ポルシェとミシュランが911 GT3 RS(992)用の新ウェットタイヤを共同開発

ポルシェがミシュランタイヤとタッグを組んで開発した911 GT3 RS(992)用の新ウェットタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ S 5(Michelin Pilot Sport S 5)」を発表。雨天時や低温時のサーキット走行向けに、トレッドパターンやコンパウンドなどを特別に設計。ミシュランのテクノロジーセンター内のテストコースでは、UHPタイヤのミシュラン パイロットスポーツ カップ2 R(Pilot Sport Cup 2 R)より10秒以上速いラップタイムを記録

 独ポルシェAGは2025年2月12日(現地時間)、仏ミシュランSCAとタッグを組んで開発した911 GT3 RS(992)用の新ウェットタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ S 5(Michelin Pilot Sport S 5)」を発表した。

▲ポルシェがミシュランタイヤとタッグを組んで開発した911 GT3 RS(992)用の新ウェットタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ S 5(Michelin Pilot Sport S 5)」を披露

▲ポルシェがミシュランタイヤとタッグを組んで開発した911 GT3 RS(992)用の新ウェットタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ S 5(Michelin Pilot Sport S 5)」を披露

 共同開発の証である“N0”の承認コードを付けたミシュラン パイロットスポーツ S 5は、既存のドライ用UHP(ultra-high-performance)タイヤであるミシュラン パイロットスポーツ カップ2 R(Pilot Sport Cup 2 R)のカウンターパートに位置し、雨天時や低温時のサーキット走行向けに、トレッドパターンやコンパウンドなどを特別に設計する。開発は2022年にスタートし、フランスのクレルモンフェランのミシュラン本社から北へ10kmほど上がったラドゥ(Ladoux)に居を構えるミシュラングループのテクノロジーセンター内で実施。また、ポルシェのブランドアンバサダーであるヨルク・ベルクマイスター(Jörg Bergmeister)氏がワークスドライバーとしての長年の経験を活かして、タイヤの微調整に貢献する。

▲ミシュラン パイロットスポーツ S 5は共同開発の証である“N0”の承認コードを付ける

▲ミシュラン パイロットスポーツ S 5は共同開発の証である“N0”の承認コードを付ける

▲ポルシェのワークスドライバーでブランドアンバサダーも務めるヨルク・ベルクマイスター氏が開発に参画

▲ポルシェのワークスドライバーでブランドアンバサダーも務めるヨルク・ベルクマイスター氏が開発に参画

 トレッドパターンはハイドロプレーニング特性の最適化を目的に、深さ7.4mmの4つの大きな溝を刻んで排水性を強化。一方でコンパウンドのゴムは、シリカの割合を増やして濡れた路面でのグリップを高めるとともに、動作温度の素早い上昇を達成する。また、タイヤカーカスの素材構成と形状にも改良を施し、ストレートとコーナーの両方で接地面積を最適化した。気温としては、5~15度の条件で最適な特性を発揮するようセッティング。さらに、操舵時の高い制御と予測可能性も実現し、同時に優れた耐摩耗性も確保した。

▲トレッドパターンはハイドロプレーニング特性の最適化を目的に、深さ7.4mmの4つの大きな溝を刻んで排水性を強化

▲トレッドパターンはハイドロプレーニング特性の最適化を目的に、深さ7.4mmの4つの大きな溝を刻んで排水性を強化

▲コンパウンドのゴムはシリカの割合を増やして濡れた路面でのグリップを高めるとともに、動作温度の素早い上昇を実現。タイヤカーカスの素材構成と形状にも改良を施し、ストレートとコーナーの両方で接地面積を最適化する

▲コンパウンドのゴムはシリカの割合を増やして濡れた路面でのグリップを高めるとともに、動作温度の素早い上昇を実現。タイヤカーカスの素材構成と形状にも改良を施し、ストレートとコーナーの両方で接地面積を最適化する

 テスト走行は前述のテクノロジーセンター内のテストコースのほか、ドイツのニュルブルクリンクやポルトガルのポルティマオなどでも実施する。テクノロジーセンター内のウエット路面におけるテストコースのラップタイムでは、ミシュラン パイロットスポーツ カップ2 R装着時が1分41秒07だったのに対し、ミシュラン パイロットスポーツ S 5装着時は1分27秒62と、10秒以上速いタイムを記録した。

▲テスト走行はミシュランのテクノロジーセンター内のテストコースのほか、ドイツのニュルブルクリンクやポルトガルのポルティマオなどでも実施

▲テスト走行はミシュランのテクノロジーセンター内のテストコースのほか、ドイツのニュルブルクリンクやポルトガルのポルティマオなどでも実施

▲テクノロジーセンター内のウエット路面におけるテストコースのラップタイムでは、ミシュラン パイロットスポーツ カップ2 R装着時に対してミシュラン パイロットスポーツ S 5装着時が10秒以上速いタイムを記録する

▲テクノロジーセンター内のウエット路面におけるテストコースのラップタイムでは、ミシュラン パイロットスポーツ カップ2 R装着時に対してミシュラン パイロットスポーツ S 5装着時が10秒以上速いタイムを記録する

 なお、ミシュラン パイロットスポーツ S 5は公道での使用も承認されており、転がり抵抗と騒音レベルに関するすべての法的要件をクリア。サイズとしては、まず前275/35ZR20、後335/30ZR21をリリースし、販売はドイツのレーシングチームで、911 GT3 RSのアップグレードキット「マンタイキット(Manthey Kit)」も手掛けるマンタイレーシング(Manthey-Racing)が担当するという。

▲ミシュラン パイロットスポーツ S 5はまず前275/35ZR20、後335/30ZR21サイズが提供される

▲ミシュラン パイロットスポーツ S 5はまず前275/35ZR20、後335/30ZR21サイズが提供される

▲ミシュラン パイロットスポーツ S 5の販売はドイツのレーシングチームで、911 GT3 RSのアップグレードキット「マンタイキット」も手掛けるマンタイレーシングが担当する

▲ミシュラン パイロットスポーツ S 5の販売はドイツのレーシングチームで、911 GT3 RSのアップグレードキット「マンタイキット」も手掛けるマンタイレーシングが担当する

 

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