JAF(日本自動車連盟)は9月11日(月)、6月1日(木)~30日(金)にかけて発生した“猫がクルマに入り込んだことによるトラブル”の救援要請件数を発表した。
6月1日(木)~6月30日(金)の1カ月間でドライバーから「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」とロードサービスの要請があった件数は全国で343件。同様の調査を1月にも実施しており、その際は1カ月間で19件。6月の343件はその約18倍にあたり、今回の調査によって冬よりも春の方が猫がクルマに入り込むトラブルが多いことがわかった。
これには猫の生態が大きく関係している。猫は日照時間の長い2月~4月や、暖かい6月~9月の間に発情期を迎えるため、春や秋に出産が多いと言われている。今回調査した6月はちょうど春生まれの子猫が活発に動き始める時期であり、トラブルの件数が多かったと考えられる。
春が冬よりも「猫がクルマに入り込むトラブル」件数が多いことについて、猫の飼い主向け雑誌『ねこのきもち』が提供している「ねこのきもち獣医師相談室」に以下のようにコメントしている。
■ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師 コメント
「子猫が生まれ(4月ごろ)てから活発に動き始める1~2カ月後(5~6月)の期間”は、特に「落ち着ける隠れ場所」を必要とする猫が多い時期ともいえると思います。通常、隠れ場所としては暗くて狭い場所を選びがちです」
「猫がクルマに入り込むトラブル」は寒い冬だけでなく、子猫が生まれ活発に動き始めるころにおいても注意すべきといえそうだ。
同調査では猫以外の動物がクルマに入り込んだトラブルも報告されており、同期間で13件も存在した。内訳はヘビ10件、鳥2件、ヤモリ1件。数字としては決して多くはないが、クルマに入り込むのは猫だけとは限りません。エンジンルームから物音がして中を確認される際は注意したい。不用意に手を入れてかまれた場合、けがや感染症のおそれがある。
6月に救援要請のあった343件のうち、その約2割が「エンジン始動後」に連絡されたものだった。猫が入り込んでいることに気づかずエンジンをかけてしまうとエンジンベルトなどに巻き込まれる場合がある。猫が命の危険にさらされるのはもちろんのこと、クルマの故障(ベルトの切れ、外れなど)にもつながる。
乗車の前は、一息ついて、車の下をのぞいて、ボンネットなどエンジンルーム付近をやさしくたたき、乗車後はエンジンをかける前に数秒静止し猫の気配がしないか確認するなど、できることを実践しよう。