高級車の内装素材として知られているイタリアの「ALCANTARA®(アルカンターラ)」は、2024年4月25日から5月4日まで、中国国際展覧センター順義新会場で開催された第18回北京国際自動車展覧会に出展した。アルカンターラが使用された出展車のインテリアをご紹介する。
2年に1度開催される業界見識とカープレミアのイベントとして、今年の北京モーターショーは「スマートモビリティへの推進」をテーマに新エネルギー車と革新的技術に焦点を当てて開催された。
ALCANTARA®はその持続可能性のコンセプトや革新的な技術、先進的なデザインなどの優れた特徴が評価され、Hongqi(紅旗:ハンシィ/中国)、BMW(独)、Zeekr(极氪:ジーカー/中国)、Bentley(ベントレー/英)、Lotus Nyo(ロータスニョ/英・中国)、Hyundai(ヒョンデ/韓国)など多くの自動車メーカーに採用されている。
中国で歴史的、かつ代表的な自動車ブランドの一つとされているHongqiは、今回初めてフラグシップラグジュアリーセダン「Hongqi Guoya」を一般公開した。
エクステリアでは、フロントにはHongqiの特徴的なデザインが施され、エレガントな高級感を醸し出している。
インテリアには、ベージュのALCANTARA®が広範囲にわたって贅沢に採用され、ボディカラーを美しく引き立てている。
Hongqi は、Guoyaに加えGuoyaoも発表し、その魅力的で印象的なデザインを披露した。キャビンを広くカバーするALCANTARA®が特徴で、エモーショナルな空間を演出している。
カスタマイズされたALCANTARA®の装飾が天井、ピラー、ドアパネルを覆い、シルバー、ゴールド、ブラックの繊細なステッチがダイヤモンドのような装飾とともに天井に天の川のシルエットを表現。両ドアパネルの前面には、グレーのALCANTARA®を背景に馬の輪郭がステッチで描かれている。
BMWは、その卓越したパフォーマンスと品質を披露し、BMW・X5とBMW・X7の両モデルには、細かい質感のALCANTARA®が採用されており、エレガントで洗練されたクラシカルなキャビン空間を演出した。
BMW・XMモデルでは、天井とピラーにALCANTARA®が使われており、天井には立体的なエンボス加工が施されている。
この精巧なパターンは、さまざまな青のグラデーション効果を示し、不規則な幾何学模様によってシートエリア内にデザインと芸術的な雰囲気を作り出している。これを取り囲むパープルブラウンのALCANTARA®はその極限のカスタマイズ性を存分に活かし、クルマ全体の高級感を引き立ていた。
最大の自動車グループのひとつGeely(吉利汽車)は、EV市場に即座に対応し、2024年新型Zeekr 009を北京モーターショーに出展した。
このプレミアムEVの改良版は、今年1月から発売されている。この全電動MPVは、美しいエクステリアと共に豪華さの新たな表現をテーマに作られており、ドアパネルに用いられている特注のALCANTARA®は繊細なテーラリングによって完璧に表現されている。
もうひとつ目を引くスターが、2024年型Zeekr 001 FRだった。クラシックなスタイリングにクーペラインを加え、ダイナミックでスポーティな表情を演出。
四輪モーターによる強力なパワーとタンクターン機能を搭載することで、2024年型Zeekr 001 FRはシューティングブレーキクロスオーバークーペとしてのスポーティさを示し、前衛的なスタイリングと際立つディテール、エレガンスを兼ね備えている。
特注ALCANTARA®を使用したシートはグレーで、赤色のコントラストステッチが施され、非常にスポーティな触感と審美的な視覚効果を表現。このダイナミックな赤とグレーの配色は、クルマのドアパネルにも適用され、高級感のある組み合わせを示している。
歴史あるブランドのひとつであるLotus(現在は吉利汽車の傘下)は、その高度にパーソナライズされた体験型エコシステムと、ドライビングプレジャーに焦点を当て、ドライバーのために先駆的なクルマを作り上げるブランドDNAで知られている。
