横浜ゴムは北海道旭川市のタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」に、冬用タイヤの氷上旋回性能をテストする屋内氷盤旋回試験場を開設し、2023年1月5日より稼働を開始した。同試験場は氷盤旋回の屋内試験施設としては国内最大を誇る。
屋内氷盤旋回試験場は、凍結路面において氷上制動性能の次に重視される氷上旋回性能のさらなる向上を目指して開設した施設だ。屋外試験と比べ、天候や気温など外的要因の影響を受けにくく氷面状態を安定的に保つことができるため、試験データの精度が向上しより高度な技術開発を効率的に行える。建物寸法は全長56m×全幅56m、室内高(最高部)12.3m、氷盤面積1,960m2で、旋回半径10~22mまでの試験が可能になっている。
横浜ゴムは2015年12月にTTCHを開設して以来、タイヤ事業のグローバルな拡大に対応するため、試験・評価手法の高度化を進めてきた。冬用タイヤ向けでは2018年1月に屋内氷盤試験場を開設し、さらに2020年11月に同施設に氷の表面温度を-10℃~0℃※までコントロールできる国内最大級の冷媒装置を設置。今回完成した旋回試験場は屋内氷盤試験場に隣接しており、両施設での試験を効率的に組み合わせ、安全性をさらに高めた冬用タイヤの開発を加速していく。
※基準の室温が5℃の場合
横浜ゴムは、冬用タイヤのテストコースはTTCHのほかに、スウェーデンに「YOKOHAMA TEST CENTER of SWEDEN(YTCS)」を設置している。TTCHでは世界中で販売する全ての冬用タイヤの試験を行い、YTCSでは主に欧州向け商品の確認評価を実施。各国・地域に最適な商品開発を推進している。
横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画として「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」のタイヤ消費財事業において高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR」、そしてオールシーズンタイヤを含めた「ウィンタータイヤ(冬用タイヤ)」の販売構成比率最大化を掲げており、2023年度に過去最高の売上収益7000億円、事業利益700億円の達成を目標にしている。
■北海道タイヤテストセンター 概要
名称:北海道タイヤテストセンター(英文:Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)
開業:2015年12月
所在地:北海道旭川市神居町上雨紛※500(※かむいちょうかみうぶん)
敷地面積:906,462m2
試験対象:乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤ(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)
試験コース:速度100km/h超での高速試験が可能な直線約1kmの圧雪路を持つ全長2.3kmの周回路、氷盤路、雪上/氷上登坂路、雪上/氷上旋回路、勾配5%の全長1.1kmの圧雪ハンドリング路
■屋内氷盤旋回試験場の概要
建物寸法:全長56m、全幅56m、室内高(最高部)12.3m
延床面積:3,136m2
氷盤面積:1,960m2
試験旋回半径:10m~22m
構造:鉄骨造平屋建て
稼動:2023年1月