伊ランボルギーニは9月3日(現地時間)、ドイツで9月10日より開催されるフランクフルト・モーターショーにおいて、ブランド初となるV12ハイブリッド・スーパースポーツの「シアン(Sián)」を初公開すると発表した。
▲ランボルギーニ初のハイブリッド・スーパースポーツ「シアン」。車名のシアン(Sián)はランボルギーニの本社があるイタリアのボローニャ地方の方言で"稲妻の閃光"の意。ブランド初の市販電動モデルで、かつEV化へ向けた同ブランドの最初の一歩であることを含意している
車名のシアンは、ランボルギーニの本社があるイタリアのボローニャ地方の方言で"稲妻の閃光"を意味。ランボルギーニ初の市販電動モデルで、かつEV化へ向けた同ブランドの最初の一歩であることを含意している。
▲車両デザインは同ブランドの重要なアイコンであるカウンタックからインスピレーションを得ながら、最新の空気力学ソリューションと相まった未来志向デザインを具現化する
シアンのパワートレインは、同ブランドのアヴァンタドール譲りで新たにチタン製インテークバルブを採用したミッドシップ配置の6498cc・V型12気筒DOHCの自然吸気エンジン(785hp/8500rpm)に、ギアボックス内に組み込んだ最大34hpを発生する48ボルト電動モーター、そして市販車では世界初設定となるスーパーキャパシタで構成する。電子システムの重さはわずか34kgで、パワーウェイトレシオ換算では1.0kg/hpという優秀な数値を実現。また、左右対称の電力潮流によりチャージとディスチャージのサイクルそれぞれで同レベルの効率性を確保し、さらに特別に開発した高度な回生ブレーキシステムを採用した。総じて819hp(602kW)のMAXパワーを発生するハイブリッドシステムにより、シアンは最高速度が350km/h以上、0→100km/h加速が2.8秒以下を成し遂げたという。
▲内外装はランボルギーニのデザインチームであるチェントロ・スティーレと同社のオーダーメイドサービスを手がけるアドペルソナム部門が各オーナーのためにカスタマイズするという。写真はVerde Gea(グリーン)のボディカラーにOro Electrum(エレクトリックゴールド)のディテールという組み合わせ
車両デザインに関しては、同ブランドの重要なアイコンであるカウンタックからインスピレーションを得ながら、最新の空気力学ソリューションと相まった未来志向デザインを具現化したことがトピックだ。まずフロントビューは、カウンタックのように斜めのラインが入った独特のフード、一体化したカーボンファイバー・スプリッターを備えるロワー部、Y字型のデイタイムランニングライトなどが形作るインパクト満点のマスクが特徴。また、サイド部は象徴的なYの形のドアやミッドシップエンジンの証のNACAエアインレットが、トップ部はガラス製エレメントのエンジンカバーなどが、クルマの性格を主張する。そしてリアセクションは、六角形のフォルムのなかに片側3個(左右で計6個)の六角形のテールライトや側部と一体化したリアウイングなどを組み込んで大胆さや力強さを強調した。一方、可変式の空力デバイスを鋭意装備したことも訴求点だ。リアウイングは通常は格納され、走行時に自動的にせり上がって効果的にダウンフォースを発生。リアのアクティブ冷却翼は、エグゾーストシステムの温度を感知して自動で回転し、エンジンの冷却効率を高める仕組みである。
▲パワートレインはミッドシップ配置の6498cc・V型12気筒DOHCエンジン(785hp)に、ギアボックス内に組み込んだ最大34hpを発生する48ボルト電動モーター、そして市販車では世界初設定となるスーパーキャパシタで構成する
なお、フランクフルト・ショーで展示するシアンは、Verde Gea(グリーン)のボディカラーにOro Electrum(エレクトリックゴールド)のディテールという特別な外装を施して、EV化された未来のランボルギーニの姿を表現。インテリアはTerra di Sant'Agata Bolognese色のポルトローナ・フラウのレザーで製作され、製品として初めて3Dプリントした部品を使用した。
▲写真のインテリアはTerra di Sant'Agata Bolognese色のポルトローナ・フラウのレザーで製作された仕様。製品として初めて3Dプリントした部品を使用する
▲スポーティかつプレミアム感満点のコクピット。シートには本格バケットタイプを採用。センタートンネルサイドに車名の"Sián"のロゴが入る
ちなみに、シアンの生産台数はランボルギーニの設立年の1963年にかけて、63台の限定となるが、すでに特別顧客への内覧会などを実施して全車完売しているという。