Lotus Nyo(中国でのブランド表記)は、北京オートショーでロータス・チャップマン・ビスポークのカスタマイズサービスを紹介し、発表した。これは、究極のラグジュアリーとハイエンドを提供するカスタマイズサービスを紹介するもので、高度なカスタマイズ高級感あるデザイン、そして芸術的で繊細なクラフトマンシップという同じ価値観を共有し、LotusとALCANTARA®は互いに刺激し合いながら、素晴らしい旅とドライビング体験を創造する。
ライフスタイルカーコレクションの最初のグローバルBespoke車両であるEmeya(エメヤ)は、繊細なグレーカラーのALCANTARA®製ステアリングホイールを装備しており、ドライビングの愉しさを演出する。さらに、ALCANTARA®で覆われた天井やピラーは、クルマ全体のカラースキームと完璧にマッチし、調和の取れたアートな雰囲気を作り出している。
韓国の優れた自動車の代表、Hyundaiは、Nパフォーマンスコレクションを紹介した。インテリアトリムにALCANTARA®を多用することで、2024年型の新型Elantra N(エラントラN)は、シンプルで洗練された美しさと、ソフトで耐久性に優れ、メンテナンスが容易な技術的・感覚的クオリティを放ち、走行性能をさらに向上させている。
クルマのインテリアは、ライトブルーの外装に合わせてグレーのアクセントが施されており、ALCANTARA®で覆われたステアリングホイールは、レースに備えて完璧なグリップを提供している。さらに、ALCANTARA®はシートにも適用されており、3本の滑らかなラインが躍動感を感じさせ、テクスチャーのあるグレーと青色の大文字の「N」と調和している。
ALCANTARA®は、クルマのインテリアトリム用に高度にカスタマイズされたカラーコーディネートされたデザインを提供し、耐久性と通気性を誇ることでヒュンダイのレースの伝統に沿った究極のドライビング体験を提供している。
美しさと機能性を兼ね備えたALCANTARA®は、比類ないレベルの高性能ドライビングの興奮とスリルをクルマに与える。
ベントレーモーターズの創設者であるウォルター・オーウェン・ベントレー氏が「速いクルマ、良いクルマ、クラス最高のクルマを作ること」と語った様にブランドの価値観と位置付けの基礎を築きあげた。
ベントレーはマリナー・バトゥールを中国で初披露し、ベントレーの初のEVとして、純粋な手作業によって作られ、過去のエッセンスをより簡潔で新しい形に再解釈。Bentleyのまったく新しいデザイン言が表現されている。
ドアパネル、シートサイドボルスター、天井には、細かいウェーブパターンがデザインされた高品質のカスタムALCANTARA®を採用し、さりげないラグジュアリーを演出。
高度なカスタマイズブランドと同じ価値観を共有することで、ALCANTARA®は比類のない美的、技術的、感覚的品質を表現するマテリアルとして機能し、ラグジュアリーなドライビング体験を向上させる。
さらに、Flying Spur Azure(フライングスパーアズール)のヘッドレストと天井のマテリアルとして、精巧に作られたALCANTARA®がインテリアに快適さとエレガンスを加え、細部にわたる美しいディテールを見せている。
最先端技術やイノベーションの導入を通じて、新エネルギーや環境に優しい自動車や輸送の促進を重視する中国の最近の動きに合わせ、ALCANTARA®は2009年からカーボン・ニュートラル認定企業として、革新的な新興企業と協力してアルカンターラのポリエステル成分の完全回収を可能にする特殊技術を開発し、持続可能性への継続的に取り組んできた。
中国の自動車産業が成長するにつれ、地元ブランドは「新しい品質の生産力」というコンセプトに沿って新たな高みに到達しつつある。それに対し卓越した自動車産業で知られるイタリアは、相互発展のために中国の新興技術から学びたいと考えている。
メイド・イン・イタリーのALCANTARA®は両国のコミュニケーションを橋渡しし、急速に変化する中国のテクノロジー・シーンにイタリアの美意識をもたらしている。
今回の第18回北京モーターショーを通じて、持続可能な発展への確固たる取り組みを持つALCANTARA®は、優れたパートナーと協力して、ラグジュアリーとイノベーションの完璧な融合を実現していた。