冬はバッテリートラブルが頻発。最善の対策は「ディーラーで点検を受ける」こと[PR]

提供=ACDelco

冬にバッテリートラブルが多発する理由と、最善の対応策

東京・渋谷駅前。首都圏でも大雪に見舞われることがある。雪に対する備えを忘れずに

 2022年1月、北海道旭川市の最低気温がマイナス19.8度、2月はマイナス18.7度だった。相当に寒い。

 マイナス18度、これは日本工業規格(JIS)が定める「始動用鉛蓄電池」、要は自動車用12Vバッテリーのコールドクランキングアンペア(CCA)試験を行うときの温度である。CCAは、バッテリーの始動性能を示す数値で、これが大きいバッテリーのほうが始動性能は高くなる。

 この試験は、マイナス18度の部屋で実施するという意味ではなく、「最低24時間(中略)または電解液温度がマイナス18度±1度になるまで、(中略)マイナス18度±1度の冷却室」に置いたバッテリーを対象に行う。なお、マイナス18度は米国(SAE規格)、EU(EN規格)の規定でもある。

新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー。最新モデルは運転支援装置や安全機構など多くの電装品を装備して性能を高めている

 つまり、自動車バッテリーは相当に寒い状態でも問題なく使えるように設計されている。ところが、冬になると「バッテリー上がり」が増える。JAFのロードサービス出動件数(2021年)を見ると、お盆期間中は29.61%、年末年始は38.87%がバッテリー上がりによるもの。どちらも出動理由のトップだが、明らかに寒い季節のほうがトラブルが多い。なぜか?

トヨタ・セーフティセンス、トヨタ・チームメイト、コネクティッドなど最新のクルマはあらゆる方面から利便性の向上や機能の拡大に努めている。いずれもバッテリーが供給する電力が不可欠だ

 

冬の寒さの中ではバッテリーの本来の性能(起電力)は低下する

 冬にバッテリートラブルが起きやすくなる理由は、寒さでバッテリーの化学変化が不活性になり、起電力が低下して本来の性能が発揮しにくくなるからだ。また、夏の酷暑の影響で、バッテリーの消耗が進んでいる可能性も高い。日照時間が短くヘッドライトの利用が増え、デフロスターを使う機会が多い点も夏と異なる。

 さらに、最新のクルマは、ETCやドライブレコーダーに加えて、ステアリングヒーター、シートヒーターなどの快適アイテムのほか、信号待ちをしているときでも前後方の車両を検知したり、かつては装備されていなかった車線維持支援装置(LKA)、アダプティブクルーズコントロール(ACC)など、多数の電装品を装備している。

車両の後方を確認するカメラは、いまや必須装備のひとつといえる。冬の暖房は「エンジンの排熱」を有効活用している。ただし、温風を送るためのファンを駆動するのはバッテリーが供給する電力である

 

増え続ける電装品・電子制御でバッテリーの負担も多くなる

 その結果、バッテリーはクルマの快適性・安全性・運転支援の領域で重要な役割を担う。アイドリングストップや充電制御といった技術を通じて燃費を高める役割にも関与している。バッテリーは、エンジンをかけた後も、担当する仕事が圧倒的に増加した。これもバッテリーの消耗を早める一因である。

 バッテリーは長期使用に伴う劣化が避けられないが、走行距離が短かったり、低速走行が多い場合もダメージが大きい。新車購入から3年を迎える前にバッテリー上がりが起きるのは、クルマの乗り方・使い方も関係している。

「あまりクルマに乗っていないから、バッテリーは弱っていないはず」と思うかもしれないが、「乗っていないからこそ、消耗が進む」ケースもある。

現代のクルマはディーラーで点検を受けることが最も安全

 バッテリー上がりのトラブルを回避するには、ディーラーで点検を受けることが最も安全であり最善だろう。点検の結果、交換を勧められたら、なるべく早く交換してほしい。

 バッテリーを交換する場合、マイカーに適合するサイズなのかどうかの確認が最初の一歩になる。次に、マイカーの燃費性能向上技術に対応しているのかどうかの確認が重要だ。アイドリングストップ搭載車には、専用バッテリーが必要になるし、充電制御やハイブリッドを搭載している場合も同様。

ディーラーのメカニックはそれぞれの車種に関する最新知識が豊富。写真はバッテリーの状態をチェックする専用テスター。交換時期が近いのかどうかが判定できる

 

トヨタ車が採用するEN規格に対応したバッテリー製品

 2016年からトヨタが採用を進めているEN規格(欧州統一規格)バッテリー搭載車には、JIS規格製品は搭載できない。こうした条件を踏まえて、ディーラーのスタッフは最適の製品を選び、交換用バッテリーを搭載してくれる。

 ACDelcoが販売するEuro-Next(ユーロネクスト)バッテリー(トヨタモビリティパーツ・ルートで販売)は、トヨタ車が採用するEN規格に対応した製品だ。

ACDelcoがトヨタモビリティパーツ・ルートで販売しているEuro-Nextバッテリー。欧州規格バッテリーを搭載するトヨタ車に適応。写真の365LN2サイズは新型クラウンに対応している

端子がバッテリー本体の上面以下に設定されている点がEN規格の特徴。ACDelcoのENバッテリーは本体を白いボディとすることで液面の状態を確認しやすように配慮。本体上部には充電状態がわかるインジケーターを装備している。補水可能

 Euro-Nextシリーズは、端子がボディ上面以下に設計され、二重蓋構造で液減りの抑制を図っている。本体はホワイト仕上げで液面の確認ができ、上面には充電状態を示すインジケーターを装備。ユーザー自身が行う点検をサポートする配慮がなされている。

アイドリングストップ車用は充電受入性を高めた製品

 ISシリーズ(375LN2―ISS、390LN3―ISS、400LN4―ISS)はアイドリングストップ技術搭載車に対応。アイドリングストップ技術に求められる「高い充電受入性能」(短時間で効率よく充電する)を追求した。エンジンの始動を繰り返す使用環境において、安定した性能が発揮できるよう、アイドリングストップ未搭載車用比でCCA値は大きめに設計されている。

ユーロネクストISバッテリーは3タイプのIS対応製品をラインアップしている。左から400LN-ISS/390LN3-ISS/375LN2-ISS

 バッテリーを交換する際は、電装品の設定データが消失しないように、バックアップ電源を利用して行う。アイドリングストップ車の場合は、バッテリー交換後に電流センサーが測定していたデータをリセットする必要がある(車種により異なる)。

 こうした作業は、専門的な知識が不可欠。ディーラーのスタッフは交換実績が豊富で、研修を通じてつねに最新情報に触れている。その点でも、ディーラーで点検・交換を行うメリットは大きいといえる。

400LN4-ISSはトヨタ・グランエースなどに適応したサイズ

知っておきたい!現代のクルマにおけるバッテリーの役割

現代のクルマが求めるバッテリーの重要な役割とは

 タイヤ、ワイパー、バッテリー。いずれも安全で快適なドライブに不可欠の用品である。この3アイテムに共通する特徴は、「ぱっと見たところ、昔もいまも同じ形状をしている」ということ。 30年前もタイヤはタイヤの形をしていたし、ワイパーもバッテリーも見た目はあまり変わらない。そもそも、バッテリーの役割といえば、「エンジンに必要な存在」というイメージが強いかもしれない... >>続きを読む

Follow