洗練された乗り心地のオン・オフ両用SUVタイヤ 横浜ゴム ジオランダーCVデビュー

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優れた快適性が路面を問わず味わえる

 ジオランダー・ブランドは現在、新旧含め9種のサマータイヤをラインアップしている。M/Tが3種、A/Tが3種、H/Tが1種、そしてX―CVと新型のCVだ。

 複数のM/TやA/Tを用意するあたり、ホビータイヤ戦略を推進中の横浜ゴムらしさが表れている。

 CV系2種もなかなかの力作であり注目したい。

タイヤ全体観.jpg▲新型ジオランダーCV サイプ主体にエッジ効果を徹底追及 サイプは2次元と3次元形状を組み合わせた新タイプ 165/60R15~245/50R20の全32サイズ 価格はオープン

 新型ジオランダーCVのCVとは、クロスオーバーSUVの意味。ジオランダー・ブランドの中では最もオンロード寄り。それでもマッド&スノー規格をクリアし、しっかりとしたオフロード性能を併せ持つのが新型ジオランダーCVのブランド内ポジションだ。

 トレッドパターンはサイプ基調の点対称デザインを採用。サイプの数は本当に多く、オールシーズンタイヤを超えてスタッドレスに近い。

正面.jpg2012年発売の旧型ジオランダーSUV比ウエット制動12%短縮/ウエット操縦安定性13%向上/ロードノイズ34%低減/パターンノイズ9%低減/突起乗り越し上下軸力7%低減/スノー制動距離25%短縮など全面的に性能向上

ウエットグリップや雪上グリップを大幅に引き上げた

 ブロック剛性をキープするためサイプは2D&3Dを組み合わせ、隣り合うブロックを支える。サイプはエッジ効果を生み出し、ウエットやスノーグリップを向上。結果として新型のウエット制動距離は旧型ジオランダーSUV比12%短縮、スノー制動距離は25%も短縮したそうだ。

 ウエットグリップは横浜ゴムの得意分野で、ラベリング制度のウエットグリップ最高位aのタイヤを数多く用意している。ジオランダーCVはマッド&スノータイヤなので日本ではラベリング制度対象外。だが、欧州やブラジルなどで公表中の値を日本のラベリングに当てはめると、bグレードの実力。一般的なサマータイヤと比べても、ウエットグリップは高い。

ショルダー.jpg▲ショルダー部の横溝は底部でブロックを連結して剛性を向上

 トヨタRAV4に225/65R17サイズのジオランダーCVを装着。走り始めると、ソフトな乗り心地に驚いた。

 新型RAV4の足回りは硬めで、とくに18~19インチ装着車は路面凹凸を伝えがち。ちょっとした砂利道や河原などに踏み込んだりした場合に、「もう少し柔軟性がほしい」と感じるユーザーも多いのではないだろうか。

 ジオランダーCVはサイプを数多く刻んだ効果で、しなやかな接地感を生み出し、路面凹凸を巧みに吸収してくれる。ソフトでダンピングも確保され、荒れた路面やダート、砂利道まで考慮した柔軟性を備えている。

走り右頭.jpg▲新型ジオランダーCVをトヨタRAV4に装着 コーナリング時のリニアリティは十分に高く挙動に不安はない 横風安定性はオンロード指向のサマータイヤには及ばないが修正は楽に行える

 旧型ジオランダーSUVで気になった高速道路の直進性は改良された。追い越し車線をグングン飛ばすような走り方でなければ、直進性不足やタイヤの弱さを感じることは少ない。手応えも違和感なく、自然なフィールで走れる。

 サイプを数多く刻んだため、パターンノイズを心配したが、静粛性は十分に確保されていた。サイプの高周波ノイズは巧みに封じ込められている。

 路面の荒れをソフトな接地面がいなすため、ロードノイズが発生しにくい点もメリットだ。ロードノイズは旧型比34%も低減したという。

走りアップ.jpg▲乗り心地のソフトさは大きな特徴 しなやかで快適 フラット感もあり足回りの固さやゴツゴツ感を大幅に低減したいユーザーに最適 ロードノイズ抑制は高次元 パターンノイズもまずまず静か

 サイプの刻み方によっては耐摩耗性の悪化が懸念されるが、この点も心配ない。ブロックをリブ化したことで偏摩耗しにくくなり、耐摩耗性は旧型比20%程度アップした。

サイド.jpg▲マッド&スノータイヤ規格をクリア 主要な縦溝に残溝50%で露出するスノープラットホームを設定

 以前、雪上で試乗したとき、上位モデルのX―CVは高いスノー性能が感じ取れた。過信は禁物だが、ジオランダーCVのパターンデザインから連想できるスノー性能はかなり高いことが予測できる。

 オンロードやオフロード、浅雪までオールマイティな性能を備えた新世代ジオランダーCVは、乗り心地を重視するSUVユーザーに広く好まれるタイヤになりそうだ。

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