トヨタは、WRC2019年シーズンの第10戦ドイツと第13戦スペインに、若手育成ドライバーの勝田貴元が、トップカテゴリーのWRCクラスに出場すると発表した。
TOYOTA GAZOO Racingはラリーで世界に挑戦する若手ドライバーを支援するプログラム「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム」の2019年の活動内容を強化し、シーズン後半の活動内容を、「日本人WRCドライバーの誕生」という本プログラムの目標の早期達成を狙うものに見直す。
勝田 貴元はこのプログラムの支援を受ける26歳。今シーズンここまで、FIA世界ラリー選手権(WRC)のWRC2クラスにフォード・フィエスタR5で7戦参戦し、チリでは自身2度目となるクラス優勝を果たした。また、ヤリスWRCで参戦したフィンランドラリー選手権では2戦2勝という結果も残すなど、着実に成長しているドライバーだ。
プログラムを監修しているトミ・マキネンは次のようにコメントしている。
「勝田は今シーズンここまで良い結果を残しています。WRC2クラスで戦う中で、ドライビング技術の向上と、一貫性を持つことに成長を見せています。ヤリスWRCで初めて参戦したフィンランドラリー選手権でもしっかりと走った。このような彼の成長を見て、次のステップへの準備は整っていると判断しました。そこで、更なる成長の促進を図るため、WRCトップカテゴリー2戦に出場する機会を与えます。勝田はドイチェランドでのラリーは初めてですし、スペインはグラベルとターマックで構成されるラリーですので、とても大きな挑戦になります。そのため、結果を追うことを目標とはせず、ドライビング技術の向上と、参戦を通して様々なことを学ぶことを優先させます」
勝田貴元のコメント
「まずサポートしてくださった皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいです。4年前ラリーに転向してから、将来WRCワールドチャンピオンを獲ることを考えてラリーに取り組んできました。良いこともあれば、悔しかったこと、苦しかったことも沢山ありました。本当に多くの方にサポートいただき、この度大きな一歩を踏み出すことができます。
ですが、僕にとってのゴールはここではありません。今年ヤリスWRCに乗ってから徐々に手応えを掴みつつあります。近い将来WRCトップカテゴリーで戦うためにも、今は焦らず着実に経験を積み、このチャンスを無駄にしない様、一戦一戦成長していきます。まだまだ夢へ向けてやるべきことは多いですが、必ず最後までやり切りますので、今後共応援の程よろしくお願い致します」
■プロフィール
勝田貴元(かつた たかもと)
1993年3月17日生まれ、愛知県出身。12歳でカートデビューし、18歳でFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)チャンピオン獲得。
20歳でF3シリーズ2位、2014年からはF3に参戦するとともに、全日本ラリー選手権にも挑戦、第8戦でJNクラス初優勝。
2017年のFIA世界ラリー選手権第7戦(イタリア)、WRC2クラス3位で初の表彰台に上り、2018年のFIA世界ラリー選手権第2戦(スウェーデン)でWRC2クラス初優勝を果たした。
2019年はFIA世界ラリー選手権第6戦(チリ)WRC2クラスで優勝、ヤリスWRCで参戦したフィンランドラリー選手権では2戦2勝。(2019年6月時点)