冬タイヤから夏タイヤにスイッチするこの時期、新しいホイールを購入するユーザーは多い。そのとき重視するのはデザインだろうか。あるいは価格か。ホイールは高価な製品で、安全や性能に直結する重要保安部品だから信頼できるメーカーを選びたい。
▲RMPのニューモデル 050F(右下)は5穴専用5スポークデザインで光沢感が特徴 18~20㌅/全14種 028FX(左上)はハイエース専用の高剛性スポーティクロスメッシュ 17㌅/全2種 211F(右上)は2×11スポークタイプのニューモデルで近日発売予定
マルカサービスは年間約1200万本が流通する国内アルミホイール市場で10%強のシェアを持つトップメーカーだ。近年、国内アルミホイールの95%以上が新興国で生産されているが、そのなかで、現地任せにしないところがマルカサービスの注目ポイント。安心感や信頼性を最優先に考え、アルミホイールの安全性向上に取り組むべく、2015年にMID(マルカ・インテリジェント・デザイン)を創設した。
MIDについては2018年9月号と2019年1月号で詳しく紹介したが、まとめると、アルミホイールの安全性に対する知識と経験が豊富な日本人デザイナーや技術者が設計、デザイン、強度解析を実施。製造はアジアの工場で行うが、強度や耐久性のテストは必ず国内で確認し、安全確保を徹底追求した点に大きな特徴がある。
2019年、MIDブランドのニューモデルは、なんと12タイプが新規デビュー。安心、安全を最重視する考え方の浸透を図り、幅広いユーザーニーズに応える製品群を数多く取り揃えたわけだ。
今回は新製品のなかでも特徴的なフラッグシップブランドのRMPを紹介しよう。RMPとはリ・マスター・ピースの意味。普遍的な人気を集めている逸品を、さらに再構築する、というコンセプトのプレミアムブランドだ。
従来、RMPは010F、016F、025F、028Fの4モデルがあった。これに050F、028FX、211Fの3タイプが追加された。RMPのネーミングは、たとえば10本スポークが010F、16本スポークが016F、2×5本が025Fという具合にスポーク本数や形状から連想しやすくなっているので覚えやすい。Fはフリーフォーミング製法の意味。回転圧延しながらフランジを成型する新製法で、強度と軽量化をハイレベルで両立できる。ほかにもアンダーカットと呼ぶスポーク裏面からの削り込みで無駄を極限まで省いて軽量化を徹底している。
028FXはハイエース専用に開発された新製品。国交省が定めた乗用車用の強度基準JWLを超えるトラック・バス用のJWL‐Tをクリアしながらデザイン性を高めた2×8本スポークの造形が魅力的だ。
▲RMPレーシングが誕生 新型3種ともブラック+リムレッドラインをあしらうスポーティな演出 R07(左)は力強い造形の7本スポークが特徴 15~18㌅/全11種 R25(中央)はホール数に合わせたスポーク数を採用 写真は2×5の5穴仕様 15~18㌅/全13種 R05HC(右)はハイエース専用 16~18㌅/全3種
そして2019年のもうひとつ大きなニュース、それがRMPレーシングという新ブランド設立だ。モータースポーツ用ホイールをイメージした剛性感と軽量化が特徴。ハイエース専用のR05HCとR07、R25の3モデルがリリースされた。イメージカラーはブラック/リムレッドラインを採用。3モデルともJWLだけでなくJWL‐Tをクリアして強度を高めている。
R25はスポークバランスと応力分散にこだわり、5穴に対しては2×5スポーク、4穴には2×4スポークとして、きめ細かくレイアウトを差異化。デザイン、剛性、軽量化をすべて両立したハイエンドな作り込みは見逃せないポイントだ。