ブリヂストンの最新スタッドレス、ブリザックVRX3にSUV用サイズが追加された。ブリザックのSUV用は、従来からのDM-Ⅴ3がある。VRX3とDM-Ⅴ3は、どのような違いがあるのか。
DM-Ⅴ3はVRX2をベースに作られているため、コンパウンド技術やパターンデザインは1世代前のものになる。つまりアイスバーン性能はVRX3が有利といえる。これは車重が重いSUVにとって、おおいにメリットがある。
最近のSUVは街乗りのみ、というユーザーも多いが、ある程度の深雪でも問題なく走れる走破性は必要だが、アイスバーン性能向上を目指すと、どうしても接地面を大きく確保したい。すると溝が細くなる。このあたりのバランスは各タイヤで異なるため、試走チェックが必要だ。ブリザックVRX3はどうなっているのか。
今回は北海道旭川市の一般道でアイスバーン性能を確認しながら、雪深い旭岳へ向かい、旭岳周辺で深雪性能を試す、というルートで試走した。
まず旭川市内の路面状況は、凍り付いた根雪の上に雪が降って除雪が行われ、大変滑りやすい状態だった。
交差点付近は発進停止で路面が磨かれ、本当にツルツル。ホイールスピンしているクルマが散見されたが、ブリザックVRX3を装着したトヨタ・ハリアーはグリップ走行が可能だった。
(このあたりの詳細は本誌を参照)
旭岳周辺は積雪が多く、新雪状態の道路もあった。
ブリザックVRX3はアイスバーン性能を重視したスタッドレスとして評価が高く人気のモデルだから、深雪性能は苦手かと思ったが、深雪もけっこういけるので安心した。
トヨタ・ハリアー、アウディQ5、メルセデス・ベンツGLC、トヨタ・ヤリスクロスといったSUVで試走したが、ブリザックVRX3とのマッチングはすべて良好。乗り心地と走りのハイバランスが印象的で、どれも走りやすい。
重いSUVの車重をしっかり受け止めながら、深雪では雪に食い込み、確実に粘るグリップを発揮してくれる。回転接地によって溝が雪をもみ出し、排雪する。この効果が肝心なのだが、ブリザックVRX3は雪を踏み固めながら雪柱を作り、それを支えにグリップを確保する。その仕組みがパターンデザインの中にきちんと組み込まれていた。トータルのインプレッションは、ぜひ本誌『CAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)』2023年2月号を参照されたい。
※【本誌取材ノート】は雑誌『CAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)』掲載記事と連動したコンテンツです