザイン。グローブボックス内に設置した発生器には3種類の専用カートリッジが搭載でき、インストルメントパネル奥のスピーカーグリル部から香りを発生させる。
開放的な空間づくりに寄与するパノラマルーフも設定する。パノラマルーフには乗員のニーズに応じて瞬時に遮光できる調光機能付を採用。ルーフセンターリインフォースメントを廃止し、開口幅を極限まで広げ、車室外との境界を感じさせない設計とする。また、遮熱・断熱・紫外線99%カット効果のある「Low-E ガラス」により、頭上空間を確保しつつ、直射日光や紫外線が厳しい環境下でも車室内を快適に保つことが可能。さらに、減光効果と透過性に優れた新開発の調光フィルムを内蔵することで、調光時は暑さを感じにくく、非調光時にはより鮮明な景色と開放感のある室内空間を実現した。
インテリアカラーは新色のアオタケや高明度なホワイトのほか、ブラック、ヘーゼルという計4色を設定。アオタケはレクサスがモチーフにしてきたバンブーの色味をナチュラルに表現し、清楚感のあるイメージに仕上げている。
走行性能に関しては、すべての乗員がリビングにいるかのような快適な時間を過ごせる“Pleasant time for all seats”というコンセプトのもと、ESの美点である優れた静粛性と乗り心地をさらに磨き上げるとともに、HEVとBEVそれぞれのパワートレインの特性を活かして、レクサスらしい走りの深化を追求する。
基本骨格には専用開発を施し刷新したTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。HEVとBEVのパワートレインの設定を可能としたうえで、走りの味に統一感を持たせるためにレクサスがモデル横断で取り組む走りの“味磨き”の知見を取り入れながら、フロントエンド、フロア、リアエンドの剛性を強化する。また、ボディ素材にはアルミニウム、ハイテンスチール、スチールを特性に合わせて効率的に使用して、高剛性化と軽量化を高次元で両立させた。
▲専用開発を施して刷新したTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。HEVとBEVのパワートレインの設定を可能としたうえで、走りの味に統一感を持たせるためにレクサスがモデル横断で取り組む走りの“味磨き”の知見を取り入れながら、フロントエンド、フロア、リアエンドの剛性を強化する
懸架機構については、フロントに改良版のマクファーソンストラット式サスペンションを、リアにESとして初採用となるマルチリンク式サスペンションを組み込む。サスペンションアームのブッシュ特性を改良し、より上質な乗り心地を実現。また、Dynamic Rear Steering(DRS)を搭載し、車速に応じて後輪を前輪と逆相/同相に最大4度転舵させることで、低速域ではコーナリング時の優れた回頭性や取り回しの良さを、高速域では高い車両安定性を具現化する。AVS搭載モデルでは減衰力切り替えの応答性に優れたリニアソレノイド式を配し、より素直なステアリング応答性と上質な乗り心地を両立させた。一方、操舵機構には専用セッティングのバリアブルラックギアを導入。高速域の安定性とコーナリングでのクイックなレスポンスを両立したほか、低速域での取り回しの良さも実現する。ドライバーがクルマの挙動を素早く認知、判断し、より正確に操作できる運転姿勢を確保しやすいよう、構造を見直した新規開発のフロントシートを採用したこともトピックだ。さらに、室内の快適性を最大限に高めるために静粛性も徹底追求。高遮音タイプのドアガラスと、それを支えるシール部材の改良により、室外からのノイズの侵入を低減し、合わせて吸音材/遮音材/制振材の分量や厚みをチューニングしてそれぞれの部位に最適配置することで、より自然でバランスの取れた静粛キャビンを創出している。
注目のパワートレインは、HEVのES300hにESとして初採用となる2.0リットル直列4気筒ハイブリッドシステム(145kW[197.1ps])と2.5リットル直列4気筒ハイブリッドシステム(142kW[201.2ps])を、ES350hに新2.5リットル直列4気筒ハイブリッドシステム(182kW[247.4ps])を搭載し、駆動機構には2WD(FF)とAWDを設定する。新2.5リットルハイブリッドシステムでは、パワーコントロールユニットとトランスアクスルを一体化した「eAxle」がパワーユニットの小型軽量化に寄与しているほか、バッテリーの高出力化を実現。2.5リットル直列4気筒エンジンとの組み合わせと専用の制御ロジックにより、優れた加速性能と低燃費を両立させた。
BEVについては、2WD(FF)のES350eにシステム総出力165kW[224.3ps]を発生するフロントeAxleを配した電動パワートレインを、AWDのES500eに同252kW[342.6ps]を発生するフロント/リアeAxleを配した電動パワートレインを搭載する。2モデルともにBEV専用の大容量電池を床下に配置することで、低重心化と安定した走行性能を実現。また、ES500eでは車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて前輪:後輪=100:0~0:100の間で制御し、発進加速性、操縦安定性の向上、低電費に貢献する「DIRECT4」を採用し、電動化技術が実現するより優れた操縦安定性と、運転する楽しさを高次元で両立させた。航続距離は中国CLTCモードでES350eが約685km、ES500eが約610kmを達成。150kW急速充電における10-80%の充電時間は、外気温25℃時が約30分、外気温0℃時が約40分、外気温-10℃時が約60分でこなすという。
▲BEVの航続距離はCLTCモードでES350eが約685km、ES500eが約610kmを実現。150kW急速充電における10-80%の充電時間は、外気温25℃時が約30分、外気温0℃時が約40分、外気温-10℃時が約60分でこなす
先進予防安全技術のLexus Safety System+の性能アップも注目ポイントだ。まずレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)には、先行車減速シーンや自車前方への割り込みシーンでの減速早期化により安心感を向上。また、加速をより緩やかにし、燃費を重視した穏やかな追従走行を行うことでレーダークルーズコントロール走行中の燃費向上に貢献するエコランモードと、従来の減速支援に加えて一時停止などの道路標識、丁字路、ラウンドアバウト、料金所、そしてカーブ手前などにおける減速をサポートする地図連携機能を設定する。次にレーンチェンジアシスト[LCA]には、起動操作や車線変更の速さを見直し、より簡単でスムーズな車線変更を支援。合わせて作動車速を拡大し、より幅広いシーンで支援を可能とするほか、ドライバーの操作と協調したハンドル支援を行うことで、さらなる安全・安心な運転に貢献する。また、ドライバーモニターにはドライバーモニターカメラでドライバーをモニタリングするシーンを拡大し、ドライバーの眠気の兆候を検知した場合はドライバーへ注意喚起を行うことで安全運転をサポート。さらに、ドライバー異常時対応システムには従来の機能に加えて高速道路および自動車専用道を走行中に動作した際に路肩に寄せて停車する機能を追加した。ほかにも、従来のAHSより細やかなハイビーム制御により、夜間の優れた視認性を確保した新開発の高精細式アダプティブハイビームシステム[AHS]や、従来の機能に加えて自車の側方を走行している自転車やバイクを検知し、注意喚起を行うことで右左折時の巻き込み事故防止を支援するブラインドスポットモニター[BSM]、レクサス初採用となる新開発の3Dビューによりドライバーの周辺確認をサポートするパノラミックビューモニターなどを採用している。
▲先進予防安全技術のLexus Safety System+も性能アップ。レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)では先行車減速シーンや自車前方への割り込みシーンでの減速早期化により安心感を向上させる
なお、レクサスは新型ESを2026年春ごろに日本で発売すると予告。詳細は追ってアナウンスする予定である。