わずか30秒で診断可能!三洋貿易、コンパクト・手ごろな価格の EV・PHEV向けのバッテリー診断機の予約受付を開始

 自動車部品の輸出入や最新車両のベンチマーク情報サービスを手がける三洋貿易は、BEV・PHEV バッテリー(以下「バッテリー」)の劣化度合いを短時間で簡単に診断するバッテリー診断機(「EverBlüe Drive」シリーズ)の予約受付を開始した。価格は17万8000円(税別)。

三洋貿易

▲三洋貿易

 バッテリー(ここでは補機バッテリーのことではなく、電気自動車に搭載される駆動用大容量バッテリーのこと)は、BEVの価格の半分~3分の1を占めるといわれている。

 だが、現在のところ中古車査定の際に劣化度が測定されることは少なく、買取価格は安くなる傾向がある。

 バッテリーの劣化度を測る診断機は利用シーンや測定車種が限られたり、大きさ・重さ・測定時間などの課題がありなかなか普及していない状況だ。

 中古EV不振の理由のひとつに「バッテリー劣化度がわからないから」という意識が購入意欲を下げてしまっているとの考え方もある。

EV・PHEVバッテリー診断機「EverBlüe Drive」シリーズ

▲EV・PHEVバッテリー診断機「EverBlüe Drive」シリーズ

 またバッテリーは本来、劣化度に応じてリサイクル・リユースが可能だが、現状は中古EVの需要が強い海外に輸出されるケースが多く、国内のサーキュラーエコノミーが確立されにくい状況だ。中古バッテリーをすべて国内循環できればバッテリーのサーキュラーエコノミー市場は2050年までに8兆円に拡大すると予測されており、このまま海外流出が続けば大きな市場が失われる。

※出典:日本総合研究所「EV 電池サーキュラーエコノミー 8 兆円市場のゆくえ」2024 年8月22日発表

バッテリー診断機(「EverBlüe Drive」シリーズ)使用例

▲バッテリー診断機(「EverBlüe Drive」シリーズ)使用例

 三洋貿易は2017年より米Caresoft Global社の販売代理店となり、各メーカーの車両を分解・解析したデータベースを提供、自動車業界各社のベンチマーク活動を支援してきた。

 同社はEVのデータも多数扱い、グローバルメーカー各社が採用するバッテリーの種類や特性について、国内トップクラスの情報量を保有している。その中で、日本のEVのメンテンナンスに課題があること、中古EVの国内取引が進まないため、適正価格よりも安い値段で需要の高い海外に輸出され、バッテリーの原材料であるレアメタルなど希少金属を含む部品が海外に流出する懸念がある実情を知り、強い危機感を覚えた。そこでEV市場で先行する中国の事例や自社保有データを生かし、診断機開発に至ったのだった。

 現在の日本のEV普及率は2〜3%程度だが、今後は拡大が予想されている。三洋貿易は本製品を通じてバッテリーのエコサイクル確立に貢献するとともに、社会に新しい価値を提供していくと抱負を語っている。

高速バッテリー診断機の特徴

▲高速バッテリー診断機の特徴

 高速バッテリー診断機として以下の特徴が挙げられる。

 操作は、急速充電口(CHAdeMO)に挿すだけの簡単操作で、わずか30秒程度でバッテリーの劣化度合いを推定する。

 測定は膨大な車両解析データをもとに独自アルゴリズムを用いて、データマイニング法によるバッテリーの健全性はアジアブリッジパートナーズ社と共同開発した「B-doc score」というSOH(充電状態)の解析推定値を表示する。

 軽量(750g)なハンディタイプで、利用にあたって専門知識は不要。データはすべてスマートフォンやタブレットのアプリで管理できる。

 測定する前に車両の充放電は不要で、高電圧バッテリーを取り外す必要もない。メンテナンス工場はもちろん、家庭でも利用可能できる。

■製品詳細
名称:高速バッテリー診断機 ETX010(「EverBlüe Drive」シリーズ)
価格:税抜 17万8000円(別途アプリ・システム利用料)
予約受付開始:2025 年 1 月 22 日(水)
販売場所:特設サイト(https://everblue-drive.com/)
その他:バッテリー昇降機(リフター)同時発売。バッテリーメンテンナス機器をシリーズとして順次発売予定

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