ピレリは冬季に向けて幅広い製品をラインアップ。最新オールシーズンタイヤ“チントゥラート・オールシーズンSF３”が登場

2024年10月17日タイヤ竹内龍男ピレリ

ピレリから最新のオールシーズンタイヤ、チントゥラート・オールシーズンSF３がデビュー

　残暑が続くかと思ったら急激に気温が下がり、冬の足音が確実に近づいている。クルマの冬支度は万全だろうか。

　ピレリは日本市場で多種多様なタイヤをラインアップしてあり、希少なサイズを履くユーザーの選択肢を広げてくれる頼りがいのあるブランドだ。

　2024年は新製品、チントゥラート・オールシーズンSF３がデビューした。とくにスノー、ドライ、ウエット性能向上に注力。優れた快適性と長寿命、さらに省燃費性能も追求され、高次元のオールシーズン性能を目指した注目モデルだ。国際基準で定められたシビアスノー条件に適合し降雪時の安全性を確保。信頼感が高い。

▲最新作チントゥラート・オールシーズンSF３は回転方向指定タイプの特徴的なⅤ字型溝を採用。センター部は複雑なブロック形状で剛性と排雪性を同時に向上。今季は195／55R16 91V XL～245／35R19 93Y XLの全35サイズをラインアップ。4サイズはシートインサイドタイヤ。オープン価格

　今回は最新モデルのチントゥラート・オールシーズンSF３を含め、ピー・ゼロ・ウインター、スコーピオン・ウインター、アイスゼロ・アシンメトリコという4種のウインタータイヤを北海道千歳市の特設コースで試乗した。

チントゥラート・オールシーズンSF３は雪を確実につかみリリースするため優れた排雪性の持ち主ということがわかる。湿った圧雪からザクザクのシャーベット、部分的な凍結箇所までトータルで安定感あり安心して走れる。高いウエットグリップを備え雨の日も信頼性が高い

　暖冬の影響でアイスバーンとシャーベット路面が入り混じるコンディションでの試乗だったが、チントゥラート・オールシーズンSF３は最新コンパウンドとパターン技術が安定したグリップを発揮する。ブロックとサイプによるエッジ効果が高いイメージで部分的な凍結箇所でも挙動は粘りがある。最新のオールシーズンタイヤは降雪路だけでなくアイス性能も向上しており、以前のようなグリップ不足を感じなくなったモデルが多い。チントゥラート・オールシーズンSF３も雪と氷に対するグリップが上がっている。ウエットグリップは欧州ラベリング制度のAを獲得し、排水性も含めて安心感が高い。ドライやウエットでも乗ってみたい最新作である。

ストレート溝をなくしすべてジグザグ形状に新デザイン。複雑な立体形状の３次元サイプを刻みブロックの倒れ込みを抑制。幅広い温度域でグリップを発揮する最新コンパウンドを搭載。欧州ラベリング制度におけるウエットブレーキ性能は最高位のAを全サイズクリア。騒音はAまたはBグレードを獲得

　ピー・ゼロ・ウインターはシビアスノーとスタッドレスマークを刻印するスポーツカー向けの冬用タイヤ。カーメーカー各社と共同開発を推進し、気温７度以下でグリップダウンが著しくなる夏タイヤの履き替え用として各社から推奨されている。

スポーツカー用に開発されたピー・ゼロ・ウインター。欧州では気温が7度以下になるとサマータイヤよりグリップが確実に確保できるウインタータイヤに履き替える

　今回はBMW５シリーズ、アルピナD3S、ポルシェ911カレラ４に装着して試乗したが、ハイパワーを活かすにはコントロール性が重要というピレリの理念に沿った特性が見事に具現化されていた。特徴的な非対称デザインとコンパウンドの相乗効果で高次元の限界コントロール性を発揮。滑り出しはわかりやすく粘りがありコントローラブル。シャーベット路でもグリップが適切に確保されている点が印象的だった。

ピー・ゼロ・ウインターを履くポルシェ911。車重が軽めのスポーツカーに合わせて接地圧を最適化した印象で優れた限界コントロール性を発揮

　スコーピオン・ウインターも数多くのカーメーカーとの共同開発が推進されてきたハイパフォーマンスSUV向けのウインタータイヤだ。プレミアムセグメントのカーメーカーは自社のクルマにマッチするタイヤが冬季も必要。そこで共同開発が実施され、基準を満たしたタイヤを推奨している。スコーピオン・ウインターはタイヤ幅215～255が縦溝2本、265以上は縦溝4本のⅤ字型デザインを採用。ショルダー部を強化して車重が重いSUVへの対応力を高めた。