伊フェラーリは9月9日(現地時間)、新世代のV8ミッドシップ・オープンスポーツカーとなる「F8スパイダー(F8 Spider)」を発表した。
▲フェラーリ・F8スパイダー 全長4611×全幅1979×全高1206mm ホイールベース2650mm 車重1400kg 性能面では0→100km/h加速2.9秒、0→200km/h加速8.2秒、最高速度340km/hと公表。RHT開閉に要する時間は約14秒。45km/h以下であれば走行中でも操作が可能だ
F8スパイダーは今年2月にイタリア本国で発表されたクーペボディのF8トリブート(F8 Tributo)のオープントップ仕様で、488スパイダーの後継を担う最新のフェラーリ製V8モデルだ。車名はフェラーリのF、エンジン気筒数の8、イタリアでオープンカーを意味するSpiderで構成する。
肝心のオープンボディは、コクピットまわりに入念な補強を施したうえで、最新のRHT(リトラクタブルハードトップ)を組み込む。開閉に要する時間は約14秒。45km/h以下であれば走行中でも操作が可能だ。
▲ミッドシップに縦置き搭載される3902cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンは最高出力720ps/8000rpm、最大トルク770N・m/3250rpmを発生
車両デザインについては、フェラーリ・スタイリング・センターが担当する。歴代のV8フェラーリに敬意を表してかつてのデザインモチーフを鋭意取り入れつつ、最新のエアロダイナミクスを徹底追求し、かつボディとルーフの分離ラインを従来のベルトラインからBピラーの上へと移行させたエクステリアは、非常に美麗でスポーティ。魚類のマンタのようなエンジンカバーの外観は、リアスクリーンから始まりセンター・スパインによって生成される気流に従うように、ブロウンスポイラーが備わるウイングの下で収束する。また、中央のボリュームから現れる2枚のウイングはボディワークと調和してあらゆる角度から視覚的に連続性をもたらし、エンジンカバーの側面に設けた3つの彫刻的なストレーキはクーペバージョンのリアスクリーンのような造形で仕立てた。さらに、トノーカバー・フィンに組み込むクレストはF1の"スワンネック(リアウイングステー)"由来のもので、気流をしなやかに後方のスポイラーへと流すとともに、ルックスの魅力度を高める要素に昇華している。
▲車両デザインはフェラーリ・スタイリング・センターが担当。ボディとルーフの分離ラインを従来のベルトラインからBピラーの上へと移行させたことが目新しい。魚類のマンタのようなエンジンカバーの外観も印象的だ
F8スパイダーのボディサイズは全長4611×全幅1979×全高1206mm/ホイールベース2650mmで、F8トリブートと基本的に同サイズ。車重はF8トリブートより70kgほど重い1400kgだが、従来の488スパイダーと比べると約20kgの軽量化を達成した。
縦置きにミッドシップ搭載されるエンジンは、F8トリブートと共通の3902cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットで、最高出力は720ps/8000rpm、最大トルクは770N・m(78.5kg・m)/3250rpmを発生する。トランスミッションには7速デュアルクラッチのギアボックスをセット。最新バーションのフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE+)やサイドスリップ・アングル・コントロール・システム6.1(SSC6.1)などのデバイスも組み込んで後輪を駆動する。性能面では0→100km/h加速が2.9秒、0→200km/h加速が8.2秒、最高速度が340km/hと公表された。
▲フェラーリのV8ミッドシップスポーツカー伝統のドライバー重視のコクピットデザインを踏襲しながらダッシュボードやドアパネルなど個々の要素をすべて最新のアレンジで仕立てた
インテリアについては、フェラーリのV8ミッドシップスポーツカー伝統のドライバー重視のコクピットデザインを踏襲しながら、ダッシュボードやドアパネルおよびトランスミッショントンネルなど、個々の要素をすべて最新仕様に仕立てる。機能面では新世代のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)のほか、新タイプの小径ステアリングホイールやスイッチ類、新型7インチのパッセンジャー・タッチスクリーンディスプレイ、ボディと同色のラインを入れたバケットタイプのシートなどを装備し、新世代のオープンスポーツカーらしいキャビン空間を構築した。
▲ボディと同色のラインを入れたバケットタイプのシートを装着。新型7インチのパッセンジャー・タッチスクリーンディスプレイも装備する
F8スパイダーの日本デビュー時期や車両価格は未公表。車両価格については488スパイダーよりは上と見られ、3000万円台の後半と予想される。